TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬
 
大屋富士    おおやふじ 598.2m 養父市
 
1/2.5万地図 : 大屋市場
 
【2008年6月】 2008-53(TAJI&HM)
 
    大屋町山路より  2008 / 5

 養父市の旧大屋町はぐるりと周囲を山に囲まれているが、その東に大きな壁となっているのが須留ヶ峰から御祓山へと続く尾根である。その御祓山から北西に大きな尾根が延びており、その途中が広くなだらかになっている。その尾根を旧大屋町の中心部、大屋市場側から眺めると小ぶりながら富士山の形に見え、大屋富士の名で親しまれている。ただこの大屋富士には正式な登山道のことは聞かないので、登るとなると適当に登るしかないように思われた。この大屋富士に向かったのは2008年6月に入った最初の日のこと。地図で大屋富士を見るとメリハリのある尾根は無く、富士山と同じくどの方向にも同じ程度の傾斜の尾根が延びている。そこで現地に着いてから山裾の雰囲気を見て登るコースを決めることにした。旧大屋町の中心部に入ると田植えの盛りで、田植えを終えた水田には大屋富士が写っていた。その西側から眺めたとき、北西へ延びる尾根が一番緩やかに見えた。その北西端の様子を見ようと近づくと、そこには広く空き地があり、登山道は見えなかったがすんなりと登って行けそうだった。そこで空き地の一角に車を止めて、その北西尾根を登って行くことにした。踏み跡程度の小径を伝ううちに簡単に尾根を辿れるようになった。少し登ると西面は伐採地となっており、尾根に沿って害獣避けネットが続いていた。伐採地とあって展望は良く、西の大屋川流域の風景が一望だった。その伐採地もさほど長くは続かず、尾根は樹林に包まれるようになった。木々は自然林だったり植林だったりと入り混じっていたが、枯れた木が目立った。ただ足元に下生えは少なく無難に登って行けた。30分ほど登ると林道が目前に現れた。但し林道はそこが屈曲点で、尾根からまた離れる形で延びていた。そこで林道は使わずそのまま尾根を登って行くことにした。相変わらず雑木林だったり植林だったりと、尾根の樹相は様々だった。この日は快晴で陽射しは強かったが、尾根は樹林に囲まれているため気温は20℃と手頃で、しかも湿度が低いため涼しさを感じながら登って行けた。尾根の傾斜は途中からやや急坂となってずっと続くようになった。その尾根の地肌は軟らかめの土のため少し滑り易くなっており、少々踏ん張る感じで登って行くことになった。やがて山上が近づくと、尾根の傾斜は一気に緩くなった。木立の中を適当に登っていると、作りかけの登山道に合流した。その道は右手の南側から来ており、土は掘り起こされたばかりとあって、軟らかい踏み心地だった。緩い階段状に作られていたので、いずれは木段として整備されるのではと思いながら歩いていると、突然と言った感じで登山道は終わってしまった。辺りはごくなだらかな地形になっており、自然林にすっかり覆われていた。ちょっと深い森に佇んでいる雰囲気だった。足元は落ち葉が埋め尽くしている。地図を取り出して三角点位置を確認し、そちらへと向かった。すっかり樹林に囲まれて展望とは無縁の山上だったが、新緑の森を散策している風で、雰囲気としては悪く無かった。適当に進むうちに三等三角点(点名・上山)の前に出た。そこも森のまっただ中の雰囲気だった。まだ11時を過ぎたばかりだったが、少し早めの昼休憩とした。食事をしながら頭上を見上げると、新緑の枝が視野いっぱいに広がっていた。その山頂の気温は20℃を下回っており、少し風もあって涼し過ぎるくらいだった。山頂は本当に憩うには良い所なのだが、展望はかけらもなかった。そこで一休みしたところで辺りを探ってみることにした。始めに三角点位置を中心に周囲を歩いてみたが、樹間の空いた所も見当たらなかった。そこで御祓山の方向へ少し尾根を辿ることにした。始め緩く下りがあって、その先で小さなピークを越して行った。そちらのピークの方が三角点ピークよりも若干高いようだった。尾根としてはごく緩いアップダウンだったが、アセビの茂る所もあって少し歩き難くなっていた。歩き易い所を選んで歩いて行くと、また木々が空いてきた。その尾根の途中で石積みの土台のようなものが現れた。辺りは平らになっており、少し離れて石碑が立っていた。どうやらそこに古には神社が建っていたようだった。そこまで登って来るのはけっこう厳しい道のりだったのではと思わされた。その先で左手が一気に明るくなってきた。尾根に沿って害獣避けネットが張られており、その中は若木の植林地になっていた。おかげで展望はすこぶる良く、南東から南西へと広く開けていた。山上に出て漸く展望が得られたことになる。ネットを越えて南面の伐採地に入ると、まず目に飛び込んで来たのが大杉山から須留ヶ峰へと続く尾根で、その左手には御祓山が間近に迫っていた。南西方向には足元に門野集落が見えており、そして大屋の西を限る播但尾根が一望だった。その風景を眺めながら暫しの憩いをとった。展望を得て大屋富士の位置も分かり、この日の登山を終えることにした。三角点ピークに戻り、そして登って来た尾根の方向、北西へと向かった。この下山ではそのまま北西尾根を辿らず、山頂に近い位置で出会った登山道を辿ることにした。作りかけの登山道は土が軟らかく、一歩一歩で大きな足跡が付いた。始めは北西方向だったが、西側の山肌を下り出した。一帯は植林地の急斜面だったが、そこを登山道がつづら折れ道で付いており、無理なく下って行けた。下るうちに登山道の雰囲気は作りかけの道と言うよりも植林用の作業道のような感じとなり、そのうちに伐採中の植林地に出た。伐採地とあって展望は良く、大屋町の中心部辺りが一望だった。その植林地の南端へと歩いたとき、その山道はなぜか消えてしまった。但し目前に林道が見えており、そこまで10メートルと離れていなかった。林道に下りるとそこは林道の終点位置だった。林道はそこより北へと緩やかに下り坂になっていた。どうやら朝に出会った林道のようだった。林道がどこから来ているのかに興味があって、林道を下って行くことにした。ところが林道では陽射しをまともに浴びることになり、まさに初夏の暑さで一気に気だるさを感じてしまった。尾根の涼しさが分かっていたので、そこで北西尾根に接する位置まで歩くと、林道を離れることにした。後は朝に歩いたコースを辿って下るだけだった。やはり尾根は涼しく、すんなりと駐車地点に戻り着いた。それにしても下山で歩いた登山道は林業の作業道なのか、それとも遊歩道として整備途上なのか改めて考えてみたが、どうもよく分からなかった。
(2008/6記)(2021/12改訂)
<登山日> 2008年6月1日 9:48スタート/10:15〜20林道出合/10:47作りかけの登山道に出会う/11:02〜12:40山頂(山頂付近の散策を含む)/13:06林道に下り着く/13:12林道を離れる/13:29エンド。
(天気) 雲は少なく、穏やかな晴天だった。尾根の気温は20℃。湿度は低く、樹林帯は涼しかった。自然林の広がる山頂の気温は19℃。風はほとんど無く、更に涼しかった。視界はまずまず良し。午後に入って西の空より次第に薄雲が広がって来た。それでも薄晴れとまでは行かなかった。下山の林道では陽射しを受けていると、暑さを感じた。そのときの気温は25℃まで上がっていた。
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田植えを終えたばかりの水田に大屋富士が映る  尾根の北西端にある広場に着く 尾根を登り出す 適度な歩き易さだった

