TAJIHM の 兵庫の山めぐり <摂津 
 
ごろごろ岳 565.3m 西宮市・芦屋市
 
観音山    かんのんやま 526m 西宮市
 
 
1/2.5万地図 : 宝塚
 
【2009年1月】 2009-14(TAJI&HM)
 
   北山貯水池より   2009 / 1

 六甲山系の東部を見ると、主脈は水無山から大平山、譲葉山と小さなピークを並べながら宝塚市街に至るが、南東方向にも裾野を広げて芦屋市、西宮市の西の壁になっている。その西の壁の小さなピークとして観音山やごろごろ岳、ガベノ城など幾つかの山名が地形図に記載されており、そのうちの観音山からごろごろ岳までの尾根を歩こうと考えたのは、特にそこを目指してでは無く、ちょっと序でに歩こうかぐらいの軽い気持ちからだった。その東六甲地域で独立峰のように佇む甲山をまず登ってみたいと考えたのだが、甲山だけではどう見ても半日とはかからずハイキングが終わってしまいそうだった。そこで地形図の「宝塚」や山と高原地図「六甲・摩耶」を開いて、甲山ハイキングと組み合わせて歩ける山はないかと捜したところ、この観音山とごろごろ岳の尾根に気付いたものである。その大きさからしてそちらも半日程度で楽しめそうで、二つ合わせて一日のハイキングとしてちょうど良さそうだった。
 甲山を目指したのは2009年1月の快晴の日だった。冬ならではの澄んだ青空が広がっており、ちょっとひんやりした空気が快かった。歩き始めたのは阪急電鉄の甲陽園駅からで、まずは甲山を目指した。但し少し回り道をして、甲山森林公園を通って甲山登山とした。広々とした甲山山頂は暖かい陽射しを楽しむ大勢のハイカーで賑わっていた。その甲山からは西へと向かう登山道を下って、北山貯水池側の登山口に下り着いた。13時を過ぎた時間で、予定より少し遅れていた。14時には観音岳の登山を始めたいと、目の前の貯水池の湖岸に出た。そこからは西に向かってなだらかな尾根が見えていた。その尾根の北東辺りの中腹にお寺が見えており、その上のピークが小さく盛り上がっていた。それがどうやら観音山のようで、中腹の建物は鷲林寺ではと思われた。そこまではちょっとした距離があった。早く着くのであれば北山貯水池の北を巡る車道に沿って歩けばよかったが、せっかくそれまで静かな山中に居たので、俗な所は歩きたくなかった。そこで池の南側の道を歩いて遠回りで鷲林寺に向かうことにした。そちらの道は車は通らず、湖岸沿いをゆったりと歩いて行けた。そして池を南西位置まで来たとき、その先に林を抜けて行く遊歩道が見えた。方向からしてそのまま進めば、うまく鷲林寺に近づけそうだった。特に地図を見返すことも無くその遊歩道に入ると、緩い上り坂になっていた。途中でそこが北山公園と分かったが、そのまま進んで行くと小さな池のそばに出た。そこに案内図があり、それを見るとどうも鷲林寺の方向には向かっていなかったようだった。あわてて地形図を開いて位置を確認すると、剣谷町のそば辺りと分かった。そこですぐに公園を抜け出して剣谷町に出た。後は県道82号線を歩けば鷲林寺に向かうのだが、どうも車の往来が多かった。やはり車の少ない所を歩いて行きたく、鷲林寺南町に入って幹線歩きを外すことにした。鷲林寺南町はちょっとした高級住宅地で、閑静な佇まいだった。ただ少し回り道をすることになるので、更に鷲林寺に着くのが遅れそうだった。鷲林寺南町を過ぎるとどうしても県道82号線に出ることになり、短い距離だが車の多い道路を歩いて行った。歩道があると言っても幹線道路を歩くのは楽しいとは言えなかった。「かんのん道」の標識を見て左の車道に入ると、一気に車は減った。程なく車道は緩やかな上り坂になった。山裾を登るようになると少し冷え冷えとした空気になり、道そばには雪が残っているのも見るようになった。その雰囲気で鷲林寺に到着した。人の訪れの多い寺のようで、その時間でも駐車場の車は多かった。石段を登って境内に入ると、そこは狭いながらもちょっとした賑わいが感じられた。お寺参りが目的でも無いので、さっと境内を通り抜けると多宝塔の横に石段があって、そこが観音山の登山口だった。甲山から北山貯水池に下り着いた地点を起点とすれば、ここまで70分ほどかかっており、すんなり最短距離で来るよりも20分は余計にかかってしまったのではと思えた。もう時間は14時を十分に回っており、暗くならないうちに下山しようと、すぐに登山開始とした。鷲林寺の位置で中腹近くになっていたこともあり、すぐに傾斜のきつい登りとなった。ただ登山道はよく踏まれた道なので、ごくスムーズに登って行けた。案内標識もよく目にした。午前の甲山が遊歩道を歩いているようなものだったので、漸く登山の雰囲気になったと言えた。周囲はごく普通の里山の印象だった。やがて露岩も目にするようになったが歩き易いことに変わりなく、どんどん高度を上げて行った。そして背後には展望が広がり出した。甲山が間近に見えており、北山貯水池を含めてその一角だけが緑色で、その周囲は住宅地が広がっていた。途中で鉄塔に出会ったが、早く観音山の山頂に立ちたく足を止めずに先を急いだ。そして鷲林寺の登山口から30分とかからず観音山の山頂に着くことになった。山頂には露岩が多くあり、細長い形で開けていた。その東の端が好展望地で、東から南へとすっきり展望が開けていた。