TAJIHM の 兵庫の山めぐり <淡路 
 
諭鶴羽山    ゆづるはさん 608.0m 南あわじ市
 
点名・西ベラノ峰 508.7m
1/2.5万地図 : 諭鶴羽山
 
【2023年11月】 No.5 2023-206(TAJI&HM)
 
    《諭鶴羽山》 沼島ターミナルセンターより  2023 / 11

 以前から淡路島に寄り添う小島、沼島を歩いてみたいと考えていた。その沼島ハイキングを漸く実行に移したのは2023年11月下旬のことだったが、沼島ハイキングの前に沼島を山上から眺めようと、先に諭鶴羽山を登ることにした。そこで一泊二日の旅程で淡路島に出かけた。
 この日の淡路島南部はやや雲の多い空で、空の半分以上に雲が広がっていた。但し風は無く穏やかだった。南海岸の県道76号線を走って黒岩地区に入ると、黒岩バス停のそばに登山口標識を見た。バス停の横は駐車場になっておりトイレもあった。特に駐車に関する注意書きは無かったので、そこに車を止めることにした。目の前に防波堤があり、釣り人を10人ほど見たが、その人たちは海岸そばの路肩スペースに車を止めていた。まずは北へと谷筋の車道歩きでスタートした。海岸そばからのスタートなので、ほぼ標高分を登ることになる。10分ほど歩いて諭鶴羽古道の登山口に入った。7年前に古道コースを歩いたときは、その登山口近くに車を止めてスタートしていた。古道は始めは農作業の小径で、コンクリート舗装されていた。登るうちに周囲にミカン畑を見るようになった。そのミカン畑が終わると害獣避け柵が現れて、そのゲートを抜けた。山中の小径を歩く雰囲気となり、古道の趣となってきた。古道だけに道そばには丁石地蔵が置かれており、登山口の石仏は十四丁だった。ただ石仏は一丁ごとには置かれていないようで、目に止まったときは十二丁、十丁、七丁と飛び飛びだった。どうやら紛失もあるように思えた。丁石地蔵以外にも旧蹟を示す菊か店跡や柴折り地蔵が現れて、古道の趣に色を添えていた。その古道の周囲は常に常緑樹林帯で、いかにも瀬戸の山を歩いている雰囲気があった。ただ途中からは石ころが多くなってスムーズに歩けなくなった。長年月の間に表土が流された結果ではと推測された。歩き易くなったり歩き難くなったりを繰り返すうちに丁石は三丁となり、その先で車道に合流した。もう諭鶴羽神社は目の前だった。境内に入って本殿の前に出ると、そこからは西へと歩いて展望台に立った。以前と同様に展望台からは沼島が眺められた。後は「ゆずりは山荘」のそばから始まる裏参道に入って山頂に向かった。常緑樹のトンネルを歩く風な所もあって雰囲気は悪くなかったが、山頂までには二つの巨大な電波塔のそばを通ることがり、そこは無粋と言えた。そして神社から17分で山頂到着となった。あっけらかんと開けた山頂は以前と変わらなかったが、この日の視界はややうっすらとしており、鳴門大橋ははっきり見えなかった。大阪湾の方向も薄ぼんやりとしていた。その山頂で昼どきを過ごすと、次は東の方向にある三角点ピークを目指すことにした。諭鶴羽山とは林道で繋がっており、点名・西ベラノ峰の名に惹かれて訪れることにしたものである。諭鶴羽無線中継所まで引き返すと、林道までは僅かな距離だった。林道に出ると後はひたすら林道歩きだった。その林道を緩やかに下って行くと、諭鶴羽神社から来ている林道に合流した。そこからは北東へと歩いて行く。ほぼ舗装林道歩きだったが周囲は常緑樹林が続いており、いかにも淡路島南部の山を歩いている雰囲気があって林道歩きも悪くなかった。南側が開けることがあり、そのときは沼島が眺められて、それだけでも林道を歩く価値があると言えそうだった。途中で右手に支林道が分岐することがあり、行き先は黒岩バス停となっていた。そこは直進してあくまでも北東へと向かうと、程なく509mピークが見えてきた。