宍粟市内で旧一宮町の中心部は東市場の辺りか。そこから一番近い山と言えば宮山となりそうだった。伊和三山の一つであるが、標高は大したことは無く、アプローチも簡単とあって、ごく気軽な感じで山頂に立つことが出来る山である。その簡単さが物足りないが、別の山を登ろうとした計画が狂って、それでは替わりの山としたいが地図は持っていない。それでもどこかに登りたいと考えたときに、この宮山ならどうってこともなく登れそうである。その考えで登ったのは2012年7月の海の日だった。この日は宍粟市北部の山を目指していたのだが、宍粟市に入ると、どうも北の空は暗かった。おまけに高い山は頂を雲に隠されていた。ガスの山頂には立ちたくなかったので、一宮町の道の駅に立ち寄って一思案とした。そして決めたのが、目の前の宮山だった。地図を持たないので、適当にスポニックパーク一宮に近づいた。その東隣が市民の森で、そこに登山口標識をみた。車は市民の森を抜ける車道を進んで登山道の入口まで進められるのだが、市民の森の入口より少し離れた路肩スペースに駐車とした。そこより歩き出して、適当に市民の森の中を抜けて行った。車道の終点には神戸排水池(タンク)があり、そのそばが登山道の入口だった。そこにも登山口標識が立っていた。その先は山頂までごく歩き易い登山道が一本道として続くことでもあり、ここには詳細は記さないが、途中で磐座の標識を見たので、そちらに立ち寄った。磐座への道は尾根上にあり、その尾根には岩が多くあって、メインコースとは違う趣があった。磐座には小さな祠があり、その位置で小休止とした。その磐座を後にして尾根をそのまま登って行くと、すぐにメインコースに合流した。合流した位置より少し登った所が山頂だった。山頂は城跡だけに、木陰が多くあった。そこは風が渡っており、意外と涼しかった。昼休みとするのにちょうど良い感じだった。この宮山の山頂で好きなのは、行者山がすっきり見えることで、その優しげな姿を眺めながら昼食とした。山頂では少しばかり昼寝も楽しんだが、どうも夏は蟻が活発に動くようで、ときおり刺されて目を覚ました。40分ばかり山頂で過ごした後、下山はすんなりとメインコースを下った。このコースではまだワラビの新芽が見られたので、それを摘みながらの下山だった。宮山は本当に気楽に登れる山であることを再認識させられたこの日だった。
ところでこの宮山なら水の流れている所を通らないので、山ヒルには出会わないと思っていたのだが、その考えは甘かった。往路で一匹、下山でも一匹が服に付いていた。幸い血までは吸われなかったが、こうなると宍粟の山はどの山でも山ヒルはいると思っていた方がよさそうだった。
(2012/7記)(2019/2写真改訂) |