TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨編
 
大蔵山  (大倉山) 519.9m たつの市
 おおくらやま
1/2.5万地図 : 龍野
 
【2011年12月】No.3 2011-120(TAJI&HM)
 
    揖西町清水より  2011 / 12

 たつの市の最高峰は大蔵山だが、展望はほとんど無く、地味な山との印象を持っていたのだが、その大蔵山が兵庫百山に選ばれた。地理的なこともあって選んだものと思えたが、新龍アルプスの亀山では無く、大蔵山を選んだのには、それなりの理由があるのだろうと思え、再訪することにした。そしてその登山コースとして、ガイドブックの「ふるさと兵庫100山」を参考することにした。
 向かったのは2011年師走の第二日曜日。山頂で昼食時間となるよう、起点となる揖西町中垣内の井関三神社には、10時半過ぎに到着した。一週前の4日の日は伊勢山を登ったのだが、ちょうど播州南部は紅葉の盛りを迎えており、どの山も明るい茶系統の紅葉に包まれていた。それが一週間経ったこの日では、はや茶の色がくすみかけていた。澄んだ青空の下、井関三神社を離れて西へと歩き、集落内の細い道を抜けて行く。集落が終わると、北へと延びる林道が始まった。すぐに害獣避けゲートがあり、そこを通ると車が何台も止まっていた。そして何人もの人が立っていたが、いずれもハンターだった。12月となって害獣駆除の季節となったようである。それにしてもどの人も70才前後と思われ、ハンターも高齢化しているようだった。こちらはガイドブック通り、小橋の位置で左手の細道に入った。コースは巡視路を辿るようだったが、赤テープの目印があったのでそれを辿ると、どうも道が怪しくなってきた。どうやら赤テープは最短距離で尾根を目指しているようだった。赤テープのままに西へと、やや急斜面を登って尾根に出た。尾根の道は巡視路のようで、十分な道幅だった。少し下がった位置に鉄塔が見えたので、そこに立ち寄ってみると、少し展望があって的場山が眺められた。後は尾根の道なりに北へと歩いて行く。空はいつのまにか雲が広がっており、陽射しは消えていた。尾根は雑木林になっており、左から別の小径が合流したり、逆に二手に分かれたりすることがあったが、尾根の小径は緩やかなままに続いて、小さな丘を越えた先が西の峠池だった。周辺は菖蒲谷森林公園としてすっかり整備されて、山中にいるとは思えない佇まいだった。その公園の木立がきれいに色付いて、晩秋の風情を漂わせていた。ここに来てまた陽射しが現れてきた。空を見ると北から絶えず雲が流れてくるようで、どうやら雲が途切れたときに青空が現れるようだった。西の峠池のそばでいっとき足を止めた後、北へと歩いて行く。もう遊歩道歩きだった。標識にその先にあるのはカリヨンと書かれていたが、それは小さな鐘が並んだものだった。そばには童謡の「赤とんぼ」の楽譜が描かれていたので、その通りに鐘をたたくと、きれいな音で「赤とんぼ」の曲が奏でられた。ちょっとしたたつの市の遊び心が感じられた。パートナーが面白がって、暫く鐘で遊んでいた。そこを離れると、「大蔵山」の標識に従って、山頂を目指した。その大蔵山へは直前まで遊歩道だったが、その道は稜線に出ると北に向かっており、山頂へは南へとただ尾根筋を辿ることになった。どうも山頂は菖蒲谷森林公園の範囲外のようだった。木立が疎らなため、適当に歩いて行くと、ごく気楽に山頂に立った。岩の点在する風景は以前と変わらなかったが、周囲の木立が育っており、展望は全く無いと言ってよかった。その頃には陽射しが消えており、薄ら寒い中で昼食をとった。山頂で過ごしたのは20分ほど。次は大成池を目指す。遊歩道に戻って北へと歩くと、遊歩道は鞍部へと下って次の510mピークへ登り出した。その510mピークだが、そこに展望台が建っており、南から西に向かって広く風景が眺められた。そこに手ぶらの人が現れたが、どうやら大成池まで車で来て、ここに歩いて来たようだった。暫し展望を楽しんだ後、大成池へと下って行く。その下りの道だが、登山道とは別に尾根に更に歩き易そうな道が付いていた。