気になるのは「立入禁止」の標識が立っていたことだが、別にサカキやシキミを採るのが目的ではなく、あくまでもピークハントが目的だったので、山頂を踏むことにした。その509mピークがごく近くなったとき、斜面に取り付いて尾根に上がった。尾根までは僅かな距離だった。そこから山頂までは50mほどになっており、ヤブの箇所も無くスムーズに歩けた。山頂が間近になると岩が増えてきたが、特に歩き難くなることは無かった。そのまま山頂到着となったのだが、山頂だけはシキミが繁茂しておりヤブになっていた。それでも無傷の四等三角点(点名・西ベラノ峰)に出会えたのは良かった。これで二つ目の目的も達したので下山に移った。まずは歩いて来た林道を引き返し、黒岩バス停に通じる支林道に入った。その支林道は近畿自然歩道でもあった。但し自然な道ではなく、尾根の林道と同様に舗装林道だった。地図を見ると林道は緩やかに作るためもあってジグザグ状になっていたので、ショートカットが出来そうな所は林道を離れて斜面を下った。小径が着いていたが、ほぼ荒れ道だった。支林道は尾根の林道と同様に自然林に囲まれており、やはり沼島を見ることがあった。麓が近くなると周囲にミカン畑を見るようになり、民家がぽつりぽつりと現れた。下る方向は南西方向となり、どんどん黒岩バス停辺りに近づいた。そして左手は常に海の風景で、ずっと沼島を見ることになった。もう林道は生活道路の様相となっており、下り着いた所は駐車地点のそばだった。地図では林道が複雑に入り組んでいて、てっきり黒岩バス停から少し離れた辺りに下り着くものと思っていただけに、ジャストでバス停に着いたのはうれしい誤算だった。変則ながら周回で諭鶴羽山を歩いたこの日だった。
(2023/12記)
<登山日> 2023年11月23日 10:38黒岩バス停そばの駐車場スタート/10:49諭鶴羽古道登山口/11:24柴折り地蔵/11:56〜12:00諭鶴羽神社(展望台含む)/12:17〜46山頂/12:49諭鶴羽無線中継所/13:12諭鶴羽神社からの林道に合流/13:39〜42点名・西ベラノ峰/14:10黒岩への支林道に入る/15:35駐車場エンド。
(天気) 晴れ。雲の多い空で曇り空になるときもあったが、晴れ間の広がるときもあった。午後に入ると徐々に青空が広がり、下山を終えたときはほぼ雲を見ない快晴になっていた。山頂の気温は樹林帯で16℃、陽射しの下では22℃まで上がっていた。陽射しを受けてもからっとした空気感のため、さほど暑さは感じず。風はほとんど無し。視界はややうっすらとしており、遠方ははっきりしなかった。
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灘黒岩に着いて、登山口の方向を示す標識を見た そこは黒岩バス停で、そばの駐車場に車を止めた 沼島が間近に眺められた
バス停から北を見ると、山頂の電波塔が見えていた 登山口へと車道歩きでスタートした 道そばで咲いていたのはナルトサワギクだった
諭鶴羽古道(表参道)の登山口に着いた 登山口の丁石地蔵は「十四丁」だった 登山道はコンクリート舗装されていた
害獣避けゲートを通った 「十二丁」の丁石地蔵の前を通った 周囲にミカン畑を見るようになった
曲がり角に「坊さま角」の名が付いていた まだ石垣を見たが、古道の趣がある登山道となった 周囲はすっかり常緑樹林帯だった
登山道に小石が増えてきて、歩き難くなってきた 「七丁」の丁石地蔵を見る 「菊が店跡」の前を通った」
登山道の歩き難さが続いた 「柴折り地蔵」は五丁の丁石地蔵だった 少し歩き易くなってきた
三丁の丁石地蔵は割れていた 登山道を離れて薬師堂跡に立ち寄ることにした 薬師堂跡に五輪塔を見た
登山道が緩やかになってきた 車道に合流した 合流点の地蔵は二丁だった そこは車道の終点位置で、その先は諭鶴羽神社だった

