大嶽山の東麓は「桜華園」の名で桜の名所になっており、春には賑わう所だが、その桜華園の隣りは「かんざき薬神の森」としてハイキングコースになっている。大嶽山には2002年、2003年と二年続けて桜の園から登っていたが、「かんざき薬神の森」からも登ってみたいとは考えていた。2012年10月最初の土曜日は、前日の天気予報では午後は曇るものの、午前は晴れとなっていた。そこで久々に但馬の山でも登ろうかと考えた。ところが当日は朝から曇り空だった。予定通りに但馬をめざして播但道に入ったものの、暗い空を見て、次第に北に向く気持ちが萎んできた。市川北ICに近づいたとき、その市川北ICで降りてしまった。ひらめきで大嶽山を「かんざき薬神の森」コースで登ろうと思いついたものである。このコースなら地図が無くとも簡単に登れるだろうとの判断もあった。貝野橋を渡って、大嶽山へと近づく。東柏尾地区に入って桜華園コースの前を過ぎると、すぐに「かんざき薬神の森」の標識が現れた。その標識に従って細い坂道を上がると、薬王子神社の鳥居が現れて、そのそばに駐車スペースを見た。そこより歩き出すことにした。車道を薬王子神社へと歩いて行くと、すぐに左手に登山道が現れた。それが「かんざき薬神の森」への遊歩道だった。近くには薬王子神社も見えていた。後は登山道のままに歩いて行けば、大嶽山へ向かえることになる。そのハイキングの様子は下の写真帳で見ていただくのが分かり易いと思えるので、ここには詳細は記さないが、どうも「かんざき薬神の森」は、あまり自然林の美しさが感じられなかった。単に雑木林を歩いていると言った雰囲気だったため、特に足を止めることもなく登った。途中で東屋が現れると、そこは展望台になっていたので、暫し足を止めて風景を楽しんだ。足下は市川流域で、東向かいの尾根が一望だった。そこより少し登ると林道に合流した。そこで「かんざき薬神の森」は終わったようである。林道は山頂に建つ通信施設への連絡道で、ダート道で続いていた。林道は山頂直下まで続き、最後の数十メートルだけが登山道だった。大嶽山の山頂に建っていたのはNHKの神崎テレビ放送所で、そのそばが岩場があり、僅かに高くなっていた。そこが展望地でもあるので、そこで休憩とした。まだ時間が早かったので昼食はとらず、東屋で見たよりも高い位置からの市川流域の風景を眺めて過ごした。この大嶽山の山頂だが、クリのイガがいっぱい落ちていた。既に実は無かったので、動物にでも食べられたようだったが、頭上を見上げると、まだ実をたわわにしたイガが幾つも見られた。試しに木を揺すったところ、ちょうど落ちるタイミングだったのか、幾つもイガが落ちてきたのには、ちょっと驚かされた。クリと言ってものシバグリだったが、暫しクリ拾いを楽しんだ。山頂では一時間ほど過ごしたが、それでもまだ11時過ぎだった。下山はすんなりと登ってきたコースを引き返す。そして途中の東屋で昼食とした。往路では曇り空ながらときおり陽射しが現れていたのだが、その頃にはどんよりとした曇り空に変わっていた。大嶽山からの下山を終えたのは12時前。ごく軽いハイキングだったが、体は適度にほぐれており、次は再び桜の季節に訪れたいと思いながら、「かんざき薬神の森」を後にした。
(2012/10記)(2020/10改訂) |