鳥飼山から昼ヶ岳まで歩こうと向かったのは堂床山登山の翌日だった。その尾根は大船山の尾根とは対峙しており、その間を流れる波豆川沿いに駐車地点を求めたが、以前に訪れた大船山登山のときと同様に三田アスレチックの有料駐車場ぐらいしか空き地が無かった。そこで鳥飼山登山口に通じる林道入口まで車を走らせると、その入口近くに駐車出来そうなスペースを見たので、そこに駐車とした。林道入口には鎖が張られており、それを跨いで登山開始とした。林道は東へと上り坂になっており、ほぼ舗装路だった。その林道を峠の位置まで歩くとそこに登山口標識を見たが、それは同じ尾根上でも峠からは南に位置する高畑山、広照寺山への登山口標識だった。鳥飼山の登山口はと辺りを見ると、峠を越して少し東へと下がった位置に鳥飼山、昼ヶ岳の登山口標識を見た。登山道に入って尾根の方向へと歩くと数分で尾根に着いた。後は尾根なりに歩いて行くことになった。460mほどのピークに出てからは西へと歩き、鳥飼山が近づいて急坂となった。急坂を登りきって鳥飼山の山頂に立ったときは、登山口から27分が経っていた。その山頂からは西の大船山がすっきりと眺められた。但し見えていたのは大船山だけだった。それでは物足りないと手頃な木に登ってみると、大船山の右手もすっきりと見えて、これから向かう昼ヶ岳の尾根も望めた。別の木に登ると、前日に登った堂床山、丸山の並ぶ姿も眺められた。鳥飼山からは北へと尾根を歩くが、いわゆる道なりだった。歩く分には良い感じで歩けたが、展望は無かった。見えたとしても大船山ぐらいだった。中間点の554mピークを越して昼ヶ岳へと近づいて行くと、590mピーク(昼ヶ岳南峰)の位置で昼ヶ岳(昼ヶ岳北峰)へは北西に向かうのだが、そこを直進してしまった。そしてすぐに現れたのが反射板だった。そこが予期せず素晴らしい展望地で、北から東、南へと遮るもののない展望が広がっていた。その風景を眺めながら昼休憩とした。昼食を済ませると改めて昼ヶ岳を目指した。昼ヶ岳は少し距離があったが、反射板の位置から17分で山頂到着となった。昼ヶ岳の展望は良くないものの、鳥飼山と同様に大船山は眺められた。昼ヶ岳では気温は18℃まで上がっており、その陽気に誘われて久々に山上での昼寝を楽しんだ。尾根歩きは昼ヶ岳までとして下山に移った。昼ヶ岳からの下山コースは無かったが、西の谷筋には林道があり、そこまでは僅かな距離だった。そこで山頂を離れると林道を目指して西の斜面に入った。その斜面はけっこう適当に下れて、下るうちに支尾根を辿れるようになった。そしてごく無難に林道に下り着いた。後は林道を歩いて南へと向かうだけだった。林道を15分ほど歩くと波豆川地区最奥の家が見えてきた。その辺りから左手は畑地の風景となり、その背後にこの日歩いた尾根が見えてきた。その尾根できれいな三角錐の姿をしているのが鳥飼山だった。その鳥飼山を見ながら今少し歩くと、見覚えのある車が見えてきた。そこが駐車地点だった。後はショートカットで野道を歩いて駐車地点に近づいた。
(2021/5記) |