TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨 
 
岡の空    おかのそら 481.1m 佐用町
 
1/2.5万地図 : 佐用
 
【2004年7月】 2004-53(TAJI&HM)
 
   岡集落を離れて佐用川の対岸より  2004 / 7

 「岡の空」とは珍しい山名である。佐用町の中央部、佐用川の左岸に小さな集落、岡があり、その集落と関連のある名と思えるが悪くない名である。この名に惹かれるようにして2004年7月の下旬、暑い盛りに訪れた。どこから取り付こうかと決めかねたが、結局は山頂から南西方向に延びる尾根の端から登ることにした。山裾を国道373号線が走っているが、山際に十分な路肩スペースを見たので、そこに駐車とした。またそこからは山中へ向かう小径も見えたので、それを辿ることにした。道はそのまま尾根に向かうと思っていたところ、小さな墓地で終わってしまった。ただ単に墓地に通じるだけの道だったようである。仕方なくヤブをこいで尾根を登って行くと、すぐに道に出会った。南の方角から来ている道のようで、国道からその道で登って来るのが正しかったかと思えた。少し歩くと、峠排水池と名付けられた施設の前に出た。道はほぼそこまでで、その先には害獣避けネットが張られており、それを越すと山道が始まった。この日は気温こそ30℃前後と思われたが、何とも蒸し暑い日で、むっとする空気をかき分けるようにして登って行った。尾根は疎らな雑木林の風景で、下草も少なく歩きやすいと言えるのだが、この季節の低山によくあることだが、めったやたらとクモの巣が多かった。油断をするとすぐに顔にかかるので、枝でクモの巣を払い除けながら、目先に注意を集中して登って行かなければならない。尾根自体は緩やかで問題なかったのに、何とも煩わしいことである。その状態が終始続き、登り切ったところが三等三角点のある山頂だった。ここまで展望の無い尾根だったが、山頂も雑木と植林が混じって視界を妨げていた。一カ所ぐらい視界の開けたところがあるのではと辺りを探ると、木の間越しだったが、南の方向さほど離れていない位置に利神山の山頂が望まれた。但し強いモヤで、うっすらとしか見えていなかった。見えたのはそれだけで、むしろ全く展望の無い山頂と言うのが正しいかもしれない。ともかく蒸し暑さにたまらず、山頂の一角で休憩とした。山頂は始めはただ暑さしか感じなかったのだが、暫くするとほのかな風も感じられるようになり、体のほてりが治まるとけっこう涼しさのあることが分かった。その涼しさに暫しの間、身をゆだねていた。この山頂から次にどこへ向かうかは決めていなかったので、気温も上がってきたことを考えると引き返してもよかったのだが、地図を眺めて北隣りのほぼ同じ高さの480mピークまで足を延ばすことにした。そしてそこより西へと尾根を下り、岡集落に下りることにした。再びクモの巣を払い除けながらの尾根歩きを始める。10分ほどで隣のピークに近づくと、この日初めての展望が東の方向に開けた。開けたと言ってもモヤの強い視界のために近くの山の輪郭が分かる程度で、遠方は全くモヤにとけ込んでいた。後は西に延びる尾根を下るのみである。この尾根も歩きやすい尾根で、暫く下ると周囲の木が疎らになって、足元に岡集落と国道373号線の風景が望まれた。尾根は岡集落に近づいた辺りで急傾斜となってきたため、後は適当に集落へ向かって下り、無難に集落の外れに下り着いた。そこより駐車地点まではわずかな距離である。しかし炎天下を大型車も多く走る国道を歩くのはかなわないので、岡集落の前にある小橋を渡って佐用川の右岸に出ることにした。そして佐用川沿いに続く農道を歩いて行った。これは静かで良かったのだが、駐車地点に戻るには再び佐用川を越さなければならず、駐車地点が近づいた辺りで、佐用川を渡渉して左岸へと戻った。
(2004/9記)(2012/5改訂)(2022/3写真改訂)
<登山日> 2004年7月24日 9:02スタート/9:52〜10:34山頂/10:44北隣のピーク/11:36国道出会/11:52エンド。
(天気) 好天続きで、この日も朝から気温は高かった。日に日に空気は濁っており、この日は近くの山も薄ぼやけて見えていた。遠くの山は全く見えない。湿度は高く、汗みずくになる。山頂では樹間を風が通っており、ほのかな涼しさが感じられた。
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山頂はすっかり樹林に囲まれていた 三等三角点(点名・下石井)を見る 展望は悪かったが、木の間越しに利神山を望めた
利神山を少し大きく見る 北隣のピークが近づくと東の方向が開けたが、強いモヤで山並みはぼんやりとしか見えなかった 西尾根を下って行くと、木々の間から佐用川に架かる鉄橋が望まれた 手前の集落は岡集落だった

(←)
麓が近づくと岡集
落と周囲の風景が
眺められた

 (→)
  下山後に駐車地点
  へと戻るとき、佐
  用川の右岸より岡
  の空を望む