◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <西播磨編> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
船岩 ふないわ | 507.2m | 上郡町 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 上月 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2012年5月】 | 2012-44(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
点名・大杉野より 2008 / 12 |
上郡町では高峰となる船岩は、山頂そばに養鶏場があってそこまで車道が通じているので、どうも登山対象の山とは言い難いのだが、一度は訪れたいとは考えていた。そこでどこかの山へ登ったついでに登ろうと思っていた。それを実行したのは2012年の五月連休のことで、5月5日の子供の日だった。その日は午前を岡山県備前市の東大平山を登る予定だった。その東大平山はヤブ山が予想されたが、登山としては午前に終わりそうだった。そこで午後にもう一山と考えたとき続けてヤブ山は登りたくなく、そこで軽い山を登ろうと考えたとき、船岩を思い付いたものである。 この日は良く晴れており、空気も爽やかだった。その天気で登った東大平山は予想以上にヤブ山で、しかも展望も無いかなりマイナーな山だった。そのためハイキングを楽しめたとは言えなかった。そこで午後は口直しに軽い山に登りたい気持ちとなったので、午後を船岩と考えていたのは正解だった。上郡町に入ったときは12時を回っていた。市街地で昼食を買って、それから船岩へと向かった。県道451号線を走って行くと、岩木地区を過ぎた先で右手に道が分かれた。その道が船岩への道と思われたので地図を確かめていると、トラックがそばを通り過ぎた。鷄糞の臭いがするトラックで、どうやら山頂そばの養鶏場に向かうようだった。そこで付いて行くことにした。車道はトラックの車幅ほどしかなく、しかも急坂だった。その林道のような道を、トラックはかなりの速度で登っていた。こちらは付いて行くだけなので楽だった。けっこう登ったと思われた頃に集落が現れたが、それはまだ中腹の市原集落で、車道はその先も暫く続いた。上空が広くなって山上に出たと思われたとき、車道は二手に分かれた。トラックは養鶏場のある右手に入ったが、こちらは左手に向かった。まだ昼食を済ませていなかったので、養鶏場から少し離れた所で休もうとの考えだった。西へと続く車道を進むと、また集落が現れた。それは黒石集落で、10軒に満たないと思われたが、それも廃屋となった家が多かった。ちょっと広くなった所に車を止めて昼食とした。快晴の上に吹く風が快く、もっとハイキング向きの山に向かうべきだったのではと思ってしまった。その黒石集落にはツクバネガシの名木があるようで、その標識が立っていた。ここまで来ているので、立ち寄ってみることにした。昼食を済ませた後、案内標識に従って民家の間を150mほど歩くと、そのツクバネガシの前に出た。その幹の太さと古色蒼然とした姿も素晴らしかったが、新緑が見事だった。良いものを見せてもらったの思いで駐車地点に戻った。さて船岩だが、山頂そばまで車を進めてはハイキングにならないので、少し離れた位置から歩き始めることにした。黒石集落の位置からでも良かったが、車道を長く歩くのは味気ないので、集落と船岩との中間点辺りからスタートすることにした。その中間点に近い位置には巨大な送電塔が建っていた。その送電塔は遠くからでも目立っており以前から気になっていたので、どこの電波塔なのかそれも見たくなった。そこで近づいたところ、電波塔はメインの道路から分岐した道の先にあり、その入口にはクサリがあって進入禁止になっていた。そこで車は分岐点のそばの路肩に止めて、まずは電波塔に向かった。また寄り道である。車道を5分ほど歩くと電波塔の前に出たが、それはNTTドコモのものだった。駐車地点に戻って、ようやく船岩へと歩き出した。「上月」の地図を持っていたのだが、改めてそれを見ると、山頂そばまでの車道とは別に、西から山頂に近づく道があった。その道の方が良さそうに思えて、そちらを歩くことにした。まずはメイン道路を東へと歩いて行く。すぐに(株)N.G.C.への道が分かれた。N.G.C.は後で調べると、山頂そばの養鶏場を経営する会社のようだった。その位置から少し進むと、前方になだらかな船岩のピークが望めるようになった。その見え出した位置より少し先で、左手に細い車道が分かれた。その道を進むことにした。地図ではその道の周囲も養鶏場になっていたが、建物は見えず、建物があった跡を見るだけだった。道ももう車の通行は無いようで、草むして廃道の雰囲気になっていた。そして周囲は自然林が広がっていた。その自然林が新緑の盛りで、良い雰囲気の中を歩いて行けた。歩くほどに新緑は更に鮮やかになり、けっこうハイキング気分を味わえた。ほぼ山頂が近いと思われた辺りで、左手の尾根に出ることにした。尾根と言っても道との標高差は数メートルで、そちらは植林地だった。その尾根を数分も歩かないうちに三角点のそばに出た。船岩の山頂だった。そこは植林地を抜け出した所だったが、周囲の木々は雑然としていた。おまけに目の前が養鶏場で、そこからきつい鶏糞の臭いが流れてきていた。先ほどまでの良い雰囲気は全く無かった。それでも少しは展望を得たいと、養鶏場を見下ろす位置に出てみたところ、午後に入って視界はいっそう悪くなったようで、遠方はごくぼんやりとしか見えなかった。これでは展望も楽しめないし悪臭に包まれているだけなので、早々に退散することにした。再び新緑の風景の中に入ったときはほっとした。船岩は山頂こそ雰囲気は良いとは言えなかったが、意外と優しい風景の中を歩けたのは儲けもので、来て良かったの思いを持って駐車地点へと戻って行った。 (2012/5記)(2021/5改訂) |
<登山日> | 2012年5月5日 | 13:34NTT道路が分岐する位置よりスタート/13:52〜14:05山頂/14:26エンド。 | |
(天気) | 快晴。山頂の気温は24℃。空の色は薄く、雲は僅かだった。風は少しあり、爽やかさがあった。視界はモヤが強く、遠方は判然としなかった。 | ||
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