御狩山は地図には名前は載っておらず、「兵庫丹波の山」で知った名だが、JR福知山線の古市駅に近く、駅から見ると西の方向にあり、直線距離で1.4kmほどの位置となる。その御狩山と国道372号線を挟んで対峙しているのが西ヶ洞山で、この二つの山を国道372号線の不来坂から登ろうと向かったのは2020年2月の第三金曜日のことだった。国道372号線を西から走って来ると、不来坂の峠を越した先で右手に小さな小屋を見るが、その中では一願不動尊が祀られていた。小屋のそばには数台分の駐車スペースがあったので、そこに駐車とした。その位置より峠の方向へと歩いて、先に西ヶ洞山を登った。西ヶ洞山はヤブっぽい山だったが、無難に登れて山頂からは多紀連山の尾根を眺めることが出来た。その西ヶ洞山から下山を終えて峠の少し西の位置に出てきたのは14時が近い時間だった。すぐに御狩山へと峠方向に歩いた。御狩山に関しての知識はほとんど無かったが、「篠山」の地図を見ると南麓となる国道372号線のそばに神社の記号が付いていた。その神社を起点として南斜面を登れば、最短距離で山頂に立てそうだった。神社の建物は国道からは見えなかったが、鳥居は国道の間際に建っており目立っていた。西ヶ洞山の登山を終えて国道に出てきた位置からも鳥居は見えていたので、すぐに鳥居へと向かった。そして鳥居を潜って坂道を登ると、すぐに小さな神社の前に出た。そこで一息入れた後、おもむろに神社の背後に回って南尾根に向かった。期待した小径は無く、少しヤブっぽい感じの灌木林の中を歩くことになった。尾根筋に入ってもヤブっぽさは変わらなかったが、登るうちにヤブの度合いは減って小径らしきものも分かるようになった。易しいヤブ尾根歩きだった。中腹まで登ると背後に展望が現れて、先ほど登った西ヶ洞山を間近に見た。その右手は和田寺山の尾根だった。尾根ではシダ帯が現れることがあったが、そこも軽いヤブコギで抜けられた。その後も疎らな雑木ヤブの尾根歩きが続き、西ヶ洞山と同様にマイナーな山であることは否めなかった。途中からは展望は無くなり、その感じのまま山頂到着となった。山頂もすっかり雑木に囲まれており展望は皆無だった。この御狩山には四等三角点(点名・不来坂)があるのだが、三角点は最高点の位置には無く、少し北側の若干低い位置に見た。展望が無いとあって、少時の休憩で下山に移った。下山は歩いてきた尾根コースを引き返すのみ。南斜面を下るため正面に西ヶ洞山を見ながらだった。ただはっきりとした尾根道が無いため適当に歩き易い所を下っていたところ、往路コースを外していることに途中で気付いた。地図を見ると往路で歩いた尾根は正確には南南東尾根で、下山は南南西尾根を歩いているようだった。かまわず下ると、麓が近づいたとき作業道に下り着いた。その作業道を南へと歩くと、何とスタート地点にあった神社のそばに出てきた。後は国道372号線に出ると、峠を越して駐車地点へと戻って行った。
(2020/3記) |