三田市には奥山が二つあり、この日に向かったのは布木の奥山だった。県道37号線を走って南側から奥山に近づくと、奥山の手前の小さな山に東屋が建っているのが見えた。その小さな山は堂山だった。その堂山の西麓まで来ると、高平ふるさと交流センターが建っていた。そこに案内図があり、堂山を含めて一帯は「高平観福の森」になっていることを知った。そこで奥山だけを登る計画を変更して、先に堂山を登ることにした。車は交流センター前の駐車場に止めてもよかったが、少し離れた県道そばの第2駐車場に止めた。案内図に従って交流センターの裏手に回ると、交流センターの敷地外に出た。標識があり、堂山山頂の「とりで広場」まで20分とあった。その標識に従って堂山の山裾に近づくと、害獣避けゲートを通った。後は遊歩道のままに登って行くだけだった。丸太の階段道となっている所が多くあり、ゲートを通ってから14分で堂山の山頂に着いた。そこが「とりで広場」で、そこには遠くからでも目に付いていた東屋が建っていた。その東屋の前が好展望地だった。南東から南西へと遮るものの無い展望が広がっており、何と言っても南向かいの大船山が目立っていた。その堂山からは北へと尾根道が始まっていた。奥山に向かうべくその尾根道に入って鞍部へと向かった。一部道幅の狭くなっている箇所もあったが、概ね遊歩道の雰囲気はあった。それも鞍部までだった。鞍部から先はごく素朴な山道を伝うことになった。道のはっきりしない所もありヤブ山派の世界となってきた。ただヤブをかき分けるようなことは無く、無難に登って行けた。359mピークを越し、そこより20分ほど歩いて奥山の山頂に着いた。そこはすっかり樹林に囲まれており、展望は無かった。その山頂の中央に三等三角点(点名・非相山)を見た。ちょうど昼になっていたので、山頂で昼休憩とした。意外と涼しい風があり過ごし易かった。一息つけたところで、少し展望を探ってみた。西の方向へと小さな尾根を数十メートルほど辿ったとき、少しだが西の方向が見えた。手頃な木に登ると前方が開けて、そこに千丈ヶ岳を見た。山頂に戻ると下山に移った。更に北へと歩いて行くが、もう道としてはヤブ道だった。この奥山の山頂部は南北に長く北の方にも小さなピークがあって、そちらの方が三角点ピークよりも僅かに高かった。その450mピークを越えると北尾根に入ったのだが、すぐには北尾根ははっきりせず、GPSを頼って北尾根を辿った。尾根筋を辿れるようになると、目印テープを目にするようになった。但しその北尾根もヤブっぽい尾根だった。下りきると沢筋に出た。そこからは沢沿いを西へと歩いた。道の無い所もあったが、沢筋を辿るだけだった。その沢筋歩きを20分ほど続けたとき、左手に溜め池が現れた。その溜め池との間には害獣避けフェンスがあり、扉のある位置まで歩いてフェンスを越した。そこは溜め池の西岸の位置だった。近くには民家が見えており、そちらへと向かった。そして県道37号線へと出てきた。そこから高平ふるさと交流センターまでは20分少々の距離だった。車道に沿ってずっと歩道が付いていたので、車を気にせず歩けたのは良かった。
(2021/7記) |