二度目の三濃山は少し苦労して登ってみたくなった。「二木」の地図を見ると上郡町金出地からのコースが書かれており、そのコースは谷沿いを進むが、近くに二つの三角点(点名・小棟、点名・阿曽山)があるので、尾根を歩いて三角点巡りをしながら登ることにした。その西からのコースを目指したのは1999年2月のことだった。その日は良く晴れていたが、西風が強く底冷えのする日だった。金出地の西ノ谷にある運動場前に駐車して、谷沿いを南へと延びる林道を歩き始めた。最初に目指すのは377mピーク(点名・小棟)だが、林道からは377mピークに向かう尾根が無いので、一番近いと思える位置から植林帯の急斜面を適当に登って行った。足下には小石が多くまた崩れやすいため、ちょっと登り難かった。200mほど登って尾根にようやくの思いで辿り着く。そこより377mピークは尾根を三濃山に向かう方向にあると勘違いして、少し南東へと歩いてしまった。地形がおかしいために間違いと気付き、後戻りして377mピークに着く。そこは雑木が取り囲んでおり、展望は悪かった。少し金出地の集落が見える程度だった。改めて東南方向へと尾根歩きを始める。尾根は緩やかで下生えはほとんど無く、木立も疎らとあって気楽に歩いて行けた。途中に共同アンテナが有り、そこを過ぎると少し荒れた感じとなったが、歩きにくいと言うほどでも無かった。間もなく伐採地に出る。そこからは南の展望が望めたが、めぼしい山は見えず
向かいの尾根を見る程度だった。また樹林帯に入り、暫くして南から延びる尾根と合流した。そこまでの尾根もそうだったが、はっきりとした尾根道は見えないものの踏み跡程度の小径が終始続いており、地形が複雑になっても楽に辿って行けた。
次は426mピーク(点名・阿曽山)に向かうのだが、一度方向を誤って別の尾根を少し下ってしまったが、すぐに気付いて戻る。その426mピークへ向かう鞍部で小さな祠を見る。その先で着いた426mピークは、先ほどの377mピークと同様に樹林に囲まれており、展望は無し。その先は更に地形が複雑になったが、方向を確かめながら踏み跡程度の小径を辿って行くうちに、羅漢の里からの登山コースに合流した。後はメインコースと言えそうなその登山道を歩いて三濃山山頂に着いた。スタートして2時間半での山頂だったが、苦労して登ったと言うよりも、尾根を考え考え登ってきたと言えそうな登山だった。その山頂は6年ぶりだった。山頂近くの寺の佇まいや山頂の様子が懐かしかった。草地が広がって広やかな山頂は風が当たらず、陽射しが受けているとその暖かさが快かった。ただ陽が陰るとさっと肌寒くなった。もう少し広々とした展望があったかと記憶していたのだが、感状山へと続く尾根と南部の瀬戸内海方向
しか見えなかった。山頂には他に誰もおらず、いたって静かだった。好天だったが冷たい風で敬遠されたのも知れなかった。その山頂にあるアカガシの大木が枯れかかっており痛ましい姿だった。昼食の後もう少し休憩していたかったが、雲が広がって来たため下山とする。下山は金出地登山口に通じるコースで下り始めたが、地図にある山頂西の小さな池を見たくなり、途中でコースを離れて適当に尾根を下って行った。その尾根も灌木が疎らで歩き易いと言えた。途中で尾根が不確かになったが、方向を決めてややきつい斜面を下ると目的の池に出た。小ぶりの静かな佇まいの池だった。その先はやや荒れた小径が続いており、何度か沢を横切ったりした。やがて堰堤に達すると車道となり、スタート地点に近い阿曽集落に下り着いた。
(2003/4記)(2009/4改訂)(2020/2写真改訂) |