 伐採地のネットに
 沿って登って行く

 ネット越しに西の
 風景を望む
伐採地を過ぎて暫く歩くと林道に出会った 尾根では枯れ木や倒木が目立った 登るほどに自然林へと変わってきた
山上に出る手前で真新しい登山道に出会った 山上に出ると地表は落ち葉に覆われていた 山頂が近づいてすっかり自然林に囲まれた
三角点は自然林のまっただ中にあった 頭上を見上げると新緑の木立が美しかった いっとき山頂周辺を散策した
山頂から西へと尾根を歩き始めると、アセビの
繁るところが現れた
尾根の途中で神社の跡に出会う 近くの石碑に
は「村社之旧趾」とあった
尾根を東へと辿って600mほどのピークに着
くと、南面が伐採地で開けていた

 伐採地の展望は素晴
 らしかった 大屋町
 を限る山並みが一望
 だった
上の写真の明延山から藤無山へと続く播但尾根を望む 明延山の下に写る門野集落を大きく見る
上の写真の藤無山を大きく見る 展望地を離れて山頂へと戻る 森は午後の光に
包まれていた
下山は山頂近くで出会った登山道を下って行く
と、急斜面の植林を下るようになった
 登山道を下って行
 くと、伐採地で終
 わってしまった
 そこからは西に大
 展望が開けていた

  左の写真の中央に
  見える大屋市民セ
  ンター辺りを大き
  く見る

 展望地からすぐ近く
 に林道が見えていた

 その林道に下りて、
 後は林道を歩いて北
 へと向かった

 林道を歩いて朝に出
 会った地点に着いた