薬師峰へのコースとして地獄鎌尾根コースも気に入っているが、野外活動センターに近い位置から始まる東尾根コースも気に入っている。その東尾根コースを久々に登ろうと向かったのは2021年2月の第三土曜日のことだった。この日は薬師峰にそうびろ山を組み合わせて周回で歩く考えだったので、駐車地点は野外活動センターそばの七種山登山者用駐車場に止めることにした。その駐車場には数台が止まっているだけではと考えていたのだが、着いてみるとほぼ満車状態だった。どうやら七種山をグループが登っているのではと思われた。こちらは薬師峰を目指すので、遭遇することは無さそうだった。駐車場を離れて北へと車道を歩いて行くと、7分ほどで薬師峰の標識が現れて、そこから分かれる林道に入った。その林道も数分歩くだけで登山口が現れて、東尾根の登山道へと入った。この登山道は適度な傾斜があってしっかり登れることと、その雰囲気の良さで気に入っている登山道の一つだった。急坂ばかりでなく尾根の緩むこともあり、メリハリもあった。軽く汗をかきながら休まず登って行くと、登山口から50分でそうびろ山へと通じる尾根コースが左手に分かれた。その分岐点には幾つか標識があり、薬師峰山頂まで10分と書かれたものもあった。その標識通りにおおよそ10分で薬師峰山頂に到着した。山頂そばに小さな祠があり、狭い範囲で開けている山頂の佇まいは以前と変わりなかったが、北側の視界を塞いでいた木々が少し伐られたようで、北の方向の展望が良くなっていた。七種山から七種槍まですっきりと眺められた。逆に南にに見えていたそうびろ山は木々の生長で見え難くなっていた。その薬師峰の山頂で早めの昼食を済ませると、そうびろ山に向かった。登ってきた東尾根を少し引き返して分岐点から南尾根に入った。分岐点の標識には「マニヤ向き・道迷い注意」と書かれていたが、はっきりとした尾根道がある上に目印テープも点々とあり、無難に歩いて行けた。やや急坂を下って鞍部に出ると、その先は緩やかな上り坂となって490mピークに着いた。そこも分岐点で南に向かえば板坂集落または三枝草集落に出られるようだった。そこからは東の尾根に入ってそうびろ山に向かった。緩やかに下って緩やかに登り返す。相変わらず無理なく歩けて、そうびろ山山頂に到着となった。そこに四等三角点(点名・そうびろ山)を見た。少し雑然とした山頂だったが、北に堂々とした姿の薬師峰が見えていた。そこからは北東尾根を下って田口大池のそばに出る考えだった。少々ヤブコギをしながら適当に下ることになると思っていたのだが、その北東尾根にも細々とながら尾根道があり、目印テープも付いていた。一部で急坂があったが、そこはロープが張られていた。麓が近づいたとき、そのまま進めばヤブコギになるとの注意書きが現れたので、それに従って右手の方向に逸れるようにして下って行くと、ごくスムーズに田口大池のそばに出た。そこから駐車地点までは僅かな距離だった。
(2021/3記) |