七種山と七種槍の両方をごく簡単に楽しもうと思えば小滝林道の終点登山口から登るのが一番と言えそうで、その考えで向かったのは2019年11月の第三土曜日だった。小滝林道は悪路の印象を持っていたので、終点まで車を進めるのが無理なようであれば林道の途中から歩き始めようと考えて登山口を目指した。野外活動センターの前を過ぎいざ小滝林道に入ると、ダート道ながらけっこうスムーズに走れた。途中からは簡易舗装までされており、林道終点まで何の問題も無く走ることが出来た。小滝林道は6年ぶりだったので、この間に林道は補修されていたようだった。小滝林道終点から始まる登山道はいたって易しく尾根に出るコースで、登山口から5分も歩けばもう尾根に出た。北西に向かえば七種山で、南東に向かえば七種槍だった。七種山は2年前に登っていたので、6年ぶりとなる七種槍に先に向かった。尾根には福崎町が付けたポイント標識があり、尾根に着いた地点はA−15ポイントだった。始めはネットに沿って歩いたが、その辺りは道幅が狭くなっており、少しヤブっぽさがあった。それもネットが終わるとごく普通の山道となり以前と変わらずスムーズに歩けるようになった。A−13ポイントに着くとそこは少し展望があって、西向かいの尾根が眺められた。目立っているピークは薬師峰だった。A−12ポイントを過ぎると七種槍へと上り坂に入り、急坂を登って七種槍のピークに出た。そこは狭い範囲で開けており、展望も少しあって西に雪彦の尾根を、北東に笠形山が眺められた。山頂ではほとんど休まず、引き返す形で七種山へと向かうことにした。その下山で道なりに歩いていたところ、北西方向に向かわず南尾根に入ってしまった。そして現れたのが岩場の展望地だった。その展望が現れたことでコースを誤っていることに気付いたが、山頂で休んでいなかった分、その展望地で休憩とした。そこは薬師峰から七種山へと続く尾根が眺められただけでなく、南の方向も広く眺められて、山頂で休まずここで休んだのは正解ではと思えた。その岩場の尾根は野外活動センターから続く登山コースでもあったので、休んでいる間に登山者が3名ほど通過した。休んでいたのは30分ほど。その休憩中に考えが変わってしまった。十分に展望を楽しんだことでこの日の登山に満足してしまい、七種山に向かう気持ちが消えてしまった。そうなると下山するのみだった。七種山はいつでも登れる山でもあるので、未練は全く無く、むしろさっぱりとした気持ちで尾根を戻って行った。
(2019/12記) |