暑い季節でも比較的登り易い山として、長水山もその一つと考えているが、それは車を法師ヶ谷林道の終点まで進めて、そこから尾根を歩くコースを想定してのことだった。その尾根コースも麓に近い新池登山口から登り始めて北山経由となると話は違ってくる。そのロングコースを残暑厳しいときに登ってしまった。2019年9月の第一土曜日のことで、この日は朝から気温が高く、そこで涼を求めて播州北部を目指したところ、途中でカメラを忘れたことに気が付いた。そこであわてて自宅へと引き返したので、時間を大きくロスしてしまった。もう遠方は無理っぽいと思え、比較的近場の山を登ることに気持ちを切り替えた。そして向かったのが長水山だった。残暑厳しい季節でもあるので、登山コースとしては林道終点登山口から尾根コースを歩く一番易しいコースと考えていたのだが、宍粟市南部はやはり近く、山崎町生谷に10時を回ったばかりの時間に着いてしまった。そこでじっくりと長水山を登ろうとの考えが浮かんで、林道終点登山口からではなく麓に近い新池登山口から歩き出すことにした。法師ヶ谷林道に入るとすぐに新池登山口標識が現れたが、その辺りは車を止め難かったので林道を今少し進んだ所にあった駐車スペースに車を止めた。登山口に入って新池の土手を過ぎると斜面を登るようになったが、このコースはあまり歩かれていなようで、尾根に出るまではけっこうヤブっぽくなっていた。程なく東屋が現れるも、そこは樹木が育ったことで展望は無くなっていたが、その先で広々とした所が現れた。展望台の名が付いており、その名の通り山崎の市街地とそれを囲む山並みが一望だった。また広場には四等等三角点(点名・下三津)も置かれていた。その展望地からは尾根歩きとなった。ごく緩やかな尾根とあって易しく歩けたが、陽射しを受けることが多くあり残暑の季節にはやはり避けるべきだったと思った。しかもずっと上り坂でもなく、小さなピークを二度ほど越すのでアップダウンもあった。そして尾根のピークとなる北山が近づくとやや急坂を階段道が続いたので、北山のピークに着いたときは少々バテ気味になっていた。北山で小休止をとると、そこからは長水山へと北西に向かっての尾根歩きだった。始めに50mほどの下りがありそして400mピークへと登り返すので、またバテ気味になってしまった。そこでピークに建つ東屋に着くと昼食を兼ねてまた小休止とした。その後の尾根歩きは概ね緩やかな上り坂で、ときおり右手の木々が空いたとき、そちらに宮山を見た。また水剣山を望むこともあった。緩やかな上り坂が続いて東屋から40分ほど歩いたとき、左手から宇野コースが合流した。そこまで来ると山頂までは僅かな距離だった。いくら緩い尾根と言っても直射光を浴びたりしていたので、またまたバテ気味になっての山頂到着だった。そこで山頂の三角点を確認すると信徳寺の前に戻って休憩とした。そこは広い範囲で木陰があり、しかも涼しいばかりの風が通っていた。残暑の中でこの風にありつけるのは何とも有り難く、地表にレジャーシートを敷くとその上で横になって暫し体を休めた。一息がつけたところで山頂展望を楽しんだ。この日の視界は十分過ぎるほど澄んでおり、雪彦の尾根がくっきりと見えていた。また南の方向には瀬戸に浮かぶ島々も眺められた。以前と比べると西の方向の展望が良くなっているようで、そこに那岐連山がはっきり見えていた。ひとしきり展望を楽しむと下山に移った。再び尾根を歩いて北山の方向へと戻った。但し東屋の手前で林道登山口への近道が分かれると、そちらに入って林道登山口へと向かった。そして林道登山口に出るとそこは法師ヶ谷林道の終点位置で、後はずっと林道を歩いて駐車地点へと戻った。下山後に生谷温泉に立ち寄ったのは言うまでもない。
(2019/9記) |