TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編
 
国見山    くにみやま 465m 宍粟市
 
1/2.5万地図 : 安志
 
【2011年4月】 No.3 2011-35(TAJI&HM)
 
    山崎町千本屋より  2011 / 4

 国見山に兵庫県立「国見の森公園」が作られたのは2006年の8月だったが、その9ヶ月前、工事の完了していない11月に国見山を登っていた。そして未完成の展望台や削り面の荒々しい林道を眺めたりしたのだが、完成後は一度も山頂に立っていなかった。そこで新しく作られたハイキングコースに興味があったことでもあり、一度は国見の森公園を訪れようと向かったのは、2011年4月の最初の土曜日、うっすらと春霞のかかる日だった。
 朝をゆっくりしたので、国見の森公園に着いたのは11時が近い時間だった。駐車場には何台かの車が止まっており、数組のファミリーが園内で遊んでいた。駐車場のそばには交流館が建っていたが、そこに立ち寄るのは下山後のこととして、まずはハイキング開始とする。そのハイキングも国見山へはすぐに向かわず、先に比地の滝を覗くことにした。そこまでの遊歩道も出来ており、数分で比地の滝の前に着いた。落差は12mほどと小さな滝で水量も少なかったが、姿は悪くなかった。暫しの鑑賞をして交流館の前に戻ってくると、ケーブルカーの駅にはハイキング姿の人や小さな子供を連れたファミリーがざっと10人ばかり立っていた。一時間に1回運転されるケーブルカーを待っているようだった。それを横目にゲートを抜けて、ハイキングコースに入った。コースは1番コースと2番コースの二つが始まっていたが、1番コースは山頂まで3.5kmで、2番コースは1.8kmだった。時間のかかる1番コースを歩いて行くことにした。その1番コースは林道コースだった。舗装路では無いものの道幅も十分にあって、どうも単なる林道を歩いている雰囲気だった。ただ一般車は通行出来ないので、静かなのは良かった。傾斜は緩やかで、暖かい陽射しを受けながら散策気分で歩いて行く。その林道から展望があれば良かったのだが、周囲は人工林や伐採の風景が続いて、遠景の山並みを見ると言うことは無かった。そのため歩くうちに退屈になってきた。やがてつづら坂となり、林道の方向が北へと変わったとき、林道から遊歩道が分かれた。ウッドチップが敷かれた小径で、標識を見ると「展望休憩所」に向かうようだった。林道歩きのまま山頂では味気ないと思っていたので、その遊歩道を歩くことにした。自然林の中を登るようになり、雰囲気はずっと良くなった。ウッドチップの敷かれていない所は自然な山道になっており、そこは松の落ち葉で赤くなっていた。どうやら一帯はまったけ山のようで、アカマツが多かった。入山禁止の貼り紙があり、遊歩道が作られていることと矛盾しているが、あくまでも秋の季節に限ってと思われた。遊歩道はいろいろと分岐しており、「せせらぎ休憩所」へのコースや「まつぼっくり休憩所」へのコースが分かれたが、こちらは予定通り「展望休憩所」に向かって歩いた。そして最後に丸太の階段道を登って、小さく開けた「展望休憩所」のピークに着いた。地図を見ると、山頂の北西にある450mピークのようだった。そこまで遊歩道に入ってから17分だった。ベンチが置かれており、北に向かって名の通り展望が開けていた。北東に山崎の町並みがあり、北に見える大きな山は水剣山と黒尾山だった。春霞の視界のため、白っぽくうっすらとした見え方だった。ここに着いて少し冷たさのある風を受けるようになったが、暫し北の展望を楽しんだ。ちょうど昼どきでもあり、ここで昼食とする。休むうちに空は薄晴れから薄曇りとなって陽射しは消えてきた。風の冷たさを少々我慢しながらの休憩だった。お腹が満ちたところで山頂を目指す。木立を通して山頂の展望台がごく近い距離で見えていた。その先も階段道で鞍部へと下り、そして登りに入ったとき左手に大きな反射板が現れた。東から国見山を見たとき、展望台と並んで見える反射板がそれだった。そこを過ぎて少し登ると、山頂に建つ展望台が目の前に現れた。薄い灰色となった空の下で見る展望台は、やはり大きかった。その展望台から6、7人のファミリーが現れたのは、ケーブルカーに乗るためのようで、そちらへの小径へと下って行った。後はもう一組のファミリーが展望台の一階に居るだけだった。少人数の山頂だった。山頂に来た限りは展望台から展望を楽しもうと、2階に上がった。そこから見える展望は、先ほどの450mピークから見えた北の風景がいっそう広く眺められた。また東から南東にかけても一望だった。ここでも冷たさのある風を受けながらその展望を楽しんだが、白い色の空で眺めるよりも、やはり青空の下で眺めたいと思った。その展望台から山頂一帯の佇まいを眺めると、国見山はすっかりファミリー向けのハイキングの山に変わってしまった思った。その山頂を離れて、下山は2番コースを下って行く。こちらは短い距離で麓に着くとあって、登山道の傾斜はきつかった。階段道も多くあって、どんどん下って行く感じだった。途中ではケーブルカーの軌道と接することもあり、軌道の点検路にもなっているようだった。途中で緩い坂になることもあったが、最後また傾斜はきつくなって、駐車場のそばへと下りて行った。麓に着いた後に交流館に立ち寄ったところ、特に目立つほどの展示品も無かったので、短い時間だけの訪問で外に出た。
 この日は1番コースと2番コースの二つのコースを歩いたが、どうも山歩きの味わいがあったのは前回に歩いた金谷地区からの3番コースだったかと思えた。適度な傾斜の道は落ち着きがあって、この日の二つのコースよりも印象はよかったようである。ただそれも季節と天気で印象は変わってくるものなので、それなら次は長距離となる外周線コースを歩くのも悪くないと思いながら国見の里公園を後にした。
(2011/4記)(2020/10改訂)
<登山日> 2011年4月2日 10:52交流館前スタート/10:58〜11:03比地の滝/11:08交流館前に戻ってくる/11:11国見山に向かって再スタート/1番コースを歩く/11:48展望休憩所の小径に入る/12:05〜25展望休憩所/12:38〜49山頂/2番コースを下る/13:25エンド。
(天気) 薄晴れから薄曇りと言った空で、視界は薄ぼんやりとしていた。気温は18℃ほどあり、すっかり春の暖かさだった。ただ山頂に着く頃には薄曇りとなっており、冷たさのある風を受けた。花粉の飛来が多いようで、少し目が痛かった。
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国見の森公園に着いた 数台の車が止まってい
前に見える交流館の横を通って比地の滝を目指
害獣除けゲートを開けて先に進む
   
