◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <西播磨編> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
禅師山 ぜんじやま | 434.3m | 宍粟市 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 安志 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2011年9月】 No.2 | 2011-91(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
宇原橋の近く(新宮町側)より 2011 / 9 |
宍粟市の南部、揖保川の左岸尾根は姫路市との境界尾根になっているが、その尾根にある禅師山は宍粟50山に選ばれて、登山コースが整備されている。そのコースは西麓の戸原小学校そばを起点とするもので、尾根コースと禅師谷コースの二つに分かれて、市境尾根で合流している。この禅師山を名前も知らなかった1999年1月に、三角点(点名・宇原)を持つ山として宇原集落側から登っていたが、戸原小学校からのコースがあると知って、一度は歩いてみたいと考えていた。実行したのは2011年9月の第二土曜日で、朝から気温が30℃に迫る残暑の厳しい日だった。 戸原小学校の前に着くと、登山口を示す標柱を見たが、そばの車道は道幅が狭く、また住宅もあって車を止めるスペースは無かった。車道を少し南に向かうと、すれ違いのためか道幅が広くなった所があり、その交差部の端が車一台を止めていても邪魔にならないだろうと思えたので、そこに駐車とした。戸原小学校は工事が行われており、またゲートボールを楽しむお年寄りもいて賑わっていた。その小学校と道路を挟んで反対側に登山口標識が立っていた。10段ほどの階段を上ると忠霊塔の建つ広場に出て、その右手に登山道が始まっていた。歩いて行くとすぐに害獣避けゲートが現れ、その先で尾根コースが分かれた。まずは尾根コースを登って行こうと、左手の小径に入る。細々とした道で、そばに鹿でも捕まえるためか、大きな檻が置かれていた。そこを過ぎると登山道の少しはっきりしない所が現れて、右にも左にも行けそうだった。パートナーは左手方向が正しいと言ったが、右手方向を進むと、やはり違っていたようで、小径は不確かになった。ただその先に赤い鳥居が見えたので、それが気になって小径の不確かなまま適当に歩くと、小さな神社の前に出た。神社は伏見稲荷大明神だった。そこへの参道は南から石段が来ていた。参道は禅師谷コースから分かれているもので、石段の先には禅師谷コースが見えていた。そこで尾根コースには戻らず、谷コースを歩いて行くことにした。石段を何十メートルか下って、禅師谷コースに合流する。名の通りに谷に沿っての登山道で、害獣避けネットが平行していた。歩くうちにネットとは離れ、道も次第にはっきりしなくなってきた。石がゴロゴロとした所を歩くこともあり、適当に谷を歩いている感じになったが、赤テープが点々と付いており、また適度に標識も付いているので、コースを誤る心配は無かった。谷は枯れ沢だと思っていると、水の流れが現れたりした。その沢を歩いたり、また石の多いこともあってけっこう歩き難かったが、そのことよりも暑さがこたえてきた。谷はなま暖かい空気がこもっているようで、何とも蒸し暑く、次第に歩度が鈍ってきた。そのため尾根までが長く感じられた。尾根に着いたときは、たまらず座り込んで暫しの休憩とした。ただ尾根に出ても風は僅かで、あまり涼しさは感じ無かった。その境界尾根に出て、尾根コースと合流した。その合流点辺りは少し展望があって、北に山崎市街が眺められたが、下山は尾根コースと考えていたので、再び戻ってくることでもあり、まずは山頂を目指すことにした。南の方向に登って行くが、少し倒木が煩わしかった。それも登るうちに歩き易くなって、尾根も緩やかになってきた。