TAJIHM の 兵庫の山めぐり <摂津 
 
三草    みくさやま 564.0m 猪名川町
能勢町(大阪府)
1/2.5万地図 : 妙見山
 
【2010年10月】 2010-90(TAJI&HM)
 
   下阿古谷集落より  2010 / 10

 播州に住んでいると、三草山と聞けば、すぐ源平合戦の舞台となった加東市の三草山を思い浮かべるが、近畿圏で見ると、兵庫大阪の県境にある北摂の三草山の方が名が通っているように思われる。その三草山が兵庫百山に選ばれているのに未登であった。兵庫県と言えども北摂も県境の山はずいぶん遠くに思われ、また標高が600mに満たないとなれば、なかなか食指が動かなかった。それが2010年9月に足を痛める怪我をしたことで、暫くは易しい山しか登れなくなってしまった。そこで易しいがために登っていなかった山に目を向けることになって、この三草山を思い付いたものである。この三草山を地図で見ると、北麓の大阪側からの道がどうも主流のようだったが、兵庫百山として、兵庫側から登ろうと考えて、猪名川町上阿古谷からの林道でアプローチする南側からのコースで登ろうと決めた。
 向かったのは10月16日の土曜日。楽に移動しようと姫路西ICから山陽道、中国道を走って、西宮北ICを下りた。空は幾分うっすらとしていたが、まずまずの晴れだった。まず国道176号線を走り、三田市に入って県道を37号線、66号線と走って行く。道の駅「いながわ」に立ち寄った後、三草山へは県道603号線を北上して近づいた。下阿古谷まで来ると、前方に周囲から一つ頭を抜き出た山がすっきりと眺められた。それが三草山だった。阿古谷小学校前を過ぎて大歳神社が現れると、その手前で左に分かれる車道が見えた。それが三草山に近づく道と考えて左折すると、正しかったようですぐに林道に変わり、どんどん山に向かって行った。そのまま走ってしまうと標高350mの登山口まで行けてしまうが、それでは簡単過ぎるハイキングになると思い、出来るだけ麓に近い位置から歩き始めようと、林道そばに適当な駐車場所を探しながら車を走らせた。するとどんどん進んでしまい、林道の様子に興味が出てきたこともあって、とうとう登山口まで来てしまった。そこからはやはり歩き出したく無く、少し引き返して広い空き地に車を止めると、そこから歩き出すことにした。ちょっと林道上でぐずぐずしていたこともあり、スタートは10時半が近い時間になってしまった。林道は歩き始めたときは簡易舗装されていたが、すぐにダート道に変わった。更に雑草に覆われるようになった。あまり走られていないようだったが、林道はひたすら緩やかで、歩く分には気楽な道だった。途中で展望があり、南の方向に低い山並みが眺められた。車を止めた位置から15分ほど歩いて登山口に着いた。ところで県道603号線を離れてからそこに来るまで三草山の標識を全く見なかったが、登山口に着いても「ゼフィルスの森」と書かれた紙を見るだけだった。そこが登山口かと半信半疑の思いで登山道を登り始めた。登山口からは小径が小さな尾根上に付いていた。尾根には疎らに雑木があり、少し登ると登山道の周りにササが広がり出した。穏やかな風景で悪く無かった。登るほどにその雰囲気の良さは増して来て、そのとき一匹の蝶が飛ぶのを見た。アサギマダラで10月には珍しいことだった。一帯は「ゼフィルスの森」の名で緑地環境保全地域になっているが、ゼフィルスとはミドリシジミ類の蝶の名とか。その名が付いているだけに、蝶は多いのかも知れなかった。この優しい雰囲気のままにずっと登って行けると思っていたところ、途中からササが道を隠すようになってきた。そのうちに道は踏み跡程度となり、ほぼ消えてしまった。てっきり登山道と思って登っていたのだが、これでは道を誤っていたことになる。地図とガイド本として持ってきた「ふるさと兵庫100山」を照らし合わせると、どうも尾根を歩くのは間違っていたようだった。地形の歩き易い所をと、ササをかき分けて暫く東の方向へと歩いた後、登山道の有りそうな北の方向へと植林の急斜面を登った。足が痛むというのに、先週に続いてまた足に負担をかける登山になってしまった。易しい山を選んだつもりなのにこうなるとは、ちょっと不運ではと思ってしまった。足の痛みを我慢しながら踏ん張って登ると、小さな山だけに数分も登れば尾根に出た。ちょうどそこに桜の大木があり「ゼフィルスの森」の標識が立っていた。そこに道が見えなかったので、登山道はどこかと思案していたところ、間近で人声が聞こえた。今立っている位置よりも十メートルも離れていない北寄りの位置に登山道があるようで、20名近くの団体が、ちょうど通りかかったところだった。これで登山道に合流出来たことにある。登山道に出ると、それは登山道と言うよりも、幅も十分にあって遊歩道と呼べそうな歩き易い道だった。その道をそのまま山頂へと歩いても良かったが、道がどこから来ているのか知りたくなった。また現在地が地図上のどの地点かも知りたく、逆の方向へと少し歩くことにした。緩やかな下り坂として小径は東の方向に続き、10分ほど歩いて三叉路に着いた。