TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨編 
 
亀山 (城山) 457.8m たつの市
きのやま   きのやま
1/2.5万地図 : 龍野
 
【2009年8月】 No.3 2009-81(TAJI&HM)
 
    揖保乃糸資料館「そうめんの里」より  2009 / 8

 たつの市を流れる揖保川の西岸には新龍アルプスとして的場山から祇園嶽まで5kmほどの尾根が続くが、登山の対象として見ると色々とコースが選べて、ロングコースとしてもショートコースとしても楽しめる。2009年8月の最終土曜日は29日。この日は梅雨が戻ったのではと思えるようなどんよりとした曇り空で、蒸し暑さも梅雨どきと変わらなかった。このような日は休養に努めるのが良さそうなのだが、パートナーに誘われてしまった。そこで近場で無理なく登れる山として亀山を思いついた。この亀山を登るとなると、一番簡単なのは大手道コースとなるが、この日の蒸し暑さを考えると他の選択肢は無かった。その大手道コースの登山口がある馬立の墓園公園へと近づくと、入口に大きなネットが作られていた。道路の部分は開けられていたが、以前は無かったはずなので、それだけ害獣被害が増えているようだった。暑い最中とあって墓地には人影は無かった。コースはごく単純で、墓地から始まる登山道をひたすら西へとあるいて主尾根を目指すだけだったが、始めに山神社のそばを通って古墳群の中を歩く。いかにも古墳らしい姿の小さな土の盛り上がる風景が広がっていた。その中の登山道を歩くて行くも、どうも小石が多くあり、以前よりも荒れてきた印象だった。その先で上り坂がきつくなってシダの茂った中を登るようになったが、その頃は空が薄くなって陽射しが現れており、蒸し暑い中で直射光を受けることになった。これはけっこう厳しい状況で、たちまち体がだるくなってきた。はやバテてきたようだった。歩度を落としたが、どうも足が上がらなくなってきた。幸いだったのは露岩の目立つ尾根を登るようになって風が出てきたことで、その風には涼しさがあった。そこで木陰のある岩場を見つけてひと休みとした。そしてまた登り出したところ、すぐにだるくなった。そこで再びひと休みとする。その点々とある露岩地は展望も良く、揖保川沿いの風景が望めることになった。ただ湿気をたっぷり含んだ空気のために、薄ぼんやりとしか見えていなかった。その休憩を繰り返すうちに体が蒸し暑さに慣れたのか、だるさが消えてきて遅いながらも足を止めずに登れるようになった。そして一時間かかって主尾根に出た。ずいぶん時間がかかってしまったが、後は尾根が緩やかなこともありスムーズに歩いて行けた。その頃には空は再び曇り空になっており、薄暗い中での尾根歩きだった。主尾根に出てからは20分で山頂到着となる。木陰のある佇まいは以前と変わらなかったが、東に開ける展望が狭くなっているようだった。どうもこのような低山は草木の生長が早いようだった。展望を楽しむ天気でも無かったので、休むことに徹することにした。山頂は麓と比べると4℃は低く、またここでも涼しい風が吹いていた。手早く昼食を済ませると、木陰で昼寝を楽しむことにした。涼しい中で昼寝を出来るのは良かったのだが、どうも大型のアリが多くおり、それが何匹も体の上に上がって来るのには少々閉口した。また空が一段と暗くなってきて、そのうちにポツリポツリと雨粒が落ちてきた。これはかなわないと思っていると程なく止んだが、その後はときおり雨粒が落ちてくるかと思うと逆に陽射しが現れたりと、空は小刻みな変化をした。うるさいアリは人間に飽きたのかあまり寄って来なくなり、そうなるとのんびりと昼寝を楽しめた。空は次第に回復しているようで、薄曇りから薄晴れへと良くなり、陽射しが山頂に広く当たり出した。それをしおに下山とした。昼寝のおかげで体はリフレッシュしており、ごく気楽な下山だった。視界もいくぶん良くなっており、東向かいの鶴觜山の尾根がすっきり見えるようになっていた。その下山では駐車地点の墓地に戻る前に山神社に立ち寄り、そこから改めて鶴觜山の屏風岩の風景を眺めた。心も体もすっきりしており、蒸し暑い中での登山だったが、登って良かったの思いを持つことが出来た。
(2009/9記)(2019/10写真改訂)
<登山日> 2009年8月29日 11:00馬立里山公園駐車場スタート/11:33〜38途中の岩場で休憩/11:44〜56また途中の岩場で休憩/12:00主尾根に出る/12:20〜13:12山頂/13:32主尾根を離れる/14:01〜08山神社/14:10エンド。
(天気) 形のはっきりしない雲が空を覆っていたが、ときおりは陽射しが現れた。麓の気温は29℃と前日と変わって夏の暑さに戻っていた。しかも蒸し暑さがひとしおだった。山頂が近づいて来ると、風が現れて凌ぎやすくなった。気温も下がってきた。主尾根を歩く頃には、空ははっきり曇り空となっていた。山頂の気温は25℃。涼しい風が快かった。視界は薄ぼんやりとしており、遠くは見えなかった。山頂では空はいっそう暗くなり、そのうちに雨がぱらついてきた。ただ長くは続かず、その後は雨粒が落ちてきたかと思うと、うっすら陽が射してきたもして、小さな変化を繰り返していた。次第に天気は良くなってきて、下山を終えた頃はほぼ晴れと言えそうな空になっていた。
<< Photo Album 2009/08/29 >>
登山口の手前にはネットが設けられていた 墓園の奥から登山道が始まる 始めに山神社のそばを通った
登山道のそばに古墳を見る 緩やかな登山道を登って行った 登山道の傾斜が増したとき、シダの茂る所を通った
露岩地を登るようになって展望が良くなってきた 蒸し暑いとあって風通しの良い露岩で何度か休憩した 露岩地の展望は良かったがモヤのきつい視界だった
一時間かかってようやく主尾根に出た この日の亀岩は、笑っているように見えた 尾根道は優しい道として続いた
山頂に着いて、三角点を見る 山頂では涼しい風に誘われて昼寝を楽しんだ 山頂の木々が生長しており、展望は悪くなっていた
下山で露岩地を下っていると、モヤは幾分薄らいだようで、視界は朝よりも少し良くなっていた 左の写真に写るトンガリ山を大きく見る

(←)
駐車地点に戻り着く前
に山神社でひと休みを
する

   (→)
    神社からは揖保川の対
    岸にある屏風岩が良く
    見えていた