◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <淡路編> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
兜布丸山 かぶとやま | 525.1m | 洲本市・南あわじ市 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 広田 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2008年11月】 | 2008-113(TAJI) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
油谷山より 2008 / 11 |
淡路島の山を考えたとき、まず諭鶴羽山が思い浮かび、次は柏原山、そして先山、妙見山、常隆寺山と続くが、その次がなかなか出てこない。そこでそれなりに標高があって楽しめそうな山はないかと淡路南部の地図を開いたとき、すっとこの兜布丸山が目に入った。「かぶと」とルビが打たれていないと読めそうもない難読の山名で、それがまず目を惹いたが、登山道が無く情報の乏しいことが、ちょっとチャレンジしたい気持ちを起こさせた。ただ道が無いとその山域ならけっこう灌木のヤブになっているのではと、気楽に登れそうには思えなかった。そんなこんなで登りたいと思いながらも数年が経過してしまった。 2008年9月より明石大橋が休日は半額になっていることを知って、それを機会に淡路島の山を登ろうと考えた。そして以前から気になっていた兜布丸山をまずは登ろうと計画した。向かったのは11月最後の土曜日だった。本州四国連絡道路の半額となる時間帯は9時から17時とあって、ゆっくりと出発した。そして垂水JCTに入ったのは9時を5分過ぎた時間だった。この日の天気予報は午前は晴れ、午後に曇るとなっていたのだが、淡路島に入ると空は黒い雲に覆われていた。そして旧北淡町を通過する頃より雨が降ってきた。どうなることかと思っていると、南に向かうにつれ雲は薄れ、雨は小止みとなった。洲本ICを下りる頃には快晴と呼べそうな青い空に変わっていた。島の北部と南部とでは極端に違う天気のようだった。登山ルートとしては兜布丸山の東を走る鮎屋(あいや)林道を利用する考えで、鮎屋ダムへと向かった。鮎屋ダム湖の湖岸道路を走り、その奥から始まる林道に入った。林道は車1台分の幅ながらも舗装路で大城池の左岸を続いていた。大城池を過ぎると鮎屋林道から左手に枝林道が分かれた。鮎屋林道はその先でダート道と変わって更に狭くなっていた。それを見て分岐点手前の広い路肩部に車を止めることにした。そしてそこより歩き出した。上空はすっかり快晴になっていた。林道の周囲は植林が多かったが、色付いた木々も見かけられた。その林道の途中で2台の車を見たが、国有林保全の仕事で来ているようだった。林道の終点には12分ほどで着いた。前方と右手に堰堤が見えていた。どちらの方向にも踏み跡程度の小径が付いていたが、前方の堰堤が大きく立ちはだかるように見えており、そちらは行き止まりかと考えて右手の小径を歩いて行った。するとすぐに道を追えなくなり、二つめの堰堤に着いて漸く地図を開いた。やはり真っ直ぐに歩いて行くのが正しかったようで、あわてて戻り沢沿いを遡った。大きな堰堤は「鮎屋第2号鋼製谷止」で、近づくと迂回路があり、その先にはっきりとした小径が続いていた。周囲は薄暗い植林地だった。その小径も程なく終わってしまった。今少し先へと歩く予定だったが、先へと続く道は見えなかった。ちょうどその辺りは右手の尾根に向かってなだらかになっていたので、尾根に真っ直ぐ向かって行くことにした。一帯は植林地になっており、一見登り易そうだった。それが歩き出してみると間伐された木を跨ぐことが多くあり、けっこう煩わしかった。そこで小さな沢沿いを登ったりまた植林地を歩いたりと、歩き易い所を選んで登って行った。途中からは植林に雑木が混じり出し、何となくジャングルのような様相となった。それが中腹を過ぎた頃より、周囲は自然林一色に変わってきた。灌木が主体の常緑樹林で、地表は枯れ葉で覆われていた。雰囲気が良くなっただけで無く、一気に歩き易くなった。もうその自然林の優しげな風景を眺めながらのハイキングだった。一度、植林地に変わったが、すぐに自然林に戻り、穏やかな風景のまま主尾根に出た。そこも雰囲気は変わらず良く、尾根の木々は空いていた。またそこも枯れ葉が地表を覆っていた。おおよそ着いた位置が分かるので、三角点ピークのある北の方向へと尾根歩きを開始した。その頃には少し雲が増えており、空の半分を占めていた。尾根は薄暗くなったり明るくなったりを繰り返した。また歩くうちに木々は密集したりばらけたりと変わったが、その様子も自然な感じで悪くなかった。