丹波篠山市の北部に栗柄峠があり、そこから始まる尾根は堂ヶ峰を通って鋸山に至り、更に黒頭峰へと続いている。その尾根を栗柄峠から堂ヶ峰まで歩こうと向かったのは2024年4月の第二土曜日のことだった。栗柄峠の辺りには駐車出来そうな所が見当たらなかったため、少し離れてはいたが栗柄ダム湖の近くに駐車地点を求めた。その位置から数分で県道97号線に出ると、前方に堂ヶ峰を見ながら西へと向かった。県道69号線が分岐すると、そこからは北へと県道69号線を歩いて栗柄峠に近づいた。栗柄峠の辺りは法面工事がされており、そのコンクリート壁に近づくと栗柄峠登山口の標識が立っていた。そこから山裾に取り付いた。尾根筋には害獣避けフェンスがあり、そのフェンスのゲートを通ると適当に法面を登って尾根道に出た。後は尾根道を歩いて行くだけだった。その尾根に点々と「分水界の径」の標識が立っていた。但しコースはあまり整備されていないようで、倒木が目立った。尾根には小さなアップダウンはあるものの急坂は無く、まずはマイペースで進めた。前方に堂ヶ峰が見えると、まだまだ遠かった。その堂ヶ峰の左手前、一段低いピークが御在所山だった。登山口から50分ほどかかって漸く御在所山の分岐点に着いた。標識が立っており、すんなりと御在所山への小径に入った。やや急坂だったが、分岐点と山頂との標高差は40メートル程でしかなく、分岐点から5分も歩けば山頂到着となった。そこに四等三角点(点名・浅木谷山)を見たが、周囲は樹林が囲ん展望は無かった。その展望に関しては山頂手前に好展望地があった。そこに大きな岩があり、そのそばからは堂々とした姿で堂ヶ峰が眺められた。その右手、北西から北、北東へと兵庫丹波の山並みが一望で、展望に関しては満足させられた。御在所山を離れると、引き返す形で分水界の径に戻った。いよいよ堂ヶ峰への登りだった。まずは鞍部の位置に出ると、そこからは堂ヶ峰へと登り返すのだが、標高差が170mほどある上に急坂だった。その上り坂に入ったとき、予期していなかった登山道の分岐点が現れた。それは堂ヶ峰の南麓側にある福徳貴寺に通じるコースだった。その分岐点を後にして急斜面を登って行く。落ち葉が積もって滑り易さもあり、けっこう手強かった。とにかくゆっくりと慎重に、そして休まず登って行く。急坂を登りきったときは、ほっとする思いだった。急坂が終われば、後はごく緩やかな道だった。地図を見ると堂ヶ峰の山頂部は東西に長くなっており、西端近くに572mの標高点が記されていた。そこを最高点と思って歩いていたところ、東端に近い所に山頂標識が立っており、そこも標高572mとなっていた。ちょっと拍子抜けする思いになっての山頂到着だった。ちなみに西端近くにある地図の標高点ピークまで歩いてみたが、そちらには標識は無かった。またそこを含めて途中に展望はほとんど無かった。山頂標識の位置に戻って昼休憩とした。一帯は広く平らになっており、また樹林帯とあって木陰も多く、休むには良い所だった。下山は当初はピストン登山を予定していたのだが、福徳貴寺コースを見たことでそちらを歩くことにした。鞍部への急坂は下りとなっていっそう慎重に下ったのだが、一度滑ってしまった。パートナーも滑って斜面を数メートルずり落ちることがあった。鞍部手前で福徳貴寺の標識が現れると、福徳貴寺コースに入った。目印テープはあったが、はっきりとしたコースと言えず、方向を定めて下って行った。そのうちに登山道を追えるようになり、マイナーコースではあったがはっきりとした道となった。南西方向に下って行くと、最後は害獣避けフェンスに当たり、そのゲートを抜けると近くに福徳貴寺が見えていた。福徳貴寺からは石段を下って県道に向かった。参道には桜の木が多くあり、満開の姿が楽しめた。県道97号線に出ると後はずっと県道を歩くのだが、歩道が無いのが難点だった。そこで栗柄集落が近づくと、少し遠回りになるが集落内を通る車道に入って、そちらで東へと向かった。歩くうちに栗柄ダムが見えてきた。そのダムへと向かうように歩いて駐車地点に咽ってきたときは、福徳貴寺から40分かかっていた。
(2024/5記) |