須留岐山には南麓側からも登山コースがあることを知って、一度は登ってみたいと考えていた。向かったのは2022年10月中旬の快晴の日のこと。兵庫全域で快晴と考えていたのだが、播但道を走って生野辺りまで来ると、雲の広がる空に変わっていた。高峰にはガスもかかっていた。それは前日の名残だったようで、和田山まで来ると青空が見られるようになってきた。豊岡道を八鹿氷ノ山ICで下りると、県道6号線、国道312号線、県道2号線と走って伊佐橋を渡った。もう空の半分は青空になっており、須留岐山も明るく眺められた。浅間寺の標識を見ると、県道を離れて北へと向かう細い道に入った。浅間寺が見えてきたとき駐車可能と思える空き地が現れたので、そこに駐車とした。まずは浅間寺へと歩き始めた。浅間寺のそばまで来ると「須留岐の森」の案内図が立っていた。それを見ると浅間寺からのコースは、最短距離で登る直登コース以外にも尾根筋コースがあるようだった。境内に入るといかにも古刹と言った風格を持つ本堂が現れた。その本堂の裏手に直登コースの登山口があった。害獣除けフェンスのゲートを開けて登山道に入った。始めはつづら折れの道になっており、少し登ると祠の前に出た。その先は北へと自然林の中を真っ直ぐ登るようになった。しっかり登る感があって悪くなかったが、次第に傾斜が増して急坂となってきた。その急坂に途中から鎖が現れて、鎖に掴まりながら登ることになった。その鎖を掴んでの登りが長々と続いた。途中で何度か息を整えながらで、ときに背後に展望の現れることもあった。山頂が近づくうちに尾根は緩んでくると思って居たのだが、鎖を掴んでの登りは山頂まで続くことになった。山頂に着いたときは、登山口から1時間が経っていた。5年ぶりの山頂だった。木々が多くあって、すっきりと眺められるのは北側だったが、南の方向も少しは望めた。また木陰は多くあったので、休むには良い所だった。涼しさを楽しみながら山頂では1時間少々過ごした。そして下山は尾根筋コースを下ることにした。東へと尾根を歩くのだが、その尾根は豊岡市と養父市の境界尾根だった。標識が立っており、スムーズに尾根筋コースに入って行けた。ごく緩やかな下り坂だった。ときおり梢越しに光明山の尾根が眺められた。430mピークまで歩くと南東方向に向かうようになった。その境界尾根から真っ直ぐ南へと向かえる尾根が分かれると、そちらを下ることになった。道幅はあり、こちらも緩やかな道だった。往路の直登コースと比べて、こちらがメインコースのように思われた。周囲は自然林で優しげな風景を作っており、標識もはっきりしていた。下るうちに南西方向に向かうようになり、木々の隙間から浅間寺を見ることがあった。コースは最後に浅間集会所方向と浅間寺方向とに分かれたので、そこは浅間寺への道に入った。最後に害獣除けゲートを抜けると、大きな堰堤の前に出た。そして車道に合流した。その車道は駐車地点に繋がる道で、浅間寺には立ち寄らず真っ直ぐ駐車地点へと戻って行った。
(2022/11記) |