薬師峰は短時間でしっかり登れる山として認識しており、冬場にこそ登りたいと考えていた。それは2025年の新年登山として明神山を登ったとき、山頂から薬師峰の鋭い姿をを眺めてよりその思いを強くした。向かったのは明神山登山から五日後の1月7日のこと。この日は播州全域で晴れと予想されていたのだが、福崎町に入って北を眺めると、神河町辺りは雪雲の空になっていた。ただ福崎町は青空だったので、薬師峰は晴れの領域ではと思われた。七種山への車道を進み、野外センターそばの七種山登山者用駐車場に車を止めた。他に車は無かった。始めに車道を北へと進んで民家の前を通ると、程なく左手に林道が分岐した。分岐点には薬師峰の標識が立っていた。林道に入ると、すぐに登山口が現れた。登山道はやや急坂で始まった。周囲は植林地だったが、すぐに雑木林に変わってきた。登山道周囲の灌木は少し伐られたようで、登山道はすっきりしている印象を受けた。ときおり傾斜は緩むものの基本的には急坂で続いた。冬場に登るため軽く汗をかく程度で登って行けた。期待通りにしっかり登る感があって悪く無かった。中腹を過ぎると右手に展望が現れて七種山がすっきりと眺められた。そこは滝見台となっていたが、七種の滝はよく分からなかった。中腹を過ぎても急坂は続き、むしろ登るほどに斜度は増してきた。ロープを掴んで登ることもあった。山頂まで10分の標識が現れると、一度小さなピークを越してその先でまた急坂だった。再びロープを掴んでの登りとなり、最後までしっかり登る感があった。山頂に着いたときは、登山口から56分が経っていた。山頂より一段低い位置に石仏が祀られた祠があり、その風景は以前のままだったが、山頂に立つと様子が変わっていた。山頂は北側の木が伐られたようで、以前よりもずっと展望が良くなっていた。すっきりと七種山と七種槍の並ぶ姿が眺められた。遠くは雪彦連山や笠形山も望めた。その山頂に立ったときは明るく七種山が眺められたのだが、すぐに北から雪雲が流れてきて七種山は陰ってしまった。程なく雲は薬師峰の上空にも広がって小雪が舞うようになった。気温は3℃まで下がってきた。雪雲なので青空が再び現れるのを待つことにした。待つこと30分。北の空に青空が現れてまた明るい七種山が眺められるようになった。冬によくある天気の移り変わりだった。薬師峰も明るくなってきたのをしおに下山を開始した。下山は往路を戻るのみ。急坂ながら雰囲気の良い尾根を歩くのは気持ち良かった。ただ滑らないようには心がけて、ゆっくりと登山道を下った。登山口に戻ってくると、上空は再び青空の広がる空に戻っていた。
(2025/2記) |