TAJIHM の 兵庫の山めぐり <丹波
 
岩尾峰    いわおみね 630m 丹波篠山市
京丹波町(京都府)
雨石山    あまいしやま 611m 丹波篠山市
京丹波町(京都府)
毘沙門山   びしゃもんさん 580m 丹波篠山市
 
1/2.5万地図 : 村雲
 
【2016年4月】 2016-34(TAJI&HM)
 
   小倉集落より  2016 / 4

 地質の関係か丹波の山にはヒカゲツツジが多いようで、花のシーズンには多くの人が訪れて、その秘めやかな美しさを楽しんでいる。そのヒカゲツツジが咲く山の代表は向山だろうが、比較的静かな山では毘沙門山ではと思われた。その毘沙門山で満開のヒカゲツツジを楽しもうと向かったのは2016年4月中旬のことだった。
 丹波の空は晴れてはいるものの薄晴れとも呼べそうな白っぽい空で、青い空の下でヒカゲツツジを見たいとの願いは少々殺がれたようだった。この日予定していたコースは毘沙門山南麓の小原自然公園を起点とするもので、毘沙門山から雨石山へと歩いて、595mピークの先で鞍部に下りると、そこからは小倉集落に向かって下山する考えだった。595mピークの先にも櫃ヶ嶽があって、ついでに登られることが多いようだったが、それではヒカゲツツジの印象が薄れそうに思えたので、櫃ヶ嶽まで歩くことは止めることにした。小原自然公園に着いたのは10時過ぎ。公園には10台分ほどの駐車スペースがあり、まだ数台分の余裕があった。公園にあった案内図を見て、まずは公園の道を東へと歩いた。6分ほど歩くと、一ノ滝の前に出た。その滝を眺めてから、そこから始まる登山道に入った。少し荒れた登山道で目印も少なかったが、谷筋を適当に登るうちに谷筋から分かれた小径に入った。もうはっきりとした登山道で、尾根を登るようになると程なく毘沙門洞への小径が分かれた。別に急いで登ることもないので、毘沙門洞に寄り道することにした。トラバースする感じで緩やかに登って行くと、意外と大きな洞が現れた。中は薄暗かったが、目が慣れると小さな祠が眺められた。引き返して尾根の登りを続ける。ちらほらとミツバツツジを見るものの、ヒカゲツツジは見られなかった。別の尾根と合流して北東へ向かい出しても、状況は変わらなかった。展望も無かったので、ちょっと平凡な尾根ではと思えた。岩が目に付いて、そこを過ぎると580mほどの小さなピークを通過することになったが、そこに毘沙門山の標識を見た。「兵庫丹波の山」等の資料ではその先の630mピークを毘沙門山としていたので、少し訝しく思った。単なる通過点の雰囲気だったが、その辺りからちらほらヒカゲツツジを見るようになった。ちょうど見頃で、淡い黄色い花は上品さがあった。緩く下って現れたのが送電塔(丹後幹線甲64番)だった。そこは南に向かって展望があったが、送電塔の背後に岩場があり、そこに上がってみることにした。その岩場が思っていた以上に展望が良く、南だけでなく北にも展望があり、一休みするには良い所だった。またその周囲もけっこうヒカゲツツジが咲いており、目を楽しませてくれた。その送電塔を離れると益々ヒカゲツツジは増えて、ヒカゲツツジの花回廊と言った感じになってきた。この季節ならではの味わいを満喫しながら尾根を歩いた。次のピークが630mピークで、そのどっしりとした姿は尾根からも目に付いた。