登山道とほぼ平行しており、そこにはヒモが張られて、自転車のコース案内が付いていた。どうやらマウンテンバイク用の道のようで、何かの競技会が行われるようだった。どうもこの一帯はどんどん変わっていくようだった。大成池に着くと、車が3台ほど止まっていた。この池もすっかり公園風になっており、車で来て湖畔を散策を楽しむのが相応しい雰囲気だった。大成池の東側に出て、そこより新池へと向かう。下り坂を歩いて一段低い位置に出ると、木立を通して新池が見えてきた。その新池の東岸、土手側に出ると少しは風景が開けて、すっきりと静かな湖面が眺められた。そこからは中垣内教育キャンプへと戻るだけだが、標識としては亀池を示すだけで、中垣内への案内は無かった。まず尾根伝いで亀池の方向へと歩くと、一帯は日本ハム(株)の土地のようで、ピークには小さな東屋が建っていた。ここに来るのは二度目だったが、周囲は植林活動が進められていた。東屋のそばで足を止めたが、以前より展望が悪くなっているようで、梢越しに大蔵山、亀山の山頂部が眺められる程度だった。そこから更に亀池側に進むと教育キャンプ場への道が分岐するはずだったが、以前に新池まで沢沿いを登ってきたことを思い出し、逆に沢沿いを下ってみるのも面白いのではと思えた。下るうちに登山道に合流するはずだった。一度新池まで戻り、沢沿いを歩き出すと、赤テープが付いていた。これは沢沿いにもコースが出来たのかと思えて、赤テープを追っていると、すぐに見えなくなった。そうなると沢沿いを適当に下って行くだけだった。沢沿いはけっこうヤブっぽく、途中から沢歩きとなった。沢はナメになっており、滑らないように注意が必要だった。下るうちに急流に出会うと、そこは沢沿いを歩いて回避した。そのまま沢伝いで下りたかったのだが、落差の大きな所が現れて、そこからは右手の尾根に出ることにした。その尾根を歩いて再び沢そばに出ると、対岸に登山道を見た。後は登山道に出て、戻って行くだけだった。登山道はほぼ平坦で続いており、中垣内川となった沢沿いを散策気分で歩いて行く。道は右岸側だったり左岸側だったりするので、その度に小橋を渡るが、少し大きな橋は鉄製で緑色に塗られていた。そして鉄の橋には三の橋、二の橋、一の橋と名前が付いていた。中垣内教育キャンプ場に着くと、そこから駐車地点の井関三神社までは1km少々の距離だった。
 この日の大蔵山登山を振り返ると、大蔵山の魅力で兵庫百山に選ばれたと言うよりも、菖蒲谷森林公園が山上にあり、西の峠池、大成池、新池と池巡りも出来て、それらを合わせてのハイキングを楽しめることで、選ばれたのではと思われた。
(2012/1記)
<登山日> 2011年12月11日 10:40井関三神社スタート/10:50ゲートを通る/10:58林道を離れる/11:12送電塔/11:43〜51西の峠池湖畔/11:54〜58カリヨンで遊ぶ/12:19〜36大蔵山山頂/12:46〜58展望の丘/13:12〜21大成池/13:29〜39新池/13:44〜48東屋/中垣内川源流部を下る/14:47登山道に合流する/14:54三の橋/15:17教育キャンプ場/15:35エンド。
(天気) 朝の空は快晴だった。登るほどに雲は増えて、尾根に出たときは空の八割がたは雲が占めていた。その後は青空が広がったり雲が広がったりを繰り返した。気温は午前は8℃ほどで、午後は10℃ほどになる。少し風があって、肌寒さを感じた。視界は良かった。
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この井関三神社の駐車場に車を止めた 集落を抜けているとき空を見ると、澄んだ青空
だった
林道に入ると、ゲートを通った ゲートは開い
ていた
近くの山肌が紅葉の姿を見せていた またゲートを通るが、ここも開いていた 小橋の手前で林道を離れて小径に入る
始めは巡視路を歩いて行く 赤テープを追うと、最短距離で尾根に向かい出
した
尾根に出ると、近くに送電塔が見えていた
送電塔に立ち寄って、鉄塔の間から的場山を望む 尾根道を北西へと歩いて行く 尾根道は緩やかに続いた
落ち葉が降り積もった所を歩く 木立を通して、北東に大蔵山が望めた 菖蒲谷公園に着く

