2020年2月の建国記念の日は、朝から快晴だった。その明るい空の下で波賀町南部の山を登ろうと向かったのだが、宍粟市に入って分かったことは、少し標高のある山はどの山も雪を纏って白くなっていたことだった。少しぐらいの雪は覚悟していたが、意外と多いと思った。冬山装備の準備をしていなかったため北部へと向かうのは諦めて、ちょうど一宮町の中心部まで来ていたこともあり、近くの花咲山を登ることにした。少し離れて見える岩谷山は白くなっていたが、花咲山の雪は少なそうだった。花咲山は10年ぶりとなるが、おおよそのコースは覚えており、尾根は易しいので多少雪があっても山頂に立てそうだった。閏賀口交差点でセンター一宮への道に入り、建物の奥へと進むと広い駐車場が現れた。その駐車場の北端が花咲山の登山口だった。前回は周回で歩いたが、突然の思い付きでもあり、この日は山頂までをピストンすることにした。始めは植林地の広がる西斜面の登りだった。登山コースには赤テープが点々とあり、ときおり標識も現れて迷うこともなく登って行けた。斜面をジグザグに登るようになると、登山道の一部に小石や小さな岩が多くあって少々歩き難くなってきた。それも尾根が近づくと、ごく普通の山道を登る感じとなった。西斜面とあって陽射しはほぼ無く寒々とした中を登って行く。大きな岩の前に出ると、それが磐座で、小さな祠がその前に置かれていた。その磐座を巻くようにして登って南尾根に出た。そこまで雪は見なかった。尾根歩きに移ると植林地も少しあったが、概ね雑木林の中を登って行く。陽射しを受けるようになり、暖かさを感じながら登った。その南尾根を登るようになって少し登った辺りから雪を見るようになった。始めはちらほらだったが、少しずつ登山道を隠すようになってきた。その尾根歩きに移って中腹辺りまで来たとき、二つの無線塔が現れた。そこは少し展望があって、白くなった黒尾山が眺められた。その先で雪は少し増えて尾根をすっかり隠すようになったが、積雪としては5センチ程度だった。ただ雪が増えたことで木に付いていた雪が溶けて雨垂れとなって落ちてきた。ちょっとした小雨の中を歩いている感になる所もあった。NHKのFM無線中継放送所の前を通った頃には、すっかりスノーハイキングの雰囲気だった。その放送所より一登りして山頂に着いた。山頂に建つ大きな電波塔は兵庫県嵯峨山中継所だった。山頂は陽当たりが良いとあって最高点には雪は無かったが、少し離れると5〜10センチの雪を見た。展望は木々の生長で以前よりも悪くなっていたが、東に白い暁晴山を、南には白倉山の尾根が眺められた。山頂では今少し東へと歩いて展望を求めてみたが、木々の隙間からちらりと三室山を見ただけだった。時間はまだ11時を過ぎたところだったので、山頂では昼食をとらず下山に移った。登ってきた尾根を戻って行く。雪の下り坂は滑り易いため慎重に下った。そして二つの無線塔が建つ位置まで下りてきたとき、そこで昼食とした。後は再び尾根歩きを続けると12時半には駐車場に戻ってきた。休憩を入れても2時間半ほどのハイキングだった。
(2020/2記) |