そばにミニモノレールの軌道を見る 比地の滝への道は緩やかな道だった 数分で比地の滝の前に出た 水量は少なかった 
    
交流館の前に戻って、ハイキングコースへ向
かう
2番コースを歩いて行く このコースは林道だ
った
軌道に近づいたとき、ミニモノレールが通過し
     
軌道のそばから交流館の方向を見る 林道からは近くの尾根が見えるだけだった 柔らかい陽射しの中を歩いて行く
    
柏原城跡を通る外周線コースが分かれた 砂防ダムを見る 展望休憩所への遊歩道に入った
    
ウッドチップの敷かれた遊歩道を登って行く この辺りは松林で、松の落ち葉で赤くなっていた 自然林の風景が目に優しい
   
途中にはベンチも置かれていた 色々なコースがあった 展望休憩所まで100
mだった
展望休憩所に着く 小さく開けていた
    
展望所からは名の通りに北から北東にかけて展望が広がっていた 左の写真の宮山を大きく見る
    

 上の写真の黒尾山を
 中心に大きく見る

       北東の足下には山崎
       の市街地が広がる
     
尼ヶ鼻の展望台が見えている 展望所のそばでアセビが満開だった 展望所からは木立を通して山頂展望台が望めた
   
展望所を離れて山頂へ向かう遊歩道を下る 途中でマイクロウェーブ反射板と出会った 遊歩道を歩いて山頂に近づいて行く

 山頂が見えて
 きた


   最後の階段を
   登る
      

 山頂に着くと山名
 標識が立っていた

    展望台の2階に上
   がると、展望休憩
   所よりも広く北が
   眺められた
    
    

 明神山を大きく見る


      南に見える新龍アル
      プスを大きく見る
    
下山は展望台のそばから始まる2番コースを下る 展望台を見上げる 程なく金谷地区に向かう3番コースが分かれた
   
尾根の傾斜はきつく、丸太の階段道が続く 尾根が優しくなるときもあった ミニモノレールのそばを通ることがあった
   
小さく開けた所があり、モノレールの軌道を眺
めた
2番コースの下りを続ける 国見の森公園の駐車場が見えてきた