高代寺山の存在が気になったのは、2014年の年末に宝塚市の釣鐘山に登ったときで、能勢妙見山と並ぶ姿が印象的だった。どうやら簡単に登ることが出来ると分かると、能勢妙見山と併せて登ることにした。向かったのは釣鐘山を登ってから3週間後となる、2015年1月の第三日曜日だった。気楽に行こうと電車を利用することにした。阪急電車、能勢電鉄と乗り継いで、妙見口駅に降り立ったのは午前9時だった。前夜に雪があったようで、周囲の山はうっすらと白くなっていた。始めに高代寺山に登るつもりだったが、簡単な山とは知ったものの、実のところコースについては良く分かっていなかった。それも駅前に出ると杞憂に終わった。観光案内所にコース案内のパンフレットが置かれていただけで無く、高代寺山の参道コースを示す標識がすぐに現れたので、迷わず高代寺山に向かって行けることになった。始めに吉川集落内の細い道を歩いて行く。集落内は分岐する道があったものの、案内標識のおかげで迷わず登って行けた。集落を抜けると畑地となり、そして二つ目の溜め池の先から山道の様相となった。その頃には道は雪ですっかり白くなっていた。その日はまだ誰も歩いていないようで、雪の上に足跡を付けながら登った。道に関しては石ころが多いながらも無難に登って行けたが、難儀することがあった。それは雪解けの雨だれで、木に付いていた雪が陽が当たると共に溶けて、小雨のように降ってきた。そのため雨具を着て登った。そしていきなりと言った感じで車道に出た。後は車道を歩いて山頂へと向かった。車道の雪は少なかった。車道はすぐに二手に分かれると、一つは高代寺への道だった。こちらは山頂を目指して左手の道を進んだ。少し登ると墓地が現れ、その先で右手に道が分かれた。そこに小さな標識があり、その右手の道が山頂への道だった。その道もすぐに二手に分かれた。車道と階段の道で、階段の方を登って行く。その歩道は程なく再び車道に合流した。僅かに近道になっていただけだった。ほぼ平坦な白い道を歩いて行くと、右手に坂道が分かれた。標識は無かったがどうみても山頂への道と思え、その坂道に入ると僅かな距離で山頂に着いた。山頂には能勢テレメーター中継局が建っており、そのそばに二等三角点(点名・七宝山)が置かれていた。その三角点にも数センチほど雪が載っていた。周囲はすっかり樹林が囲んでおり、展望の無い山頂だった。山頂に立ったことで良しとして下山とすることにした。その帰路では車道を終点まで歩いてNTTドコモの電波塔に立ち寄ったり、高代寺の境内にも立ち寄ったが、どちらにも展望は無かった。どうも高代寺山は展望に恵まれない山のようで、登山としての人気は低いのではと思われた。高代寺からはすんなりと往路を戻った。往路のときほどでは無いにしろ、また雪解けの雨だれを少し受けた。妙見口駅に戻ってきたのは11時過ぎだった。高代寺山登山は2時間で終えたことになる。駅の待合室で早めの昼食をとると、妙見山に向かって再び駅を後にした。
(2015/2記)(2020/9改訂) |