TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬 
 
伊月山    いつきやま 541.1m 養父市
 
1/2.5万地図 : 但馬竹田
 
【2005年9月】 2005-62(TAJI&HM)
 
   西麓の野谷集落付近より  2005 / 9

 地図を見ると養父市の南東、旧養父町長野地区の北に独立峰のような形で、500m台の小さな山が目に付いた。西に須留ヶ峰、南に婆々山、そして北に建屋山などずっと大きな山があって目立たないが、その点名、「伊月山」の名に興味を持った。ただ展望は良さそうに見えず、そこでキノコの見られる秋口ならキノコ採りの楽しみ(但しマッタケ山で無い限りはだが)もあるのではと考えて、向かったのは2005年9月の下旬のこと。この日は晴れの予想だったので、天気は心配せず姫路を離れた。晴れは晴れでも上等の晴れで、申し分の無い青空に視界は澄みきっており、どの山もくっきり稜線を見せていた。風も涼しく、漸く秋が来たとの思いだった。ところがこの天気は兵庫南部だけのようで、生野峠が近くなると一気に曇り出した。そして達磨ヶ峰など高い山の頂上部はガスに隠されていた。目的地の養父市に入ったときは空はすっかり曇り空になっていた。ただガス雲のようで、青空がちらちらと覗いていたので少しは晴れを期待することにした。伊月山の登山ルートとしては漠然と西側から登ろうとしか考えていなかったが、伊月山の南麓を通っていると立派なイチョウの木がある神社が目に付いた。その駐車場に車を止めて案内板を見ると、斎(いつき)神社とあった。伊月山の麓のイツキ神社ということだが、養父町で有名なお走り祭りは養父神社とこの斎神社間で行われるそうである。その本殿に上がると、本殿そばの山肌が手入れされており、道は無くともすんなりと登って行けそうに見えた。そこで斎神社からのスタートとした。斜面はヤブの感じは無く木々も空いて登り易かったが、けっこう急斜面だった。ただ漸く涼しくなったおかげで、さほど汗もかかずに登って行けた。やがて西からの尾根と合流すると、後は尾根筋を登って行った。始めは植林が主体だった周囲の樹林に自然林が混じる出した。尾根が北東に向かい出して程なく、傾斜は緩くなってぐんと歩き易くなった。そして西面に伐採地が広がった。展望は開けたが、周囲の山にはガスがかかって何も見えなかった。播州南部の山を訪れておればと悔やまれた。ただちらほらとキノコが目に付きだした。毒キノコが多いようだった。まずは山頂に立とうと先を急いだ。伐採地を過ぎるともう山頂は近かった。辺りはすっかり自然林となっており、登り易いままに三等三角点(点名・伊月山)の埋まった山頂に着いた。そこは樹林がが周囲を囲んで展望は無し。その三角点の位置より少し北の地点の方が若干高く見えた。50メートルも離れていなかったのでその最高点まで歩くと、そこも自然林に囲まれて展望は無かった。但し最高点の方が木々は空いており休憩には向いていた。そこで最高点の方で一休みとした。期待した空はと言うと、どうも思いとは逆で、その頃には青空は消え霧雨さえ降ってきた。その霧雨の中、疲れた体を雨具に包んで横たわると寝込んでしまった。2時間近くは寝てしまったようだった。そして正午を過ぎたとき、顔にかかる雨粒で目が覚めた。どうも天気は回復していないようだった。そこで晴れることは諦め、気持ちを切り替えてキノコ採りでもすることにした。山頂の休憩を切り上げ、登ってきたコースを戻った。登りの途中で出会った伐採地でキノコ採りをしようとの考えだった。そしてその伐採地の山肌で、小時間キノコ採りを楽しんだ。(小ぶりなヌメリイグチを少々採ることが出来、その夜の汁の具となったが、酸味のあるおいしいキノコだった。) そのキノコ採りの間に漸く天気は回復の兆しを見せ、ときおり雲間から陽が射すようになってきた。キノコ採りの後は尾根なりに下って行く。そして尾根が西と南に分かれた所からは、南へと辿った。前方の山並みにかかるガスは薄れており、婆々山から続く尾根が現れていた。そして印象的だったのはその尾根の麓に点在する集落の風景だった。内山、尾ノ上、柴の各集落が、いかにも日本の田舎といった風情を見せていた。麓が近づくと笹ヤブをかき分けることになったが、それも長くは続かず麓に下り着いた。そこは斎神社から東に数百メートル離れた位置だった。
(2005/10記)(2023/7写真改訂)
<登山日> 2005年9月24日 8:54スタート/9:48〜12:35山頂/13:46車道へ/13:52エンド。
(天気) 神崎町までは晴れの区域だったが、生野町に入ると一気に曇ってきた。高い山はガスに隠されていた。スタートしたときの上空は、ガス雲が広がっていた。ときおりガスが薄れて陽の射すこともあったが、陽射しはすぐに消えた。気温は20℃ほどと低かった。風は秋風と言ってよく、少し肌寒さを感じた。山頂が近づくと霧雨が降ったり止んだりとなった。3時間近くの山頂滞在では、この繰り返しだった。ときおり陽射しの現れることもあった。下山で麓が近づく頃に青空が見られるようになり、漸く晴れてきた。視界は良かった。
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山頂はすっかり雑木に囲まれていた 三等三角点(点名・伊月山)を見る 三角点ピークの少し北となる最高点ピークで休憩とした
周囲の尾根はガス雲に隠されていた 山頂では霧雨もあったが、ときおり陽射しを受けた 下山で伐採地まで下りてきた
高峰はまだガス雲に隠されていた 下るうちに左の写真の左手が眺められるようになった 西の方向だった

(←)
尾根の中間点辺り
まで下りてきて、
南の山並みを見る

 (→)
  左の写真の右に続
  く風景を見る
上の写真に写る内山集落を大きく見る 左が尾ノ上集落で、右が芝集落だった 尾ノ上集落を大きく見る