北へ歩けば大阪府で、南へ歩けば兵庫県だった。遊歩道の道は北へと続いており、兵庫への道は目立たなかった。道の佇まいを見る限りでは、どうもはっきりとした道は府民牧場を起点に大阪の山を登る形で作られており、設置されている標識も「大阪みどりのトラスト協会」によるものだった。現在地が分かったことで、引き返す形で山頂に向かった。周囲は雑木林で、ササの混じる光景は兵庫側を歩いていたときと変わらなかったが、兵庫側の登山道を登り始めたときほどの雰囲気は無かった。上空に雲が増えて、風景が少し薄暗くなったことも影響しているかも知れなかった。傾斜のきつい所も無いまま、ごく気楽な遊歩道歩きの感じで歩け、最後に丸太の階段を登って山頂に着いた。分岐点から20分だった。ごく狭い山頂を予想していたのだが、なだらかに広々としていた。また雑木が疎らにあって木陰を作っており、雰囲気は悪くなかった。南と西には展望もあって、展望写真が貼られた標識も設置されていた。その山頂には尾根に出たときに見かけた20人ほどのグループが休んでおり、けっこう賑やかだった。そこでグループから少し離れた北寄りの位置で休憩とした。昼食をとっている間にグループが下山すると、山頂は一気に静かになった。他には二人ほどを見かけるだけで、山頂の雰囲気は更に良くなった。山頂の気温は19℃と適度な涼しさで、そこで少しばかり横になって、うとうとした。軽い昼寝から目覚めた後は、展望を楽しむことにした。一番良く見えるのは南の風景だったが、そちらは逆光となってうっすらしていた。そこに六甲山と共にその東に広がる阪神の町並みが眺められた。特に目に付く山も見えないので興味を西に移すと、そちらには羽束山から大船山へと続く尾根、そしてその北には大野山と、北摂の有名どころが近くに眺められた。伸びやかな山頂には展望の良さがあり、しかも登山道は自然林の中の優しげな道となれば、三草山に人気のあることが良く理解出来た。下山は才の神峠へと下ってみたい気持ちもあったが、地図を見ると峠には車で走った林道は繋がっていないようだった。そこで下山は兵庫側コースを正しく辿って見ることにした。往路で歩いた道が、どこでコースを離れたかに興味もあった。まずは三叉路の位置まで引き返すが、山頂を離れるときは他に一組のファミリーが残っており、いかにも好日を過ごしている雰囲気が辺りにあって三草山は良い山だと思った。三叉路に戻って、そこより南へと兵庫側に入った。ごくなだらかなままに歩けたが、途中で西に折れると道は細くなり、また周囲もササが茂って、あまり歩かれていない印象を受けた。そして次第に荒れてきてササが道を隠すようになった。またコースを離れたかと思ったが、標識は立っていたので、ずいぶんマイナーなコースのようだった。ただ緩やかな道として続いた。方向としては午前に登り出した登山口へ向かっているようなので、どこに下り着くかと思っていると、そのうちに左手に林道が見えるようになった。そして最後に着いた所は、同じ登山口だった。この兵庫側コースは、林道から登り出して数メートルの位置で、尾根道と巻き道に分かれており、はっきりとしている尾根道は途中で消えて、ササに隠れぎみの巻き道が山頂への道だったようで、これこそ道標が要るのではと思ってしまった。後は林道を歩いて駐車地点に戻るだけだった。
 ところで、この日にいぶかしかったのは、コースに点々とあった標識に描かれていた地図で、どの地図も三草山山頂は大阪府側に大きく入った位置に描かれて、完全に大阪の山とされていた。国土地理院の地図では兵庫大阪の境にある山となっており、そのため兵庫百山にも選ばれているので、なぜ誤った表示になっているのかと大きな疑問だった。その疑問を帰宅後、インターネットで調べてみたが、境界のことについての記事は見当たらなかった。ところがMapionの地図でもYahooの地図でも、三草山で見た標識と同じく、三草山は大阪府側にすっかり入った位置に描かれていたので、これでは県境は二つ有ることになってしまい、ますます疑問が膨らんでしまった。
(2010/10記)(2021/8写真改訂)
<登山日> 2010年10月16日 10:25駐車地点スタート/10:40登山口/11:17尾根に出る/11:31大阪側からのコースと兵庫側からのコースの合流点に立つ/11:51〜13:07山頂/13:24大阪側からのコースと兵庫側からのコースの合流点に再び立って兵庫側に入る]/13:42登山口/13:54エンド。
(天気) まずまずの晴れ。雲が少し多く、空の青さは薄かった。気温は始め20℃ほどだったが、樹林の中を登るうちに17℃まで下がってきた。風はほとんど無し。山頂に着いた頃より雲が増えて、陽射しは少なくなった。東の空にはまだ青空が見えていたものの、西の空は薄晴れ程度になってきた。視界はややうっすらとしていた。
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県道603号線を北上すると、三草山が現れた 林道を走って、適当な位置に駐車して歩き始めた 林道は緩やかに続いた

