丹波篠山市が作成した登山パンフレットに「篠山市登山マップ」があり、30ほどの山が紹介されているが、それを見て登ってみたいと思ったのが槇ヶ峰だった。JR福知山線の篠山口駅からも歩けるようだったが、北麓の弘誓寺(ぐぜいじ)からも登山道が示されていた。そちらは駐車場もあるようだったので、弘誓寺からのコースを登ることにした。
向かったのは2019年の3月に入った最初の日だった。晴れの天気予報通り晴れとは呼べる空だったが雲は多かった。国道176号線を北上して南矢代駅そばを通り過ぎると、槇ヶ峰の南面側を見るようになった。国道を牛ヶ瀬交差点で離れて大沢地区に入ると、槇ヶ峰の山裾道に入って東進した。そして宇土地区まで来ると宇土観音霊場と弘誓寺の標識を見るようになり、それに従うとすんなりと弘誓寺の駐車場に到着となった。始めに弘誓寺の境内に入ると「三十三所観音山めぐり」の標識を見たので、その標識の示す方向に向かうと山道を歩くことになった。それは石仏巡りコースの道で、小さな橋を渡ると石仏を見るようになった。右回りと左回りに道が分かれると右回りコースに入った。つづら折れで斜面を登るようになり、石仏を見ながら登って一番高い地点に出た。そこから尾根方向に小径が分かれていたが、目印テープは付いているものの標識は無かった。どう見ても槇ヶ峰への登山道と思えたので、その小径に入った。ちょっとヤブっぽい道で灌木の小枝を払うこともあった。それでも道ははっきりしていた。シダが増えてくることもあったが、それも足下に広がる程度だったので気にならずに登って行けた。そのうちにはっきりと尾根を辿るようになり、歩き易くなってきた。そして南へと登って行く。展望は悪かったが、それでも一度木々がばらけたとき北西方向が開けて住吉台の住宅地や夏栗山と黒頭峰の並ぶ姿を見た。そのいかにも丹波の山らしい雑木の尾根を登ってピークに着くと、そこに小さな祠を見た。そこは山頂とされる三角点ピークではなく、ほぼ同じ高さの東ピークだった。そこからは緩やかに鞍部へと下り、緩やかに登り返して西ピーク(山頂)に出た。そこに三等三角点(点名・宇土)を見るものの、雑木が周囲に広がっており展望は南側に僅かにあるだけだった。あまり山頂らしさは感じなかったが、陽当たりがよかったのでそこで昼休憩とした。山頂には歩いてきた東からのコース以外にも北からも南からも登山道があった。南からの道はプラ階段となっており、どうやら巡視路のようだった。山頂で15分ほど休むと、下山は篠山口駅へと向かえる北尾根コースを下ることにした。但し駐車地点の関係から尾根道を最後まで歩くつもりは無く、途中で尾根を離れる予定だった。北尾根コースははっきりとした道で、こちらも巡視路のようだった。緩やかな下り坂で、左手には木々の隙間から松尾山が見えていた。その松尾山の姿をはっきり目にしたのは尾根に建っていた送電塔(丹南線50番)の手前の位置で、その辺りからは北に多紀アルプスも眺められた。送電塔を過ぎると一度上り坂があって408mピークを越すことになった。その越した先で尾根を離れて右手の斜面に入った。尾根の東を走る林道に出るためで、ヤブコギを覚悟して斜面に入ったのだが、都合よく小径があってそれを辿れることになった。麓が近づいたとき小径が不確かになるとその先は適当に下ったが、ごく無難に林道に下り着いた。それは舗装林道で、少し歩くと市中に入る感じとなり、ホームセンター(ジュンテンドー)のそばに出てきた。後は市道を東へと歩いて弘誓寺を目指して戻って行った。林道に出てから弘誓寺の駐車場までは20分の距離だった。
(2019/4記) |