大蔵山を久々に登ろうと菖蒲谷公園に向かったのは2021年5月29日のこと。その菖蒲谷公園に着く手前で屋敷台登山口に通じる車道が分岐するが、その分岐点に旧菖蒲谷村の案内図が立っていた。以前は見なかった案内図だが、そこには大きく屋敷台が描かれており、その山頂には展望台の絵もあった。それを見て屋敷台も久々に登ってみたい気持ちが起きてきた。屋敷台は簡単に山頂に立てる山なのでその日に登ってもよかったが、いつでも行けると思うとその日は大蔵山に登っただけで帰路についた。その4日後、6月2日は前日までの晴れの予想とは違って朝から曇り空だった。その空では遠くに出かける気にはなれず、近くの山で軽い山歩きを楽しむことにした。そのとき屋敷台を登る考えが浮かんだ次第だった。
紀功碑前の登山口に着いたのは10時前のこと。そこからは散歩感覚で楽しんだので、その様子は下の写真帳をご覧いただきたい。紀功碑前の登山口に入ると真っ直ぐ山頂に向かわず、途中で右手に分かれた水田跡への小径に入った。水田跡はいわゆる棚田跡だった。石垣の風景が棚田だったことを示していた。そこには白い花が多く咲いていたが、それはウツギの花だった。その棚田跡からも山頂に通じる道があり、その小径で山頂に向かった。ただはっきりとしていたのは始めだけで、途中からは適当に登る感じになった。山頂に着くと、なるほど南面側の木々が伐られて展望が現れていたが、見える範囲は広くは無かった。しかもこの日の視界は水分を多く含んだ空気のために薄ぼんやりとしていた。その視界でもうっすらとながら瀬戸の島が眺められた。その屋敷台で良かったのは山上の自然林だった。山上は遊歩道が巡っており、その遊歩道を歩いて山上散策を楽しんだ。曇り空の下で若葉が落ち着いた色合いになっており、その中を歩いているとまさに森林浴だった。遊歩道は東隣の436mピークまで続いており、そちらのピークにもベンチが置かれていた。また436mピークの近くからは、菖蒲谷公園に通じる小径が分かれていた。その小径で西ノ峠池に出て大蔵山も併せて登れば適度な運動量になりそうだったが、それは後日に譲ることにした。山頂に戻って来ると、主コースを辿って紀功碑登山口へと戻って行った。
ところで気になったのはこの屋敷台の遊歩道にマウンテンバイクのタイヤ痕を多く見たことだった。大成池の周辺にマウンテンバイクコースが出来ているので、その延長で屋敷台も走られているようだったが、タイヤ痕は遊歩道だけに止めてもらいたいものだと思った。
(2021/6記) |