冬のハイキングとして鎌倉山は悪くないと思えて、向かったのは2024年2月の第三土曜日のことだった。この日は晴れの予想で、姫路の空はその通りに快晴だったが、加西市の空は雲が広がっていた。車を普光寺のハイキング駐車場に止めると、鎌倉山へと向かった。鎌倉谷の車道に出ると、北へと歩いて行く。集落を抜け車止めのチェーンを越えると、程なく登山口標識が現れた。それに従って左手の枝道に入ると害獣避けゲートを抜けることになり、その先で右手に折れて鎌倉山の山裾に近づいた。小橋の位置が実質上の登山口で、小橋を渡って登山道に入った。緩やかな道から次第に傾斜は増してきた。ただ急坂になることはなく、周囲の樹林を眺めながらの登りが続いた。鎌倉寺まで登ると、その先で「西ののぞき」への小径が分かれたので、そちらへと向かった。「西ののぞき」の下部に出ることになり、上部に出るには岩を巻いて登ることになった。上部に出ると、その名の通りに好展望を楽しめることになった。曇り空ながら視界は悪くなく、南に広がる風景を広く眺められた。「西ののぞき」から山頂へは真っ直ぐな道で、7分ほどで山頂到着となった。法起大菩薩が鎮座しており、双眼鏡が置かれている佇まいは以前のままだった。山頂も好展望地で六甲連山も眺められたが、「西ののぞき」の方が展望は良いように思われた。まずは誰もいない静かな山頂で昼休憩とした。正午になっているのに晴れの兆しは無く、上空は相変わらず曇天だった。その空を見て大天井へと縦走する気になれず、柳峠で下山することにした。縦走コースに入ると概ね下り坂で、その途中で現れた送電塔(播磨線131番)では北の方向の展望を少し楽しめた。笠形山から千ヶ峰へと続く尾根が眺められた。尾根歩きを続けると、もう一度送電塔(播磨線132番)に出会い、その先で漸く柳峠に着くことになった。その柳峠で縦走路を離れて南へと下山コースに入った。はっきりとした道で、易しく下って行けた。下るうちに道幅は広くなり、ごく緩やかな道となって林道終点に合流した。後は真っ直ぐ南へと車道を歩くだけだった。皮肉なことにその頃より天気は回復に向かい、溜め池のそばに着く頃には上空に青空が広がってきた。その林道にも害獣避けゲートがあり、それを通過すると程なく登山口標識の位置に着いた。そこからは往路で歩いた道だった。河内町の集落に入ったとき、振り返ると明るい鎌倉山が眺められた。
(2024/3記) |