TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨 
 
城山  (寺前城山) 470m 神河町
 
1/2.5万地図 : 寺前
 
【2014年2月】 2014-15(TAJI&HM)
 
   寺前駅前より  2014 / 2

 神河町が発行しているパンフレット「かみかわ百選」を開いてみると、山も選ばれており、千ヶ峰、白岩山はおなじみの山だったが、小さな山ながら山頂に寺前城跡を持つこの城山も選ばれていた。そのことに興味を持って出かけたのは、2014年2月の最終土曜日のことだった。播州南部は晴れていたのだが、北に向かうにつれ雲が増えてきた。寺前が近づくと、上空は薄黒い雲が広がって、青空は僅かに覗く程度だった。寺前駅前に着いてみると、駅前駐車場の料金が一日320円と手頃な金額だったので、そこに駐車することにした。登山口は南麓の最明寺にあるとのことだったが、その最明寺は町よりも少し高い位置に建っていたので、遠くからも良く分かった。そのため駅前の家並みを適当に抜けて近づいた。寺前小学校のそばを過ぎると、最明寺は目の前だった。その最明寺に入ってどの辺りが登山口かと周囲を眺めると、寺の背後にゲートが見えたので、そこに違いないとゲートに近づいた。ゲートのそばには幾つか立て札があり、その一つは「城山群集墳」の説明板だった。それを見ると城山は寺前城山とも呼ばれているようだった。ゲートを抜けると予想通り小径が始まっていた。但しその小径は、登山道と言うよりも四国八十八ヶ所霊場巡りの道としてあり、二体並んだ石仏が点々と道そばに置かれていた。その最後に不動明王があり、そこから城山山頂への尾根道が始まっていた。周囲は植林地で、その中を細々と山道が続いていた。少し登ると左手に石垣が現れた。何か建っていたのかも知れないが、よく分からない。そちらに近づいて石垣沿いを登ると、次に岩壁が現れた。その岩壁を巻くと尾根道に出るものと思っていたところ、岩壁の上は荒れ地になっており、イバラも混じっていた。おかしいと思いながらヤブコギをして歩を進めると、長くも歩かずヤブを抜け出すことが出来た。そしてそこに山道を見た。どうやら山道は尾根の少し東寄りに続いていたようだった。石垣に近寄らず、すんなりと登るのが正解だったようである。また植林の中を登るようになり、傾斜が増してきた。そして植林地を抜け出て、少し登った辺りが平坦な地形となった。一帯は笹地になっており、その中に「寺前城跡」の標識が立っていた。その辺りから山頂まで寺前城跡が続くようだった。前方には木々を通して山頂が見えていた。平坦な地形は何段かになっており、堀切になっている所もあり、すっかり城跡散策だった。山頂に着くと、そこも狭いながらも平坦地になっており、城跡であることを示していた。但し山頂には城山の標識は無く、笹地が広がるだけだった。展望でもあれば休憩するつもりでいたのだが、展望は無かったので尾根歩きを続けことにした。城山を登るのが目的だったが、それだけではもの足りないだろうと、その先の572mピークまで歩く予定にしていた。寺前の町から見ればこの城山は一つの独立峰として見えるが、地形としてはその先が高くなっており、次のピークは497mピークだった。その手前まではごくなだらかな尾根になっており、尾根に沿ってネットが張られていた。そのネットの東側は若木の植林地のため、漸く展望が得られることになった。ただそのような所ではよくあることだが、下生えとしてイバラがあり何度も引っかかった。そのためイバラを避けながら歩いた。そして一番展望の良さそうな所で昼休憩とした。そのときはちょうど陽射しが現れて、良い感じで休むことが出来た。そこは東に向かって開けており、間近に大獄山から入炭山へと続く尾根が眺められた。また少し離れて笠形山も望めたが、そちらは雪でも舞っているのか、うっすらとした見え方になっていた。休憩後は497mピークに向かって尾根歩きを再開した。497mピークは目の前で、そこを越すと鞍部へとやや急坂を下った。その鞍部に着いたとき、地図に載っていない作業道がそこまで来ているのを見た。作業道はどうみても西麓にある溜め池から来ているように見えた。この日は572mピークを越えてからその溜め池に下りる予定をしていたのだが、目の前の作業道で溜め池に出てしまおうとの気持ちが起きてしまった。この日の目的である城山を登ってしまったことでもあり、もう登山を続ける気持ちが萎えたと言ってよかった。尾根歩きをあっさり止めて作業道に入った。作業道は真新しく、地表も法面も荒削りだった。そのためか地表の湿った土が靴底にくっついて、すぐにダンゴ状態になってしまった。作業道は西へと続いており、つづら折れになった所もあった。そして予想通りに溜め池のそばに下りてきた。後は以前からある舗装林道を歩いて行くと、最後にゲートが現れて、それを抜けると寺前の町は近かった。寺前駅に戻ってきたのは13時前と予定よりずいぶん早くなってしまったが、寺前城跡の雰囲気を楽しめたのは確かだった、ただ山としてはマイナーな山だったとの印象は拭えなかった。
(2014/3記)(2020/12改訂)
<登山日> 2014年2月22日 9:58寺前駅スタート/10:10最明寺/10:28岩場/11:03〜09山頂/11:27〜45展望地で昼食/11:40[493mピーク]/11:59鞍部で林道に出会う/12:21溜め池/12:52寺前駅エンド。
(天気) ほぼ曇り空ながら、ときおり雲が切れて陽射しが現れた。また小雪の舞うときもあった。山頂の気温は4℃ほど。風は少なかったが、冷たく肌を刺した。視界は悪くないものの、雪でうっすらとしている所もあった。
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寺前駅から歩き始めた 駅前通りへと入った 町の中を適当に抜けて城山に近づいた
寺前小学校まで来ると、城山は目前だった 東に見えていたのは大嶽山だった 正面に最明寺を見る 高台に建っていた
最明寺の前で六地蔵を見た 最明寺に通じる道に入った 来留山最明寺(きたるざんさいみょうじ)に着いた
最明寺に入って本堂の裏手に回ると、その先にゲートが見えていた ゲートのそばに案内板があり、麓には古墳が点在しているようだった  ゲートを開けて山道に入った
石仏が点々と置かれており、山道と言うよりも参道の趣があった 石仏は二体並んでおり、どうやら四国八十八箇所巡りになっているようだった 参道はつづら道になっており、緩やかに登って行った
最後に不動明王が現れた その先は山道となって、植林地を登った 登るうちに石がごろごろとしてきた
左手に石垣が見えたので近づいたが、特に遺稿は無かった 石垣沿いを登って行くと、最上部で岩壁が現れた 岩壁を巻くようにして登っていると、何かが鎮座していたような洞も現れた
尾根に戻ると、ヤブをこぐことになってしまった そのヤブ歩きの途中でマンリョウを見た ヤブを抜けると、山道に合流出来ることになった
植林地を登って行くが、次第に傾斜が増してきた 植林地が終わっても、まだ傾斜はきつかった ロープを掴んで登る所もあった
(←)
尾根が一気に緩ん
で平坦な地形が現
れた 笹原が広が
っており、前方に
山頂を見た
 (→)
  城跡のエリアに入
  ったようで、寺前
  城跡の標識が立っ
  ていた

