TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北播磨 
 
烏帽子山    えぼしやま 532.1m 多可町
 
1/2.5万地図 : 中村町
 
【2012年3月】 No.2 2012-25(TAJI&HM)
 
    加美区的場集落より  2012 / 3

 神河町から高坂トンネルを抜けて多可町に入ったとき、まず目に入ってくるのは妙見山だが、加美区へと下りてきたとき、右手に現れるのが烏帽子山で、その端正な姿を見れば当然登りたくなる。姿の良さだけでなく、その山上からは笠形山が間近く眺められるのではと期待して登ったのは2002年7月のことだった。寺内集落側から林道を途中まで歩いて、登山としては易しい部類で山頂に立ったのだが、雑木の茂る山頂は展望は悪く、少々失望したものである。そこで少しは展望を得ようと、北東方向へと尾根を下ったとき、出会ったのが展望抜群の岩場だった。その上に立つと、北から東へと全く遮るものの無い展望が広がっており、いたく感激したものだった。その烏帽子山を10年経って再訪したくなった。再び展望岩に立ってみたいとの思いからだった。但しコースは変えることにした。「中村町」の地図を開くと、緩やかに延びる南尾根に魅力を感じた。小さなピークを二つ越すことになるが、峠から山頂までは適度な距離とあって、手頃なハイキングを楽しめそうだった。
 向かったのは2012年3月の春分の日。晴れてはいるものの、春らしくうっすらとした空の日だった。高坂トンネルを抜けて加美区へと入ると、県道8号線を離れて南へと向かう県道143号線に入った。烏帽子山の西麓を走って八千代区坂本に入ると、左手に烏帽子山の南を通る車道が分かれた。その峠に向かう道へ入った。すぐにヘアピンカーブがあり、峠までも僅かな距離だった。峠のそば、南側の山際に2台分の駐車スペースがあり、そこは「老人会山」の名が付いていた。車を止めていても問題無さそうなので、そこに駐車としたが、問題は北側の尾根にどう取り付くかだった。そちらは法面工事によってコンクリートの急斜面になっており、どう見ても登れそうに無かった。そこで車道を戻る形で西へと歩いて行く。峠に向かうとき、少し手前に水道設備なのか北側の斜面に白い建物が見えていたので、そこを手がかりにする考えだった。その白い建物へは峠道から分かれて車道が通じていたが、入口はクサリで閉じられていた。その車道の入口にも数台分の駐車スペースがあったので、そこに車を止めてもよさそうだった。クサリを越えて緩やかな車道を登って行くと、すぐにコンクリート作りの白い建物のそばに出た。八千代東簡易水道坂本配水池とあり、やはり水道設備だった。車道はそこまでだったが、その先もそま道があり、目印テープも付いていた。それを追って行くと、自然と南尾根を登るようになった。もうそこから先は、ただひたすら北へと尾根を辿って行くだけだった。その登山の様子は、下の写真帳を見ていただく方が分かり易いので、詳細は割愛させていただくこととする。南尾根は始めこそシダヤブがあったり、灌木が煩わしかったりしたが、352mピーク(点名・山カイ)を越すと、ごくスムーズに歩けるようになった。途中に480mピークがあってそれを越えて行くも、急坂になる所は無く、ほとんど穏やかな尾根歩きだった。山頂は露岩があって休むには良さそうだったが、周囲はすっかり雑木林で展望は無かった。その山頂から北へと少し下った位置に四等三角点(点名・冷谷)が置かれていた。そこも展望は無かった。すぐに尾根なりに北東方向へと下って行く。岩場の急坂があったりと少し注意が必要で、慎重に下った。程なく登りとなり小さなピークに出ると、そこで漸く展望が開けた。そこが目的地では無く、そこから急斜面を少し下った位置にあるのが、展望岩だった。そこに立ってみると、以前と変わらない見事な展望が広がった。