大撫山は山頂に天文台が建っており、一帯は西はりま天文台公園となっている。そのため車道が山頂そばまで通じており、ハイキング対象の山とは言えないが、その大撫山をハイキングとして楽しもうと初めて訪れたのは、2001年12月のことだった。当時は大やけどで足を痛めており、無理のないハイキングをしようと考えて、大撫山の車道を麓から山頂まで歩く計画をしたものだった。天文台の辺りは山頂と言うよりも丘の風景となっており、周囲には伸びやかな展望が広がって、ここも悪くないと思ったものである。その大撫山ハイキングの2回目も、足を痛めていたときに計画した。向かったのは2012年11月10日のことで、一週前の入相山登山で両膝を痛めてしまっていた。ヤブの下山はきつかったが、まさか両膝が痛くなるとは思わなかった。二日経ち三日経ちしても痛みが引かないので、整形外科を訪れたところ、原因は疲労によるものとのことだった。つまりは年をとって無理がきかなくなってきたようだった。その痛みも週末には漸く薄らいできたので、土曜日の10日に軽いハイキングとして大撫山を計画したものだった。前回は麓から歩き始めたが、舗装路の林道歩きはやはり退屈だったので、今回は三角点のある山頂からは1km程しか離れていない406mピークからハイキングを開始することにした。406mピークも山頂まで車道が付いており、ハイキングと言うよりも散歩と言うのが正しいかも知れない。その406mピークには電波塔があり、また延命地蔵が祀られている建物が建っている。そこまで車道が通じているので、電波塔のそばにあった駐車スペースに車を止めた。ハイキングを開始する前に、延命地蔵の前の広場に立った。そこは佐用町では有名な所で、「佐用の朝霧」のビューポイントになっていた。着いたときは10時になっており、また雲の広がる空でもあったので、朝霧は出ていなかったが、展望地としても素晴らしい所だった。足下に広がる佐用の町並みや東の空に見える黒尾山の尾根を眺めたりして、ひとときを過ごした。そしておもむろにハイキング開始とした。メイン道路となる山上を縦貫する車道に戻って来ると、西へと歩いて行った。長くも歩かず、山頂に広がる西はりま天文台公園への道が分かれたので、そちらに入った。そして406mピークを離れてから20分とかからず公園の入口に着いた。後は気楽な園内散策を楽しんだだけなので、下の写真帳でその様子をご覧いただきたい。爽やかな空気に包まれた山頂は、人の気配は無くひっそりとしていた。公園の木々は色づき始めており、一週ほど待てば見頃を迎えそうだった。山頂には天文台が建っているが、前回に来たときは茶色の建物(天文台北館)だけだったが、その隣りに一回り大きい白い建物(天文台南館)が建っていた。そちらには口径2メートルの望遠鏡(なゆた望遠鏡)が入っているとか。この日、山頂で期待したのはその天文台では無く、山頂からの展望だったが、これは叶えられた。雲が多いものの山並みは姿を見せており、しかも視界が良く、稜線がくっきりと眺められた。この公園内の散策を1時間ほど楽しんだのだが、足の状態は特に問題無かったので、午後は近くで軽い登山でもしようと、車を止めている406mピークへと戻って行った。
(2012/12記)(2021/4改訂)(2024/7写真改訂) |