谷山には東麓側からも西麓側からも登っていたが、暮坂峠からは登っていなかった。そこで一度暮坂峠から尾根伝いで登ってみることにした。向かったのは2016年11月の第三日曜日のこと。パートナーは用事があったため、単独行だった。暮坂峠には小さな祠があり、そのそばに数台分の駐車スペースがあったので、そこに駐車とした。空は薄黒い雲が広がっていた物の、雨の心配は無さそうだった。祠への石段を登ると、祠の左手から登山道が始まっていた。すぐに尾根に出ると、後は北へと歩いて行くだけだった。始めはクリーンセンターに通じる車道が左手に見えており、やや急坂を登って西からの尾根に合流する形となった。終始樹林に囲まれており、展望はほとんど無かった。また尾根の紅葉は進んでいたものの尾根筋は常緑樹が多いようで、少し離れて見ることになった。その尾根で展望が現れたのは中間点となる353mピークに着いたときで、北向かいに丸みを帯びて全山紅葉している山が現れた。一瞬谷山かと思ったが、地図で確認すると谷山より二つ手前の390mピークだった。その左手には置塩山が見えていた。390mピークまで来たとき、ようやく谷山が眺められたが、その間には410mピークがあって、それを越して近づいた。谷山の山頂は縦走コースから少し西よりに離れており、コースと分かれて近づくことになった。山頂に着くとそこは植林地になっており、そのため展望は無かった。この日の視界はうっすらとしていたこともあって特に展望を探したいとも思えず、山頂では休憩するに止めた。そして10分ばかりの休憩を済ませると、下山に移った。下山は往路を引き返した。登ってくるときはすんなり来られたのだが、下るとなると尾根なりに歩いてしまい、二度ばかり尾根筋を離れてしまった。一度は390mピークの先で南東へと歩いてしまい、二度目は暮坂峠への道が分岐する所で西へと歩いてしまった。どちらもすぐに気付いて数分のロスで済んだのは良かった。この帰路では天気は回復の兆しを見せ、ときおり陽射しを受けるまでになったが、それも暮坂峠に戻ってきたときは、また全くの曇天に戻っていた。
(2016/12記)(2020/6改訂) |