それまで尾根から見えていた展望の総仕上げと言ったところだった。他にも北には一段高い尾根が見えていた。大平山から譲葉山へと続く尾根のようだった。その観音山の山頂に着いたときは陽射しが無く、気温は10℃と肌寒かった。午前の雲一つ無い空は徐々に雲が増えて、その頃には空の半分を占めるようになっていた。せっかくの山頂なので、陽射しに照らされた山頂を見たいと暫くとどまっていると、10分ほどして陽射しが現れて、岩の目立つ山頂が明るく照らされた。それを見て観音山を離れることにした。時間は15時前になっていたが、ごろごろ岳の山頂には余裕の時間で着けそうだった。そのごろごろ岳への道に入ると、何とも拍子抜けするぐらい歩き易い道だった。ごく緩い坂でずっと続いており、また良く踏まれた道でもあるので、スタスタと言った感じで歩いて行けた。そこが標高500mの山上とは思えぬ気楽さだった。ただ陽が隠されることが多いため、登山道は薄暗くなっていた。所々でうっすら雪を見た。道は歩き易いのだが展望は良いとは言えず、ずっと樹林に囲まれてた感じだった。そのままごろごろ岳かと思っていると、途中一ヶ所で展望地が現れて、そこからは北に大平山が望まれた。ごろごろ岳が近づくと、尾根の右手となる西側はフェンスが続き家も見られた。それだけ一帯の地形は平らになっているのだろう。地図を見るとその位置の方がごろごろ岳の三角点の位置よりも数メートル高いようだった。歩いていると立入禁止の札もあり、どうもフェンス沿いの小径のみを歩いていなさいと言うような雰囲気は楽しいとは言えなかった。単に通過させられている感じだった。そのような気持ちがあって早足ぎみに歩いて行くと、その登山道の通過点と言った感じでごろごろ岳の山頂に着いた。尾根の中で僅かに高くなっているだけだった。雑木林のまっただ中で、展望は無かった。先ほどの観音山には伸びやかさがあったが、ごろごろ岳は逆に閉塞感があった。山頂は薄暗く、気温も5℃と肌寒かったことも関係しているようだった。その山頂周辺をちょっと探ってみたが、住宅地が間近にあり、うろうろするのは遠慮させられる雰囲気だった。名前としては面白いごろごろ岳だが、登山としてはこの山のみを目指すことは考え難く、そばの住宅地からすれば単なる散歩場所と言えそうだった。そのごろごろ岳に立ったことでこの日の目的は達したことになり、後は下山を目指すだけだった。始めの考えでは南へと尾根を歩いて芦屋川駅へ出るつもりだったが、それまでの標識からごろごろ岳登山のメインコースは苦楽園からのようで、そこで苦楽園コースを下ることにした。午後の東斜面は陽射しを受けることは無く、薄暗い中での下山だった。ただ道自体はややきつい坂ながらも歩き易い道で、さっさと言う感じで下って行った。途中には大きな石が点々とある所を見かけた。下り易いままに下って行くと、麓の街並みが見えるようになり、その先は阪神の市街地がずっと広がっていた。そして最後はごく無難に住宅地の一角に下り着いた。そこには注意しないとよく分からない程度の目印しかなく、コースを良く知っている人だけが登ればよいと言った感じの登山口だった。これでこの日のハイキングは終了となった。そこからは苦楽園駅まで歩くことを考えていたが、どうせ歩くのなら夙川駅まで歩いて行くことにした。それにしても苦楽園の名は聞いたことはあってもどのような街かは全く知らなかったのだが、歩いてみるとけっこう坂のきつい街だった。無理やり山裾を切り開いて作られたと言えそうだったが、そこに立つ家がどれも立派な家だった。急斜面の地形の上に道幅も狭くて、どう見ても住み易いとは思えなかった。そこがなぜ高級住宅地になっているのかと、不思議に思いながら苦楽園の街並みを通り抜けて行った。
(2009/2記)(2021/11写真改訂)
<登山日> 2009年1月17日 13:10北山貯水池を東端から歩き出す/13:25北山国有林/14:03かんのん道入口/14:20鷲林寺登山口/14:33鉄塔/14:46〜57観音山/15:28〜33ごろごろ岳/15:47分岐点/16:10苦楽園登山口/17:11夙川駅エンド。
(天気) 朝から良く晴れていたが、午後に入って雲が多くなり、陽は雲に隠されたり現れたりを繰り返していた。気温は鷲林寺では9℃ほどあったが、その後は徐々に下がり、ごろごろ岳山頂では5℃になっていた。少し冷たい風があったが、さほど気にならなかった。視界は良いと言えたが、街の方向はうっすらとしていた。
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北山貯水池の先にこれから向かう尾根を見る 貯水池を離れて北山公園ハイキングコースを歩いた 易しいハイキングコースだった
林を抜け出ると、小さな池が現れた そこは剣谷町の
近くだった
北山公園ハイキングコース案内図を見た 公園は北山
国有林だった 
少し遠回りをして鷲林寺に通じる「かんのん道」に入
った
振り返ると甲山が見えていた かんのん道は静かな道だった 山裾に取り付いたようで、坂道を歩いて行く
鷲林寺へと石段を登って行った 鷲林寺の境内に入った 多宝塔を見上げた
境内の隅に観音山登山口を示す標識を見た 荒神堂の前に出た 荒神堂の近くに登山口を見た 
登山コースに入ったとき西宮神社を見た ごく普通の登山道だった 石灰岩質の部分を登ることがあった