(←)
林道からは南の方
向に展望があり、
北摂南部の山並み
が眺められた

 (→)
  登山口の前はちょ
  っとした広場にな
  っていた
登山口から尾根に付いた小径を登る 雑木とササの優しげな風景が続く アサギマダラを見た

振り返って見えた
のは羽束山だった

このまま山頂へと
思っていると道が
不確かになった

間違った道を歩い
ていたようだった
軌道修正のため暫く東へと歩き易い所を歩いた 途中から尾根に向かって植林地を登った 尾根に出ると、ゼフィルスの森の標識を見た
尾根の間近で登山道を見た 一度、山頂とは反対の三叉路の地点まで戻った 改めて山頂に向かった 遊歩道と言えそうな道だった
登山道の周囲は優しげな雑木林だった 最後に丸太の階段となって山頂に近づく 山頂は20名ほどのグループで賑わっていた
グループが下山すると、静かな山頂となった 改めて山頂の佇まいを眺めた 山頂の三等三角点(点名・三草山)を見る
山頂は展望もあり、展望写真が立っていた 北西方向に見えた端正な山は大野山だった 大野山を大きく見る

左上の写真の羽束
山から大船山にか
けてを大きく見る

西の方向だった
南東方向を見る 高代台山の背後には豊能町の600m台の山並みが広がっていた 左の写真に写る妙見山を大きく見る
下山を始める まずは三叉路へと戻った 三叉路からは兵庫側に向かった 西へと向かい出して、ササが増えてきた
一度、ササは減ったが 道を誤ったかと思うほどササの茂った所が現れた ゼフィルスの森の標識は点々とあった
最後に往路の尾根コースに合流した 後は駐車地点へと林道を戻るだけだった 林道から上阿古谷の集落を眺める
ところで山中の案内標識では、三草山は県境尾根から大きく大阪側に入った位置に書かれていた 帰宅後に調べると、Mapion地図でも三草山はすっかり大阪の山だった ちなみに国土地理院の地図では、県境上にあった