西脇十山には山名の付かない山として「黒田城址」が選ばれていた。場所はどこかと西脇市観光協会のホームページを見ると、黒田城址の山頂とされているのは天狗山の西尾根にある312mピークで、「見張り櫓跡」と呼ばれている所だった。そこで黒田城址コースを登って天狗山山頂に立つことにした。
向かったのは2020年12月の第二金曜日のこと。良く晴れた日だった。国道175号線を田高交差点で離れて山裾に近づくと「姥が懐」の標識が現れて、そのそばに数台分の駐車スペースを見た。そこが西脇十山のホームページにも載っていた黒田城址コースの駐車場だった。車を止めると、まずはそばの車道を東へと歩いて「黒田官兵衛生誕の地」の石碑の前を通ると、黒田城址の標識が現れて、すんなりと登山コースに入った。ゲートを抜けて溜め池のそばを通ると、もう一度ゲートを通った。山中へと入ると暫くは植林地の中を歩いた。登山道には「官兵衛遊歩道」の名が付いており、頂上までの距離が書かれていた。但し頂上は黒田城址としての頂上で、案内図ではホームページの標高よりも若干高く、312.8mとなっていた。登山道は石ころの多い所もあったが、急坂は無く概ね易しく歩けた。そして周囲は自然林へと替わった。登山口から30分ほど歩くと漸く西尾根に着いて、そこに黒田城跡の案内板を見た。案内板には城跡がある一帯は城山と呼ばれている旨が書かれていた。登山コースはまだ巻き道になっていたので、その案内板の位置から尾根筋に入った。少し進むと平坦な所が現れて、そこは少し城跡らしさを感じた。程なく登山コースが合流して尾根上の登山道を歩くようになった。少し進むと急坂を登るようになった。階段もあって無理なく急坂を登りきって小さなピークに出た。そこが黒田城址の山頂とされる「見張り櫓跡」だった。そこに着いて漸く天狗山の姿をはっきり見た。その先も小径があり、そのまま普通に登って行けると思っていると、上り坂になった辺りより厳しくなってきた。急坂の上にそこに落ち葉が積もって滑り易くなっており、足下に十分注意が必要だった。また小径もはっきりしなくなってきて、目印テープを頼りに登った。急坂を登り切ると450mピークに対しては巻き道となったが、最後は尾根を歩いて山頂に立った。山頂までにかかった時間は登山口から75分、見張り櫓跡からでは30分だった。見張り櫓跡までは遊歩道歩きで無理なく登れたのだが、その先は道もはっきりしない上に急斜面もあったので、天狗山が西脇十山に選ばれていないことに納得した。その天狗山山頂は樹林に囲まれており、展望としては北の方向に石戸山の尾根をちらりと見るだけだった。450mピークの辺りには岩場の展望地があることを見ていたので、昼休憩はそちらでとろうと、すぐに山頂を離れて登ってきた道を引き返した。岩場に着くとそこは南から西へと広く展望があり、遠くは笠形山も望めた。その風景を眺めながら昼休憩とした。北の方向も望める岩場もあるだろうと、昼休憩後に北西尾根に少し入ってみると、期待通りに西から北への展望を得た。展望に関してはそれで満足すると、登山コースに戻って目印テープを追いながら下った。登ってきたとき以上に足下に最新の注意を払いながら下った。黒田城址まで戻ると、後は遊歩道歩きとあって楽々と下って行った。そして駐車場まで戻って来ると、ちょっと散歩をする感じでそばの130mピークにある稲荷社に立ち寄った。丘の上からも展望があり、西向かいの尾根が眺められた。
(2021/2記) |