 池があって紅葉の木立
 が広がる様は、町中の
 公園にいるようだった
西の峠池の湖畔に立って、湖面を眺める 公園の木立は、紅葉の見頃だった 池を離れて園内の遊歩道を北へと登って行く
パートナーがカリヨンで遊ぶ 造成中の林道を横切った 大蔵山へと遊歩道歩きを続ける
山上が近づくと、階段状の道になった 平坦部に出ると、ベンチが置かれていた 東に向かう 山頂へははっきりとした道は無かった

 大蔵山の山頂に着く
 と、岩が点在してい
 た


   二等三角点(点名
   ・中垣内)を見る

 山頂には小さな祠が
 置かれていた


   岩の上に立って山頂の
   様子を眺める 薄ら寒
   い中で昼食を済ます
昼食後は遊歩道に戻って北西へと下って行く 前方に510mピークを見る    登り坂になると、少しシダが増えてきた

 振り返ると、瀬戸の
 海が眺められた


   510mピークに着
   くと、そこに展望台
   を見た

 展望台に上がると、南
 東から南西へかけて展
 望が広がっていた
 

 御津山脈の方向を大き
 く見る

 書写山の方向を大きく
 見る


  相生湾の方向を大きく
  見る
展望台を離れて大成池への道を下って行く 自転車競技会が開かれるようで、ヒモが張られ
ていた
大成池のそばに下り着いた
大成池の西岸に出る 湖岸は整備されて、すっかり公園風になっていた 湖岸路を東北へと歩いて行く

 湖岸路は舗装
 されており、
 車が通れる幅
 だった


   大成池の東岸
   に出る
東岸を離れて新池に通じる道に入る 新池まで800mの距離 小径が続く  左手に新池が眺められるようになった

 新池の東岸の土手
 に出て、新池を広
 く眺めた
新池の土手からは亀山が望めた 新池の東端から尾根道に入る 尾根道に沿って植林が進められていた
一帯は日本ハム(株)の土地で、360mピー
クには東屋が建っていた
以前より展望は悪くなっているようだった 大
蔵山を梢越しに望む
一度、尾根なりに下りかけたが、中垣内川を源流部
から歩こうと、新池のそばまで戻る
新池から流れ出す細流に沿って下って行く 下っていると、前方に亀山が望まれた 沢の幅は十分にあり、沢の中を歩くことが多か
った
沢が歩き難いときは沢そばの林を歩いた 沢は滑り易いため、足下に注意しながら歩いた ときおり足を止めて、沢の流れを眺めた
沢が急流となって沢そばを歩くのが厳しくなった
ため、右手の斜面に取り付いて尾根を目指した
尾根に出ると、南西方向へと尾根を下って行く
緩やかで歩き易い尾根だった
沢に出ると、登山道と出会った 小橋が沢にか
かる位置だった
登山道は道幅が十分で、落ち葉に覆われていた ときおり緑に塗られた鉄橋が現れた 川幅が広くなった中垣内川に沿って道は続く
ここが「盃流し」か 見事な滑床になっている 登山道は林道と言ってもよく、平坦路で続いた 中垣内教育キャンプ場に着くと、鳥居が建っていた
キャンプ場から紅葉した近くの尾根を見る キャンプ場の入口ゲートを通過する 後は車道を歩いて、井関三神社へと戻って行く