そしてほぼ平らになった所も現れて、そこが禅師山廃寺跡で、今はすっかり木立に占められていた。その平坦地の一部に平らな石が点々とあったが、お寺の痕跡かも知れなかった。その廃寺跡を過ぎると、今少し上り坂となり、450mピークに着いた。標高では禅師山のピークよりも幾分高いことになり、お寺の有った位置にも近いので、こちらを山頂としても良かったのではと思えたが、三角点のある434mピークの方を禅師山と呼ぶにはそれなりの理由があるのであろう。この450mピークにはマイクロウェーブ反射板が建っており、前回ここに立ったときは好展望が広がっていたのだが、10年以上の歳月の間に植林が育ってしまって、すっかり展望は消えていた。登山道のままに緩く下って少し登り返した所が禅師山の山頂だった。一帯は三角点の位置を含めて平らになっており、木陰もあって休むには良い所だったが、周囲は雑木が取り巻くため、展望は良いとは言えなかった。その山頂に着いて、ようやく風と出会えた。風はいくぶん生暖かさがあったが、吹かれている分にはけっこう涼しいと感じられた。その風があって木陰があるとなれば、昼寝をしたくなった。寝ころべば風は少し弱くなったが、涼しさを感じるままに暫しのまどろみを楽しんだ。その昼寝の途中で、手の甲がチクリとした。見ると小さなヒルが付いていた。慌てて取り除けると共に殺処分としたが、気になって足下を見ると、登山靴にも同じような小さなヒルが2匹付いていた。どうやら谷コースのじめじめした所を歩いたときに、引っ付かれたものと思えた。やはりこの季節の宍粟の山は、ヒル対策が必要なようだった。そのヒル騒動があったものの、その後も昼寝を楽しんで、結局山頂では一時間余りを過ごしていた。下山は予定通り引き返す形で、尾根コースに向かう。禅師谷コースの分岐点が近づくと北への展望が現れたが、分岐点を過ぎて更に尾根を進むと、コースから離れて送電塔の建っているのが見えた。その送電塔への巡視路に入ると、下るほどに展望が広がってきた。前方は山崎市街で、その背後には水剣山と黒尾山が並んでいる。北西の後山は雲に隠されていたが、左隣りの日名倉山は山頂を見せていた。北東は雪彦の尾根が見え、送電塔のそばまで来ると、足下に揖保川の流れも見えて、その揖保川を挟んで牧山から国見山に続く尾根が対峙していた。その送電塔の建つ位置は風が来ないため、蒸し暑さを我慢しながらの展望だった。尾根コースに戻って下りを続けると、植林地は自然な雑木林へと変わり、感じの良い尾根となってきた。尾根も緩やかで、ごく気楽な下りだった。但し暑い中での下りだったので、もう少し気温の低い季節の方がずっと良いのではと思いながら歩いた。尾根は緩い上り坂もあり、暑いこともあって尾根歩きが少し長いと感じられた。その尾根から登山道は南斜面へと離れ、下った先が往路で少し分かり難いと感じた位置だった。下ってくると特に迷えそうも無かったので、夏に少し雑草が増えただけのようだった。後は谷コースと合流して、登山口へと戻ってきた。鋭い陽射しが照りつけており、温度計は33℃を指す厳しい暑さだった。 (2011/9記) |
<登山日> | 2011年9月10日 | 9:17戸原小学校前登山口スタート/9:22尾根コースに入る/9:27〜30伏見稲荷大明神/9:32禅師谷コースに入る/10:18〜36境界尾根に出る/10:42廃寺跡/10:49反射板/10:54〜12:05禅師山/12:20禅師谷コース分岐点/12:25〜45送電塔の位置で休憩/尾根コースを下る/13:26登山口エンド。 | |
(天気) | 晴れ。少しうっすらとした空で、雲が多く浮かんでいた。特に北の空に多く、そちらは曇り空だった。登山道の気温は27℃ながら、残暑と呼べる蒸し暑さがあった。尾根に出て僅かに風を受けるようになる。山頂はけっこう良い風が吹いており、涼しく過ごせた。視界は少しうっすらしている程度で、まずまず良かった。下山を終えると、ふもとは30℃を越す暑さだった。 | ||
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