山頂までには幾つか小さなピークがあり、その一つに図根三角点が置かれていた。尾根の雰囲気は良かったのだが展望は良いとは言えず、そこで図根三角点ピークでは、手頃な木に登って見ることにした。小ぶりの常緑樹に登ると、何とか東への展望を得て、柏原山から南へと延びる山並みが眺められた。青い空にくっきりと見えていた。図根三角点ピークを過ぎて、次のピークが三等三角点ピークだった。そこも周囲を青々とした常緑樹に囲まれていたが、中央はそこそこ開けており、山頂らしさがあった。ちょっと心休まる雰囲気があり、山頂に立てた喜びがじんわりと湧いてきた。この11月は主に紅葉の楽しめる山を登っていたのだが、このように緑の濃い常緑樹の山もけっこう新鮮な感じで悪くなかった。この兜布丸山は山頂に立てばピストンで戻ろうかと思っていたのだが、尾根の雰囲気の良さをもう少し味わいたくなった。そこで尾根歩きを続けようと、一休みの後は尾根を引き返す形で南へと歩いて行くことにした。この尾根は三角点ピークが最高点では無く、南に10メートルほど高い535mピークがある。そのピークを越えてその先で東への尾根に入り、更に北への支尾根を下れば、この兜布丸山を周回コースで楽しめることになる。尾根の歩き易さは尾根の到着地点を過ぎても続いていた。緩やかな登りで535mピークに着くと、この最高点ピークは中央に大きな木があるものの、特に山頂らしい雰囲気は無かった。ほんの僅か足を止めただけで尾根歩きを続けることにした。尾根はその先で東西に分かれたが、その位置に着くと南側が一気に明るくなった。そこには伐採地が広がっており、縁を害獣避けネットが囲んでいた。これから植林が始まるのかも知れなかった。おかげで南に広々と諭鶴羽山系の山並みが眺められた。一番高い山が諭鶴羽山のようだった。右手にはうっすらと鳴門大橋も見えていた。その風景に黄色い花が彩りを添えていた。足元にいっぱい小さな花を咲かせていたが、何の花かは分からなかった。(帰宅後に調べると、どうやら帰化植物のナルトサワギクのようだった。)陽射しは暖かく、ここに来て南淡の地に居ることを実感出来た。この後は下山に向かうのだが、ごく近い位置の三角点ピーク(点名・ヤケ)を覗いてから下山することにした。伐採地から東に向かう尾根に入ると、そちらも歩き易い尾根で、ごく緩やかに下り坂になっていた。右手に害獣避けネットが続いていた。そのネット沿いを歩く形で四等三角点に着いた。そこは展望も無く特徴の無い所で、単に三角点を確認しただけの感じだった。ところで三角点に着いた頃より上空の雲が一気に増えてきた。しかも黒い雲だった。三角点を離れると少し戻って、北東へと谷に向かって下って行った。植林地のやや急尾根をどんどん下ると、あっけなく沢に下り着いた。沢は涸れ沢になっており、その沢沿いを歩けば林道に合流するはずだった。その沢を歩き始めると小雨が降ってきた。長くは続かないだろうと雨具の上だけを来て歩いて行った。沢に水の流れが現れると、程なく小径も現れた。その小径は左手の尾根の方向に向かっていたので、どうやらそれが地図の破線路のようだった。その位置から200メートルほど歩いたとき、見覚えのある風景が現れた。ちょうど小径を見失った位置だったが、その原因が分かった。その位置で一度沢を渡ることになっていた。その目印もあり、朝に今少し注意をしておれば、すんなりと小径の続きを歩けていたと思われた。ただそれでも尾根に出るのに大した違いは無かったようにも思われた。その辺りに来たときには小雨は止んでおり、上空には青空も覗いていた。そして林道を歩き出した頃より天気は一気に回復して、駐車地点に近づく頃には上空はすっきりとした青空が広がっていた。その空を見ながら、兜布丸山はごく素直に尾根を歩ける山であったこと、また南淡の地らしく緑濃い常緑樹の森が美しかったことなど、来て良かったとの思いが胸に広がってきた。 (2008/12記)(2021/12改訂) |
<登山日> | 2008年11月29日 | 10:16スタート/10:28林道終点/10:42違う谷に入り林道終点位置に戻って来る/11:42尾根に出る/11:47〜59図根三角点ピーク/12:03〜25山頂(三角点ピーク)/12:42〜48[535m]ピーク/12:57〜13:15伐採地/13:32〜45点名・ヤケ/14:02涸れ沢に下り着く/14:20山道を見失った地点に合流/14:41エンド。 | |
(天気) | 朝の空は快晴。木陰はひんやりしており12℃ほどだった。風が無いため特に寒さは感じなかった。その後、徐々に雲が増えてきた。13時を回ってから一気に空が暗くなってきた。そして小雨が降り出した。但し30分ほどで、また青い空が広がってきた。視界はまずまず良かった。 | ||
<< Photo Album 2008/11/29 >> |
---|