諭鶴羽神社に出る
と、そこより西へ
と歩いた

ゆずりは山荘の前
を通って展望台に
向かった
展望台の名は「天の浮橋遙拝所」だった 標高は520m 展望台に立って漸く沼島が眺められた 沼島を大きく見る
山丁への道も諭鶴羽古道で、ここからは裏参道だった 裏参道に入ると石仏が並んでいるのを見た 紅葉した木を見るようになった
頂上社、奥之院の標柱が立っていた 土道の参道となり、雰囲気が良くなった 獣害防止対策と思えるが、不思議な光景になっていた
またコンクリートの小径を歩いた 紅葉は少なかったが、鮮やかな紅葉が現れた 開けた所が現れると、電波塔が建っていた
道幅が広くなって、ゆったりと登って行く 二つ目の電波塔が現れた 山頂が見えてきた 雰囲気の良い道だった

諭鶴羽山の山頂に
着いた

以前のままに開け
た三丁だった

山頂の一等三角点
(点名・諭鶴羽山)
を見る
山頂は諭鶴羽神社の御旅所でもあった 山頂の頂上社を見る

山頂はまずまずの
展望があり、北東
方向を望むと柏原
山が望めた

但し、この日の視
界はうっすらして
おり、大阪湾は薄
ぼんやりとしてい

西から北西へと、広く眺められた
上の写真に写る鳴門大橋を大きく見る 上の写真に写る南あわじウインドファームを大きく見る
休憩を終えると、まずは往路を引き返した まずは諭鶴羽無線中継所に向かった 中継所に着くと、フェンスに沿って林道に向かった

林道に出ると、そ
こは展望があって
広く大阪湾が眺め
られた

柏原山の方向を見
ると、これから向
かう509mピー
クが望めた

その展望地の辺り
はナルトサワギク
が繁茂していた

林道歩きをスター
トした

一度南へと歩き、
再び北東に向かい
出すと、目指すピ
ークを見た
沼島を見ることがあった 諭鶴羽神社から来ている林道に合流した 合流点近くでカエデの紅葉を見た
右手に市林道が分かれた 標識を見ると黒岩バス停に通じる林道だった 山頂から1.3km、黒岩バス停まで4.9kmとあった
その諭鶴羽神社からの林道は近畿自然歩道でもあった
ごく緩やかな林道を北東へと歩く 砂利道の林道歩きだった
舗装部分もあって、気楽な林道歩きだった 蹂躙帯を抜けると、前方にピークが見えてきた それが目指す509mピークだった

海が見えると、ち
らりと沼島を見た
509mピークに
近づくと、一帯は
立入禁止になって
いた

榊や樒を取るのが
目的で無く、単に
ピークハントが目
的なので、山頂に
立つことにした
509mピークへは、緩やかな斜面に取り付いた すぐに尾根に出た 尾根は易しく歩けた 岩が現れたが、避けて歩くだけだった
509mピークに着くと、そこは樹林に囲まれていた シキミが繁茂してヤブになっている所もあった 傷一つ無い四等三角点(点名・西ベラノ峰)を見た
展望が無いため、すぐに引き返した 尾根筋を戻ると、スムーズに林道に下り着いた 林道を引き返して行く

開けた所に戻って
きた

沼島を見るだけで
なく、諭鶴羽山も
すっきりと眺めら
れた

沼島を眺めようと
少時足を止めた

辺りはナルトサワ
ギクが繁茂してい


沼島を大きく見る
黒岩地区に通じる支林道に入った 支林道は近畿自然歩道であり、「諭鶴羽山道」の名も見た ごく緩やかな舗装林道を下って行く 常緑樹林に囲まれるようになった
ショートカット出来る所は、ショートカットコースを歩いた 林道を歩いたりショートカットを歩いたりしながら、徐々に高度を下げた 害獣避けゲートが現れて通過する
林道の雰囲気は良かった 林道から沼島を見るようになった 石垣が現れた 集落は近いようだった

周囲はミカン畑と
なった

左手に沼島を見な
がら下って行く
ポツポツと民家を見るようになった 足下に、黒岩バス停の前にある防波堤が見えてきた 支林道の終点は黒岩バス停のそばだった