途中から背後に展
望が開けてきた

左の写真に写る甲
山と北山貯水池を
見る
送電塔のそばを通った 露岩地を登った 木漏れ日が登山道を照らしていた
観音山の山頂が近づいた 観音山の山頂に立った 陽射しを受けて明るかった 山頂は好展望地だった

尾根を登っている
とき見た風景を、
更に広く見ること
になった

甲山と北山貯水池
を更に高い位置か
ら見ることになっ

西に六甲山の最高地点を望む 北に見えた電波塔を持つ山は大平山と思えた
上の写真に写る六甲最高峰を大きく見る 観音山を後にして、ごろごろ岳に向かった ごろごろ岳への道は優しげな道だった
登山道に雪を見るようになった ごろごろ岳の方向を眺める ときおり陽射しが登山道を明るくした
登山道の周囲はササが目立ってきた 易しい道が続く 途中の展望地から北に大平山を見た
ササの中を歩いて行く 標識ではカタカナで「ゴロゴロ岳」と書かれていた 民家を間近に見ることがあった
ごろごろ岳の山頂が近づいて、フェンス沿いを歩いた ごろごろ岳の山頂に着いた そこは樹林に囲まれていた 三等三角点(点名・剣谷)を見る)
少し離れて山頂を見る 寒々としていた 周囲を探ったが、展望は無かった ごろごろ岳からの下山は苦楽園コースに入った
南東へと下っていると、送電塔のそばを通った 苦楽園コースはやや急坂で続くようになった 岩がごろごろしている所を通った
途中で六麓荘への道が分かれたが直進する 樹林の切れ目から麓の風景が覗くようになった 山裾の学校群が見えていた
登山口が直前になって登山道の標識を見た 登山口に着いた 目印はあったが分かり難かった 夕暮れ色の苦楽園を歩いて夙川駅へと向かった