TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
高徳山    こうとくざん 601.8m 姫路市
 
1/2.5万地図 : 寺前
 
【2015年8月】 No.2 2015-75(TAJI)
 
   明神山より  2015 / 5

 2015年5月に播州の名峰として人気の明神山に登ったが、その山頂に立ったとき、北に広がる山並みを眺めて登ってみたくなった山が二つあった。一つは高丸で、その丸みを帯びた姿に好感が持てて、さっそく一ヶ月後の6月に登ったものだった。そしてもう一つが高徳山だった。こちらも姿の良い山だったが、1998年に登ったときは山頂がすっかり植林に囲まれていたことで、印象は良くなかった。その高徳山がどうやら山頂辺りが伐採されているようで、山頂から明神山への好展望が期待出来そうだった。そこで再訪したい気持ちが起きたものだった。
 向かったのは高丸登山から2ヶ月後の8月23日のことだった。この日は快晴で、秋空と思えるばかりに澄んだ空が広がっていた。中国道の高架を潜って安富町杤原へと近づいた。初めの考えでは高徳山を北側から登ることにしていたので、北麓を流れる杤原川に沿って林道を走ったのだが、支林道が東に向かって分岐する位置まで来たとき、考えが変わった。どうも北側からのアプローチでは少し時間がかかってしまうのではと思えてきた。改めて地図を眺めて、その思いを強くした。この日は出来れば午前で登山を終えたい事情があったので、そこで急きょ高徳山を南側からのコースで登ることに変更することにした。末広地区まで戻り、南麓側を流れる中ノ谷川沿いの林道に入った。その道を東へと進んで行くが、目的地は高徳山の真南、林道が枝分かれする位置だった。もうそろそろ分岐点ではと思えたとき、荒れた林道が左手に分かれたので、そこが目的の分岐点ではと思えて、その分岐点にあった駐車スペースに車を止めた。そこより尾根を登って行く予定だったが、その尾根と平行した作業道が見えたので、それを尾根へのアプローチ道にしようと作業道に入った。暫くは歩けるだろうと思っていたのだが、作業道はすぐに終わってしまった。仕方なくそこより急斜面を登って右手の尾根に出ることにしたが、これなら尾根端から尾根を辿れば良かったようだった。尾根に出ると、緩やかな尾根登りとなった。下生えは無く木立も空いており、気楽な尾根歩きだった。その尾根が植林が主体となってくると、傾斜が増してきて、しっかりと登ることになった。このまま登れば山頂に着くと思っていたのだが、着いてみると様子が違った。三角点が無いだけでなく、東の方向がまだ高いようだった。そこで改めて地図を眺めたところ、どうやらスタート地点を勘違いして、一つ西の尾根を登ってきてしまったようだった。それでも距離にして600mほど南西の位置だったので、特に気落ちすることもなく尾根歩きを開始した。ところがその尾根がかなりの手強さだった。シダが繁茂している上に、そこに倒木もあって全くスムーズに歩けなかった。更にイバラに引っかかって後退することもあった。ただその尾根でも楽しめることがあった。それは西の方向に開けている所があったことで、水剣山から黒尾山までが一望だった。尾根筋が全く歩けなくなると、尾根を遠巻きに歩いて次のピークに近づいた。その560mピークを越すとヤブを歩くことはなくなり、無難に尾根を歩けた。高徳山の直前は急傾斜となったが、ヤブでは無かったので難儀することなく、無事に山頂到着となった。高徳山山頂は平らに開けており、西側こそ樹林が視界を遮っていたが、東側は木立が少なく、期待通りに明神山がすっきりと眺められた。そしてその左手には七種山の尾根も望めて、展望は悪くない山頂だった。その山頂には涼しげな風が渡っていたものの、直射光を受けているとさすがに暑く、木陰に入って休憩とした。一休み終えて改めて山頂を眺めると、どうも東側の尾根から山頂まで作業道が作られていた形跡があった。その跡はタケニグサなどが繁茂しており、見た目よりもけっこう歩き難くなっていた。下山はその歩き難そうな東の尾根を下ることにした。歩き難かったのは最初だけで、すぐに草ヤブは消えてスムーズに歩けるようになった。尾根を東隣の小ピークまで歩き、そこより林道を目指して尾根を離れることにした。その小ピーク辺りは鹿の食害がよく現れている所だった。シカの嫌うイワヒメワラビにタケニグサ、樹木はアセビとウリハダカエデばかりだった。尾根を離れると急斜面下りだったが、そこも草ヤブと倒木とで苦労させられた。但し下りとあってどんどん下ると、意外とあっさり林道に下り着いた。もう後はひたすら林道を歩いて駐車地点に戻るだけだった。その林道は緩やかでスムーズに歩けていたのだが、途中に水害による大きな爪痕があった。濁流が林道を削ったようで、ほとんど林道が無くなっている所もあって、車の通行は全く無理なようだった。林道が抉られた所は二カ所あり、その先は再び楽な林道歩きだった。やがて左手から別の林道が合流すると、その先で中ノ谷川沿いの林道に合流した。そこが当初予定していたスタート地点だったが、結果として周回で歩けることになったので、この日の道間違いは悪くは無かった。主林道はほぼ平坦とあって気楽なものだった。合流点から10分と歩かず駐車地点に戻って来られた。
(2015/9記)(2020/8改訂)
<登山日> 2015年8月23日 9:13スタート/9:32尾根上に出る/10:05主尾根に合流する/10:36[560m]ピーク/10:56〜11:30山頂/11:46尾根を離れる/12:03支林道に下り着く/12:37エンド。
(天気) 快晴。澄んだ青空が広がっていた。樹林帯の気温は23℃ほど。山頂もほぼ同じだった。山頂では爽やかな風があり、十分な涼しさだった。視界は良く澄んでいた。昼が近づいて南から雲が増えてきた。
<< Photo Album 2015/08/23 >>
左手に支林道が分岐する位置が現れたので、そ
こに駐車して歩き始めることにした
そばの尾根を登るつもりだったが、尾根に沿った
作業道を見たので、それをまずは歩くことにした
よく整備された作業道だった どこまで続くの
かと思っていたら
作業道はすぐに終わってしまった 右手の急斜面を登って尾根に出ることにした ひたすら踏ん張って登ると尾根が近づいてきた
尾根は緩やかな上に樹間が空いており歩き易か
った
伐採地が現れたが、近くの尾根が見えるだけだ
った
植林地となって急坂になってきた
ピークが近づいて雑草が増えてきた ピークに着いたが、そこは山頂では無く南西に
500mほど離れた470mピークだった
470mピーク一帯は倒木と雑草で雑然としてい
た そのピーク近くで北西方向への展望があった

