篠山市にあって北の主峰は三嶽で、西は白髪岳とすることに異論は無いと思われるが、三嶽を久々に登ろうと向かったのは2017年1月の最終土曜日のことだった。翌日も丹波の山として白髪岳方面を登ることにしたが、白髪岳は前年に登っていたので、白髪岳に近い海見山を登ることにした。ただ海見山だけなら短時間で終わってしまいそうなので、尾根続きの柏野山も併せて登ることにした。
翌日曜日の天気は前日の快晴から一変しており、朝から雲が広がっていた。但し薄い雲で、陽射しも現れていたので薄晴れとも呼べそうだった。始めに海見山を登ろうと海見山西麓の古森集落に入った。その集落内に古森公民館があり、そこの駐車場に遠慮しながら車を止めた。まずは東へと目の前の車道を直進すると、舞鶴若狭道が間近になったとき道は終わってしまった。そこで右手の墓地のそばで見た細い道を南へと歩くと、別の車道に合流した。その道が海見山に向かえる正しい車道で、舞鶴若狭道の下を潜ると、その先で横尾林道が始まっていた。前日の三嶽は大雪だったが、海見山は同じ篠山市でも南西に位置するとあって、林道の雪はごく僅かだった。林道は緩やかな上り坂になっており、少し登ったとき右手に登山道が分かれているのを見た。入り口に小さな標識が付いており、「海見山登山口」と書かれていた。それを見てその海見山コースに入った。登山道に入っても雪はごく僅かで、雪を気にせず登って行けた。登山道は倒木があったりと小石が多かったりと多少荒れ気味だったが、道自体ははっきりしており目印テープもあって無難に登れた。そして登山口から20分で主尾根に合流した。北に向かえば柏野山で南は海見山だった。ここは海見山へと南の尾根に入った。尾根道は雪で白くなっていたが、それでも5センチ程度だったので、歩く妨げにはならなかった。また傾斜も特にきつくなるようなことも無く登って行けた。海見山の山頂に着いたのは、主尾根に出て15分経ったときだった。そこまでずっと雑木に囲まれていたが、山頂も同様で雑木の隙間から白髪岳を見る程度だった。但し周囲に高い木が見られなかったので、近くにあった大きな松の木に登ってみた。枝がけっこう太かったためどんどん登って4メートルほどの位置まで上がると、目の前を遮る木は無くなって一気に展望が広がった。白髪岳でなく、その左手にトンガリ山や西光寺山も眺められて、海見山からの展望を楽しむことが出来た。別の木に登ると北の方向が開けて、これから向かう柏野山が望めた。暫時の休憩を終えると、柏野山に向かうべく歩いてきた尾根を引き返した。林道からのコースが合流する地点までは下り坂で、その先は緩やかな上りだった。そのままずっと尾根歩きを考えていたのだが、その尾根にはっきりとした小径が接するときがあった。その小径はその先で主尾根からさほど離れずに続いており、推測するに柏野山近くにある溜め池に通じていそうだったので、そこで小径を歩いて溜め池経由で柏野山を目指すことにした。小径はほぼ水平な道として山襞なりに続いて、予想通り溜め池に出た。溜め池は標高500mほどの所にあり、すっかり凍って白くなっていた。その頃には上空はすっかり曇り空になっていた。白くなった池の縁を歩いて北側に回り込むと、柏野山の方向へと向かった。550mピークの手前で尾根コースに合流すると、はっきりとした尾根道を歩くようになった。550mピークに出ると、そこから200mほど歩いて柏野山の山頂に到着した。そこに三角点は無く、ただ山名標識を見るだけだった。そこは海見山と同様に雑木の茂る山頂だったが、全く展望の無い山頂だった。そのため山頂を踏むとすぐに下山に移った。単純にピークハントをしただけだった。柏野山からの下山は、ほぼ尾根なりに歩いた。大海山との鞍部まで戻って来ると、始めに登った大海山コースに入った。そして林道に出ると起点まで歩き、その先は舞鶴若狭道の下を通って西へと真っ直ぐ歩いた。その車道で国道176号線に合流すると、そこから駐車地点の古森公民館までは僅かな距離だった。空の色はいっそう黒くなっており、今にも雨が降りそうだった。事実、古森集落を離れるのを待っていたかのように小雨が降り出した。
(2017/2記)(2020/4改訂) |