(←)
そこからは南の方
向に少し展望があ
った

 (→)
  日光寺山の尾根を
  大きく見る
上の写真に写る南向かいの520m台のピークを見る 山頂を目指して行く トイレの残骸を見た
また城跡に出た その先が山頂で、もうひと登りだった 山頂に着くと、そこも笹原だった

山頂を別の角度か
ら眺めた 城跡の
雰囲気は良かった
が、展望の無い山
頂だった

山頂の一角には雪
が残っていた
山頂を離れて尾根歩きを続けることにした 次の497mピークまでは緩やかな尾根だった 東面が若い植林地で、展望が広く得られた

向かいの尾根は大
嶽山から入炭山へ
と続く尾根だった

遠方にうっすらと
笠形山が見えてお
り、この風景を見
ながら昼食とした
802mピークを見る その先が入炭山だった 笠形山の方向を見る 大嶽山の方向を見る

尾根の先に497
mピークを見る

休憩を終えて、そ
の497mピーク
へと向かった
ピークを越すと、前方に雪を纏った暁晴山が望めた 暁晴山を大きく見る 少し下ると、次の目標の572mピークが現れた
鞍部まではやや急坂だった 鞍部が見えて来ると、そこまで林道が来ていた 鞍部が近づいて、花束と御神酒を見た
鞍部に着くと、そこまで作業道が来ていた それを見て尾根歩きを続ける気持ちが萎んでしまった その作業道で麓に下りることにした 真新しい作業道で、法面も地肌がむき出しだった 西の方向に下った 下るうちに陽射しを受けることがあった
ヘアピンカーブもあり、緩やかに下った 前方に溜め池が見えてきた 作業道の入口にはクサリが張られていた
溜め池まで下りてくると、そばに小さな祠を見た 溜め池のほとりに立って湖面を眺めた 溜め池の位置からは舗装林道を歩いた
林道の入口にはゲートが設けられていた ゲートのそばに小さな檻があった 猿捕獲用だった 寺前の住宅地に入って行った
東の方向には大嶽山が鋭い姿を見せていた 寺前小学校の前に立って城山を眺めた 寺前駅前の駐車場に戻ってきた