 北西方向に見え
 ていたのは水剣
 山と黒尾山の並
 ぶ姿だった

  立つ位置を変えて
  黒尾山の右手を見
  た
上の写真に写る水剣山を大きく見る 上の写真に写る黒尾山を大きく見る 尾根は雑草と倒木で歩き難かった

 尾根を歩いている
 と、水剣山の左手
 も見えてきた


    左の写真に写る那
    岐山を大きく見る
雑草にイバラも混じって更に歩き難くなった あまりな雑草のはびこり様に進めなくなってし
まった
尾根を離れて南側から560mピークに近づく
ことにした
560mピークからは、西から南西にかけてが眺められた 左の写真に写る淡路ヶ丸を少し大きく見る
上の写真の左手には大蔵山が望めた 大蔵山を少し大きく見る 560mピークから先はスムーズな尾根歩きとなった
高徳山への登りとなって少し雑草が増えてきた 山頂が見えてきた 山頂が目前になった
高徳山の山頂に着いた 一帯の木は伐られており東から南東にかけて開けていた 三角点のそばまで歩いて来た
三等三角点(点名・末広)を見る 山頂は一部で雑草がはびこっていた 山頂に立って目に付くのは明神山の姿だった

 明神山の姿を大き
 く見る


   明神山の左手には
   七種山の尾根も眺
   められた

 七種山の尾根を少
 し大きく見る


  左の写真に写る薬
  師峰を大きく見る
明神山の右手前には高丸も見えていた 高丸を大きく見る 尾根の先を見る 雪彦山に通じる尾根だった

 下山は北東へと尾
 根を辿った


   その尾根の右手に
   見えたのは笠形山
   だった
北東隣の560mピークを目指す タラノキの花だろうか あちらこちらで咲いていた  560mピークに着いた
一帯は鹿の嫌う植物だらけだった ウリハダカ
エデも繁茂していた茂っていた
560mピークでは木立の間から水剣山と黒尾
山が眺められた
560mピークを離れると、林道を目指して南
東方向に向かって下山した
急斜面を下るようになったが、草ヤブと倒木で
けっこう歩き難かった
林道が近づいて、植林地を下るようになった 意外と早く林道に下り着いたと思った
始めは易しい林道歩きだった ヤブデマリの赤い実を見る 水害によるものか、林道は大きく抉られていた
更にひどい荒れ様の所もあった 再びスムーズに林道を歩けるようになった 左手から別の林道が合流した
中ノ谷川沿いの林道に合流した 林道を歩いていると、左手に作業小屋が建っていた  駐車地点が近づいてきた