西脇市の北東にあって、低山ながら二等三角点のある山として、この三角点山は気にかかっていた。「はりま歴史の山ハイキング」が出版され、そこにこの山が取り上げられていたのを機に登ることにした。2003年6月末の日曜日で、梅雨の中休みなのか、意外とくっきりとした視界の広がる穏やかな日だった。三角点山の西麓には福谷池を中心に福谷公園があるが、そこに入っていくと多くの人が公園の手入れをしていた。地元老人会のボランティアとのことだった。公園の一角に駐車して、稲荷神社へと続く鳥居の並ぶ参道を歩き始めた。登山道はその稲荷神社の脇より「愛宕ルート」として始まっていた。この登山の前に近くの比延山に登っていたので、時刻はすでに10時を回っており、朝の涼しさは消えていた。やや暑苦しい空気が広がり出した中での登山となったが、道としては歩き易く、やや急坂もあったが歩度の鈍るようなことは無かった。ただどんどんと気温は上がっており、山上に近づいても期待した風は無く、暑さは増すばかりだった。稜線手前の急坂を登り切って最初のピークに着くと、その先は緩やかな稜線歩きであった。小さなピークを幾つか過ぎて行くも、相変わらず風は通らなかった。蒸し暑さに少々まいりながら、登り始めて40分ほどで山頂に着いた。広く開けた山頂は予想通りの好展望地だったが、その頃には上空は晴れ上がっており、まともに陽射しを浴びることになった。おまけに無風である。山頂の展望よりも、陽射しを遮る木が無いことに戸惑ってしまった。仕方なくその場にへたり込んで、大汗をかいての一休みとなった。程なく日は陰って一息をつけたが。暑さの中で手早く昼食を済ませ、改めて周囲を眺め渡した。なるほど展望は良いが、雑木が育っており、目線辺りまで隠された方向も多い。先に登った比延山ほどの伸びやかさは感じられなかった。まずは下の写真の通りの展望を楽しんだ。目を引いたのは、北向かいの白山から妙見山の尾根か。その尾根には10年前に前坂コースで登ったきりである。三角点山の山頂からは他のコースも目に付いたので、改めて別のコースを登ってみたいものだと思った。ところで、この後の下山で失敗してしまった。幾つものルートのある山に登ったときによく有ることだが、地図をよく見ずに、山頂から南東に緩やかに下る尾根道を何気なく下ってしまった。山頂に着いたときからその道を下山に予定していた「南福谷コース」と思いこんでおり、どんどん下って行った。疑問を憶えたのは中腹も過ぎて、足元に西脇ゴルフ場が近づいていたことによってだった。この時点で漸く地図を見直して間違いに気付いた。再度山頂に向かうしかなかった。暑さが一段と厳しくなった中を山頂へと登り直して、今度は慎重に「南福谷コース」を下っていった。二度、三角点山に登ったようなものだった。ただこの下りで歩いた「南福谷コース」は展望もあって悪くは無かった。福谷公園を基点に、「愛宕ルート」と併せて周回で歩くのは、ハイキングとして手頃で悪くはないコースと思えた。
(2003/7記)(2013/7改訂)(2021/3改訂2) |