ヒカゲツツジを愛でながら尾根を歩いていくとまた鉄塔(丹後幹線乙64番)が現れた。登るほどにヒカゲツツジが増えるだけでなく、展望も素晴らしくなり暫し足を止めた。630ピークに着くと、そこに山名標識があり、岩尾峰の名が書かれていた。また丁寧にもそこは毘沙門山では無く、手前のピークが毘沙門山であることまで書かれていた。どうやら本などに書かれていた毘沙門山を訂正したく、地元の人がこの標識を作ったものと思われた。その岩尾峰でヒカゲツツジに囲まれながら昼どきを過ごした。岩尾峰を離れてもヒカゲツツジと展望の尾根歩きは続いたが、次の雨石山が近づくと、ヒカゲツツジはぱたりと見られなくなった。辺りはなだらかな地形で、そのなだらかな中のピークが雨石山だった。展望は無く、名前が付くほどのピークとは思われなかった。どうもここまで歩いてきて、尾根を代表するのは姿から言っても岩尾峰のようだった。もう後は流す感じで歩いて、次の595mピークを越すと次のピークとの間にある鞍部へと急坂を下った。ときおり前方に端正な櫃ヶ嶽が木々の間から眺められた。鞍部に下り着くと櫃ヶ嶽には向かわず、予定通りそこで尾根歩きを終了とした。長々と沢筋を歩くと小倉集落に出て、その先は西へと歩いて小さな峠を越すと、小原集落の外れに出た。そこと駐車地点との間には尾根が遮っていたので、更に西へと歩いて藤坂川に出た。川沿いの小径を北上して小原自然公園に通じる車道に出ると、そこから駐車地点までは5分の距離だった。
(2016/5記)
<登山日> 2016年4月16日 10:03小原自然公園駐車場スタート/10:22毘沙門洞/10:53毘沙門山/10:58〜11:24甲64番鉄塔/11:49〜12:19岩尾峰/12:29雨石山/12:57[595m]ピーク/13:14鞍部/13:56小倉集落に出る/14:23小原集落に出る/14:28向ィ谷橋/14:37エンド。
(天気) 薄晴れの空で、青空は見られるもごく薄かった。尾根の気温は18℃で、風はほとんど無し。岩尾峰まで来ると、少し青空が広がっていた。視界はまずまず良かった。昼を回ると気温は25℃に迫るまで上がってきた。麓に下りてくると、空の青さは午前よりも濃くなっていた。
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小原自然公園をスタート地点とした 公園の案内マップは古くてよく分からなかった 広い道を東へと歩いた
6分ほど歩いて現れたのが一ノ滝だった 滝の近くから登山道が始まっていた 鳥居を潜る 毘沙門天の額が架かっていた
登山道は谷筋に続いていたが、はっきりしない
所もあった
周囲は岩場も見られて厳しい雰囲気だった 谷筋を5分ほど登ると、左手の斜面に登山道が
分かれた
尾根筋を歩くようになった ミツバツツジを見かけるようになった 毘沙門洞への道が分岐したので寄り道すること
にした
毘沙門洞への道は緩やかな上りだった 数分も歩けば毘沙門洞が間近になった 毘沙門洞の前に立つ
薄暗い洞の中に祭壇が作られていた コースに戻って尾根歩きを続ける 鮮やかに咲くミツバツツジを見る
ミツバツツジは点々と見るもヒカゲツツジは見
なかった
 尾根が緩やかになった 別の尾根と合流して北東に向かった