間近には妙見山が対峙しており、北は千ヶ峰に竜ヶ岳がすっきと見えており、東は石金山までも遮るものも無く眺められた。ただこの日は北西の風が強くあり、まだ冷たさもあって穏やかに眺めるとはいかなかった。また風は花粉をいっぱい散らしているようで、目も鼻も痛くけっこう辛い思いをしながらこの風景を眺めた。その展望岩は狭いので、昼休憩は一段高い位置のピークでとった。そこから妙見山を眺めながらの昼食だった。下山はすんなりと登ってきた南尾根を引き返した。展望が無いようでも、注意しておれば見つかるもので、途中の木々が空いた所で、笠形山の姿を楽しむことも出来た。午後に入って空は薄雲が広がり出したため、風景は幾分淡い色合いになっていた。後はのんびりと下って、13時を少し回った時間に峠に戻ってくることが出来た。前回の烏帽子山は最短ルートで登ろうと、北側の林道をアプローチに登ったのだが、この日の南コースは長く尾根を歩きを楽しめたことで、こちらの方がハイキングとして面白いのではと思えた。また来るとしたら、冬の日にこの南尾根を再び登って、多可町の雪化粧を眺めるのも悪くないと思いながら、この日の烏帽子山登山を終了した。
(2012/4記)(2021/6写真改訂)
<登山日> 2012年3月20日 9:54峠の位置よりスタート/9:59坂本排水池/10:12〜16点名・山カイ/10:48[480m]ピーク/11:02〜07山頂/11:22〜50展望岩およびそのそばで昼休憩/12:00最高点/12:07〜20尾根の途中の展望地/12:29[480m]ピーク/12:52〜56点名・山カイ/13:14エンド。
(天気) 晴れ。少しうっすらとした青空だった。尾根は冷えており、気温は6℃。陽射しの当たる所では12℃ほどあった。尾根ではあまり風は受けなかったが、場所によっては冷たい北西の風をやや強く受けた。視界はまずまず良かった。昼となって薄雲が広がり出し、薄晴れの空へと変わってきた。
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峠に車を止めて西へと車道を歩き出す 北の斜面に車道を見たので、それを登って行く 車道は配水池の所までだった
東へと小径を辿って行く 目印もあった 南尾根を登るようになった 尾根は始めは木々が空いていた
登るうちにちょっとしたシダヤブになった ただ長くも続かなかった 352mピークに着く そこに四等三角点(点名・山カイ)を見た 三角点のそばからは、笠形山がすっきりと眺められた
三角点ピークを越すと易しい尾根歩きとなった 木々を通して山頂を見る 平坦に近い道が続く
少し登り坂となる 易しい道に変わり無かった 一段と歩き易くなった 480mピークは木々に囲まれていた
道は易しかったが展望は悪かった 大きな岩を見るようになった 烏帽子山の山頂は南北に長かった
最高点には平らな大岩があった 最高点の少し先で四等三角点(点名・冷谷)を見る 山頂を越して尾根なりに北東へと下って行く
30mほど下ると上り坂となった ピークに出ると、そこからは展望が広がっていた ピークを越えて僅かに下った所が展望岩だった
展望岩の上に立つと、10年前と変わらぬ大展望が広がっていた
入相山を大きく見る 飯森山を大きく見る 千ヶ峰を大きく見る
   
竜ヶ岳を大きく見る 三嶽を大きく見る 展望岩を離れて少し上のピークで昼休憩とした
ピークの展望も良く、こちらは東の方向まで眺められた 篠ヶ峰の山頂を大きく見る

展望を十分に楽し
むと山頂に引き返
した

山頂を越えて南へ
と下り始めたとき
南の方向に展望を
得た

右上の写真に写る
原山を大きく見る

下るうちに笠形山
も眺められた
登りで易しかった道は、下りは更に易しかった 480mピークを越す 下るうちに、東の方向に西光寺山を見る
最後、配水池に向かうとき峠へと続く車道を左手に見る 配水池の前を通って、舗装路を下って行く   午後の光に明るい車道を歩いて駐車地点に戻った 前方に妙見山が覗いていた