2007年2月24日は点名・田幸を持つ415mピークを登った後、田幸山を目指したのだが、真新しい作業道に惑わされて時間切れとなり、山頂を踏めなかった。帰宅後改めて地図を見ると、北麓の田幸集落よりも南麓側からの方が尾根も緩やかで楽に登れそうに思えた。そこでリベンジとばかりにさっそく翌日の25日に他の用事はキャンセルして、田幸山に再チャレンジとした。播磨自動車道はまだ播磨新宮ICまでしか出来ておらず、その播磨新宮ICを下りて二柏野集落に入り、田幸山の尾根と平行して走る車道に入った。その車道は播磨自動車道の側道にもなっており、播磨自動車道を見ながら東へと向かった。持っていた地形図が古く、播磨自動車道は載っていなかったが、三濃山トンネルに近い位置に車を止めた。その辺りが山頂に一番近いように思われたためである。どの尾根を登るかだったが、田幸山の尾根からは小さな尾根が幾つも南北に分かれており、どの尾根が適切かは決められないので、駐車地点そばの尾根を適当に登って行くことにした。雑木林に包まれた山裾に取り付いて少し登ると、尾根を追えるようになった。自然林の尾根は適度に空いており、無理なく登って行けた。振り返ると、播磨自動車道が見えていた。尾根のままに登って行くと小さなピークがあり、それを越えて一登りすると、30分ほどで主稜に出た。辺りの木立は疎らで、足元は落ち葉が地表を隠していた。東へと尾根道が見えたが、現在地をはっきり確認するため北へと別の尾根を辿ると、次第に緩やかに下り出して、現在地が田幸山から西に500mほどの地点であることがはっきりした。そうなれば主稜に戻って東へと尾根を辿れば山頂に出ることになる。主稜の道は落ち葉道で、周りは裸木が取り囲んでいる。さくさくと音をさせながら良い雰囲気で歩いて行くと、ごく簡単に田幸山の山頂に着いた。そこは中心にパラボラ式の共同アンテナが建っており、そのそばに三角点が置かれていた。一帯は開けて周囲を雑木が囲んでいる佇まいは、少しは山頂の雰囲気が感じられた。雑木の空いた所からは北の方向が眺められ、点名・千本の尾根、その右手には高倉山、北東遠くには明神山がちらりと見えていた。この山頂に立って前日のもやもやは消えたが、前日の到達地点を知りたく、今少し尾根を辿って行くことにした。まず南へ向かい、460mピークへ。そこが田幸山の尾根で一番高い地点になる。雑木が茂って、少し雑然とした雰囲気のピークだった。少し南に下ると一帯は若木の植林地となり、その木立を通して南西方向に三濃山が見えていた。最高点に戻り東にある次のピークとの鞍部に着くと、そこに工事中の作業道を見た。前日の到達地点だった。尾根をあと30分ほど辿っておれば三角点ピークに着けていたことが分かった。ところで工事中の作業道は更に南へと向かっており、いずれは麓まで通じるものと思われた。そうなるとその作業道で簡単に尾根に出られることになり、尾根道を少し歩けば山頂に立てることになる。この前日の到達地点を確認したことで、この日の目的を達成した気分になった。そこで下山に向かうことにした。最高点の460mピークまで引き返し、そこより真っ直ぐ南西方向に向かう尾根を下って行った。この尾根は左が植林地で右が雑木林になっており、ときおり木立が空いて展望の現れることがあった。それは南の方向で、電波塔のある榊山から三濃山と続く尾根が広がっていた。下っている尾根も登りの尾根と同様に緩やかで、気楽に下って行けた。麓が近づくと播磨自動車道が見え、最後は急坂となったが、木に掴まりながらも無理なく麓に下り着いた。
(2007/3記)(2015/7改訂)(2020/6改訂2) |