 最初のピークとな
 る580mピークが
 近づくと、二つの
 岩が並んでいた

 その先の580m
 ピークは単なる通
 過点と思っていた
 が、そこが毘沙門
 山のようだった
580mピークに毘沙門山の山名標識を見る 毘沙門山のピークの辺りよりようやくヒカゲツ
ツジを見るようになった
毘沙門山を離れると、送電塔(丹後幹線甲64
番)が間近に現れた
送電塔の背後が岩場になっており、上がってみた 岩場は予想以上の好展望地だった 先ほど通過した毘沙門山が鋭い姿で眺められた
立つ位置を変えると、西から北にかけてがすっきりと眺められた 左の写真に写る鹿倉山を少し大きく見る

 南の方向も送電塔が
 邪魔になりながらも
 良く見えていた


   岩場の周りでもヒカゲ
   ツツジが良く咲いてい
   た

 次に向かう630m
 ピーク(岩尾峰)を
 東に見る
   

 630mピークに向
 かって送電塔を離
 れた

 点々とヒカゲツツジ
 を見ながらだった
岩場を越す アセビの花も見かけた 易しく登れる所もあった
また送電塔が現れた 丹後幹線乙64番だった 休まず630mピークを目指した 登るほどにヒカゲツツジが増えてきた
胸のすく展望地が現れた 南から西にかけてが遮るものも無く眺められた

 上の写真に写る深山
 を大きく見る


    同じく弥十郎ヶ嶽
    を大きく見る
同じく三国ヶ嶽を大きく見る 630mピーク(岩尾峰)が間近になってきた
ヒカゲツツジが花回廊となってきた 覆い被さるようにして咲いていた ヒカゲツツジを間近に眺めた

 振り返るとヒカゲツ
 ツジと共に八ヶ尾山
 が眺められた

 630mピークが間
 近になって登山道の
 傾斜が緩んできた

 630mピークに到
 着となった


   山頂の標識を見ると
   630mピークは岩
   尾峰とされていた

 岩尾峰も展望は良か
 った 西に八ヶ尾山
 を見る


  八ヶ尾山を良く見る
  と三嶽の山頂がちら
  りと見えていた

 山頂からは北摂の
 山並みが一望だっ
 た

 南西には白髪岳
 も梢越しに望ま
 れた

 白髪岳と松尾山
 を少し大きく見
 る
東の方向には櫃ヶ嶽が見えていた 岩尾峰もヒカゲツツジに包まれていた 岩尾峰を後にする ヒカゲツツジが花盛りは続いた
岩場が現れると、そこはこの日一番と思われる展望地だった
下るうちに植林地となった ヒカゲツツジは見
られなくなった
ミヤマシキミが花を付けていた 鞍部を過ぎて雨石山への上りが始まった 緩や
かな易しい道だった

 緩やかな道は雨
 石山の山頂まで
 続いた






 雨石山の山頂に
 着いた 樹林に
 囲まれており展
 望は無かった
休まず、次の595mピークに向かった 前方に595mピークが見えてきた 鹿の嫌うウリハダカエデが繁茂していた
ヒカゲツツジは見なくなったが、ミツバツツジ
はときおり見かけた
ずっと緩やかな道が続いて、595mピークへ
の上りもごく易しかった
辺りは緩やかな地形であり、落ち葉もあってコース
が分かり難かった 目印テープを頼りに歩いた
一番高い地点を595mピークと思うしかなか
った
いつしか下り坂に入った 木々を通して前方に東向かいの尾根が眺められた
すっきりとした三角錐の姿は櫃ヶ嶽のようだった 急坂の下りが続くようになった たくさんのギンリョウソウを見かけた
峠が近づいて、ようやく傾斜が緩んできた 峠に着くと、谷筋を南へと歩いた 谷筋を歩くうちに、小径がはっきりしてきた
新緑を愛でながら歩いた 登山道は、道幅が広くなってきた 沢に沿って歩いた
いつのまにか空の色は青さが増していた 集落のエリアに入るとき、害獣避けゲートが現
れた
小倉集落が見えてきた
真っ直ぐ歩いてしまいそうになったが、右手に
見えた山裾道を歩くことにした
山裾道をのどかな気分で歩いた 穴に入れられた石仏を見かけた

 小倉集落の中心部
 に近づいた


   集落内を歩いてい
   るとこの日に歩い
   た尾根が眺められ
   た
小さな社が現れた 社の先で峠を目指して西へと歩いた ゲートを通って峠越えの小径に入った
峠を目指して小径を歩いた 峠を越えた 道そばで咲いていたのはヤマブキだった
下りに入ると、程なく民家が見えてきた 集落を抜けて藤坂川へと向かった 藤坂川に架かる向ィ谷橋を渡った
藤坂川に沿った未舗装路を北へと歩いた 次の橋(毘沙門橋)を渡って小原自然公園に向
かった
小原自然公園が近づいてきた 澄んだ青空だった