篠山市(現丹波篠山市)が発行している「篠山市登山マップ」を見て以前から歩いてみたいと思っていたのが、JR篠山口駅を起点として音羽山まで歩くコースだった。向かったのは2024年3月の最終土曜日のこと。この日は「黄砂あり」の情報があり、その影響か前日のクリアな空は消えて白っぽい青空に替わっていた。山々もうっすらとしていた。JR篠山口駅は多くの駐車場があり、国道176号線の西側にも駐車場があって、その辺りは1日止めても200円と格安料金だった。その格安駐車場に車を止めた。そこから北西方向へと適当に歩くと、程なく「大沢ロマンの森」の標識が現れて、すんなりと登山コースに入ることになった。案内標識もあり、登山コースは音羽山トレッキングコースとなっていた。緩やかな坂道を登って行くと大沢八幡神社の前を通り、車道は林道となって山中へと向かった。右手に堰堤が現れると、その先で左手に禄庄城跡への道が分かれた。そちらの道がハイキングコースだったのだが、音羽山の名を見なかったことで直進してしまった。林道はコンクリート舗装されており、易しい登りだった。その林道が土道になったり、また舗装路に戻ったりするようになった。その途中で左手に大沢城跡への登山道が分岐したが、そこも直進した。その辺りではもう林道と言うよりも作業道と言えそうになっており、イバラが道に増えてきた。尾根には近づかず、尾根に併行して東に向かっていた。ハイキングコースでないことは自覚していたが、そのまま歩いて行くと、突然のように作業道は終点となった。GPSで尾根の方向を確認すると、そばの斜面に取り付いて尾根を目指した。疎らな雑木林を登って行くと、作業道の終点位置から十数分で尾根道に合流した。そこは火とぼし山に近い位置だった。その辺りはやや急坂になっており、そこを登りきった所が火とぼし山の山頂だった。案内板が立っており、山頂は火とぼし展望台とされていたが、木々の生長があってか展望台と呼べるほどの展望は無かった。木々の空いた所から多紀アルプスを少し見る程度だった。火とぼし山は分岐点であり、直進すれば音羽山で北への道は佐幾城跡に通じる道だった。直進して音羽山を目指した。もう易しい尾根歩きだった。音羽山との間には中間ピークがあり、それを越して音羽山に近づくと巨大な送電塔が現れた。送電塔の先、僅かに高い位置が音羽山の山頂だった。山頂かの展望は期待していなかったのだが、木々が伐られたようで意外と火とぼし山よりも良く、北の方向が開けていた。おかげで譲葉山から三嶽までがすっきりと眺められた。山頂で昼休憩を済ませると、下山は忠実にハイキングコースを辿って戻ることにした。火とぼし山に戻ると、そこからは大沢城跡へと向かった。急坂を下った位置までは往路と同じ道だった。鞍部へと下るとそこは北面側が伐採されており、音羽山の山頂と同様に北の方向が広く眺められた。鞍部より登り返していると、左手から登山道が合流した。林道から来ているコースだった。そこより少し登った位置が422mピークで、そこが大沢城跡だった。城跡の標識はあるものの展望は無かった。その大沢城跡から先は北へと向かうようになり、一度尾根筋を離れて西斜面を巻くことがあった。それも程なく尾根筋に戻ると、再びはっきりとした尾根道歩きとなった。前方にピークが見えており、その320mピークへと登って行く。その320mピークが禄庄城跡だった。そこは展望地になっており、そこからも多紀アルプスが眺められた。こちらの方が大沢城跡よりも城跡の雰囲気があると言えそうだった。禄庄城跡を離れると、ひたすら下り坂が続いて沢筋に下りてきた。そこより小橋を二つ渡って林道に合流となった。そこからは再び往路で歩いた道となり、大沢八幡神社の前を通って駐車場へと戻って行った。
(2024/4記) |