再訪は、2003年11月初めの日曜日。前日に但馬の山深い所でハードな登山をしていたので、軽く登れる山はと言うことで、室尾山を訪れることにしたものである。前回と同じく自然体験学習館前から歩き始めた。この4年の間にやはり登山道は整備されており、標識も随所に付けられて、地図など全く要らないくらいである。標識に従って歩いて行くと、薄暗い植林地のやや急な山肌を登ることになったが、そこを抜けた所が送電塔(No.68)の建つ位置であった。ここはやはり素晴らしい展望地だった。この日はモヤがやや強く、遠方の生野高原や氷ノ山こそモヤに溶け込んでいたが、粟鹿山から朝来山、大倉部山など但馬南部の山々が広く眺められた。ここから先は知った道。踏み心地の良い尾根道を歩いて気軽に山頂に立った。この日は3連休の日曜日であり、しかも好日なので、にぎやかな山頂を想像していたのに、そこには誰も居らずひっそりとしていた。そのほうが有りがたいので、落ち着きのある山頂でのんびりと憩うことが出来た。ただ想像していたより山頂の展望は悪かった。西から北にかけてこそ開けていたが、床尾山の方向は雑木が繁って今一つ良くなかった。展望は悪いと知りながらも、山頂を少し東へと歩いてみたが、やはり同じで、西床尾山の山頂部が少し覗けるだけだった。ところでこの山稜を歩いて気が付いたが、クマザサがほとんど枯れようとしていた。4年前は歩き難かったはずなのに、無理なく歩いて行けた。兵庫の他の山でもクマザサの枯れが目に付くが、温暖化などと関係が有るのか、少々考えさせられてしまった。ただ枯れていたおかげで鹿のツノを一つ見つけることが出来たが。
(2005/10記)(2012/6改訂)(2020/7記) |