4,5回は登っていると思っていたのにまだ2回しか登っていなかった山が鎌倉山だった。鎌倉山から鉢尾峰へと続く尾根は行者道としてハイキングコースになっているので、前回2009年と同じく鉢尾峰と併せて登ろうと向かったのは2020年10月中旬のことだった。天気予報では午前は晴れ午後は曇りとなっており、その通りに朝の空は良く晴れていた。普光寺に着くと、前回は普光寺の駐車場に止めていたが、この日は普光寺から少し離れたハイキング駐車場に車を止めて、そのそばから始まる小径に入った。すぐに広いグランドに出ると、そこを突っ切って林道に入った。林道の入口にはゲートがあった。林道を5分ほど歩くと登山口の標識が現れて、右手の斜面に登山道が始まっていた。尾根を目指してその小径に入った。周囲は植林地で、その中を小径は続いた。小径は送電経路の巡視路でもあり、登山口から10分ほど登ったとき送電塔(播磨線135番)に出会った。そこはまだ斜面であり、尾根に出るまで後80mほど登ることになった。尾根に出ると尾根道は行者道で北へと歩いた。鉢尾峰までは近かったようで、すぐに鉢尾峰を迂回するコースが右手に分かれた。鉢尾峰に立つべくそのまま尾根道を辿ると、分岐点から12分で鉢尾峰のピークに着いた。鉢尾峰の別名は大天井とのこと。そこは展望の無いピークだったので、すぐにピークを離れて尾根歩きを続けた。急坂は無く適度な傾斜の尾根を下ると、小天井へと登り返した。周囲の自然林の雰囲気は良かった。次の460mピークが小天井だった。そこは北の方向に展望があって、千ヶ峰が望めた。昼どきになっていたことでもあり、小天井で昼食をとることにした。その後も西へと尾根歩きを続けて大日如来像が立つ459mピークを越えた。その辺りはずっと展望の無い尾根歩きだったが、急に展望地が現れた。そこは「東ののぞき」で、南の方向が遮るものも無く眺められた。標高300mの柳峠まで下ると、いよいよ鎌倉山へと登り返すことになった。132番鉄塔を過ぎて131番鉄塔のそばに立つと、そこは展望地だった。北の方向だけでなく西の方向も望めて、雪彦の尾根までが一望となった。ただいつしか上空は雲が広がっており陽射しは消えていた。その先も高度を上げて行くと、鎌倉山の北ピークに着いた。そこには孔雀明王の石像があった。もう緩やかな道で、孔雀明王から5分と歩かず鎌倉山の山頂に着いた。上空はすっかり曇り空に変わっていた。山頂は以前と変わらず好展望地で、南に向かって「東ののぞき」以上の展望が得られた。その風景を更に楽しめるように望遠鏡も置かれていた。そして山頂には法起大菩薩像が立っていた。その佇まいは以前のままだったが、北の方向は樹林が育ったことでかなり狭まっていた。すっかり曇り空の山頂で少時を過ごすと下山に移った。下山は南東方向に向かえる登山道に入った。そのコースを6分ほど下ったとき、展望地が現れた。そこの名は「西ののぞき」で、山頂と同様に南方向の展望だった。その「西ののぞき」より今少し下ると、コースのもう一つのポイントである鎌倉寺の前に出た。更に下って行くが、登山道は以前よりも荒れてきている印象を受けた。麓に下り着くと小橋が現れて、そこが登山口と言える所だった。案内標識のままに歩いて車道に合流すると、後は河内町の集落に向かって南へと歩いて行くが、車道上にロープが張られている所があった。登山口まで車を進めることが出来なくなったようで、そうなると鎌倉山だけを目的の人も、普光寺から歩き始めるのが賢明のようだった。但し駐車場までの距離は長く、登山口の位置から30分ほど歩いて駐車地点に戻ってきた。
(2021/7記) |