安富町の安志稲荷の背後に立つのが西山で、2003年に安富町側からも山崎町側からも登っており、これで暫く登らなくてもよいかと思っていたのだが、十数年が経つと今一度登ってみたくなった。前回は梅雨どきとあって少々山ヒルにやられたので、冬場に登ってみようと考えた。向かったのは2017年2月の最終土曜日のこと。西山の北側鞍部は名坂峠で、地図を見ると東麓の下河集落からは始めは一般車道として、そして途中から破線の道となって峠まで道が描かれていた。そのコースを登ることにした。
安富町に入って県道430号線を北上すると、下河バス停の位置で峠に向かえる車道に入った。その車道は県道522号線(名坂宍粟線)で、下河集落を抜けた先までの短い県道だった。その終点位置の近くで路肩が広くなった所を見たので、そこに駐車とした。車道はそのまま傾斜を増して作業道として続いており、現在は延伸の工事が行われているようだった。その作業道を歩き出した。地道になったかと思うと、すぐに作りかけの状態となった。その様子から尾根まで通じていそうだったが、地図の破線経路から離れ出したとき、作業道を離れて植林の急斜面に取り付いた。破線コースは谷筋に付いていたので近づこうとしたのだが、倒木が多くあったため歩き易い所を選びながら登った。そして峠が近くなったとき、峠に送電塔が建っているのが眺められた。そして谷筋経路は巡視路としてプラ階段になっていたことも分かった。プラ階段を登るも、すぐに峠だった。間近に作業道が見えており、それは西麓の三谷地区から来ている道だった。送電塔(神野溝口線39番)のそばで一休みすると、西山を目指して尾根歩きに移った。尾根には小径が付いており、それを辿ったのだがすぐに不確かになってしまった。少し尾根筋から離れていたので尾根に出たところ、はっきりとした尾根道を見た。どうも正しい尾根道を歩いていなかったようだった。後は尾根道のまま南へと登ると、程なく尾根は緩んでゆったりと歩けるようになった。山頂が近づいて露岩が増えてくると展望地が現れて、そこからは東の方向に明神山が眺められた。その展望地の数十メートル先が山頂だった。山頂では三等三角点(点名・安志)を見たが展望は良くなかったので、。展望のある露岩地に戻ってそこで昼休憩とした。但し陽射しを浴びてはいたものの風が冷たく、気楽に休める感じでは無かった。また気温が4℃まで下がってきたこともあって、20分ほどで休憩を切り上げた。下山は山頂に戻ってそのまま南へと歩いた。ごく緩やかな尾根が続き、その途中で伐採地が現れると、そこでも展望が楽しめた。今度は西の方向で、国見山の尾根や、水剣山が望めた。南尾根をずっと歩くのではなく、473m地点の辺りから名坂落集落を目指して東に延びる支尾根に入った。その尾根も緩やかだった。支尾根は途中で枝分かれしていたが、集落の方向を目指して下ると、緩やかなままスムーズに下って行けた。そして麓が近づいて急斜面となってきたとき、配水設備と出会った。もう後はコンクリート製の小径を下るだけだった。その小径で県道430号線のそばまで下りてくると、最後にゲートがあり鍵がかかっていた。これは乗り越えるしかないと思ったのだが、ゲートの引っかけ金具が甘くなっており、鍵が付いた状態で開けることが出来て、難なく通過となった。後は県道430号線を歩いて駐車地点を目指した。県道には歩道が付いており、車を気にせず歩けたのは良かった。県道522号線に入ったとき、近くで農作業をしていた人に山について聞いてみると、地元では点名と同じく「西山」と呼んでいるとのことだった。その名からして安富町での呼び名と思えた。県道歩きを25分ほど続けて駐車地点に到着となった。
(2017/3記)(2020/4改訂)(2023/9写真改訂) |