TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編
 
宮山    みややま 645.8m
  No.3
点名・毛利  けどり 581.1m
  No.2
 
1/2.5万地図 : 山崎 宍粟市山崎町
 
【2008年12月】 2008-117(TAJI&HM)
 
    《宮山》 さつき大橋の近くより  2008 / 12 《点名・毛利》 梯集落より  2008 / 12

 2008年9月に宍粟市山崎町梯集落にごく近い三角点ピーク(点名・毛利)を気まぐれで登ったが、その山頂近くの岩場がちょっと面白く思えた。その日はガスのかかるあいにくの天気で展望は楽しめなかったが、展望も良さそうだった。そこで天気の良い日に再度登って、改めて山頂展望を楽しみたいと考えていた。その三ヵ月後の12月に入ったとき、最初の週末は兵庫の中部以北で荒天が予想された。北部は雪のようだった。そこでぎりぎり晴れの地域で山歩きを楽しむことにした。そして思い浮かんだのがこの点名・毛利のある581mピークだった。その581mピークだけでは少し時間が短すぎるので、そのまま北へと尾根歩きを楽しもうとも考えた。
 出かけたのは6日の土曜日。姫路の空は快晴で、北の空もすっきりとしていそうに見えた。それは安富町までのことで、宍粟市に入ると、その北の空はすっかり曇り空になっていた。どうもこれから登る581mピーク辺りが天気の境目のようだった。前回と同様に梯集落の奥、梯林道の起点にある狭い駐車スペースに車を止める。上空は半分ほど雪雲が占めていた。「山崎」の地図には581mピークと宮山との暗部まで梯集落から破線路が付いている。それを歩いて尾根に出ようと梯集落内に入って行くと、それらしき小径が見えたので、尾根の方向へとその小径に入った。ところが山すそに取り付く辺りで消えてしまった。どうも地図の小径では無かったようだった。一度戻って新たに探そうかと考えたが、小さな山なので前回と同様に山頂を目指して適当に登って行くことにした。始めは植林地の歩き易い所を選びながら登って行く。そのうちに小さな尾根を登るようになり、尾根の木立は雑木林へと変わってきた。そして登るほどに斜度が増してきた。何のことはない。前回と同じルートを登っているようだった。急斜面を登りきって山頂から南西に延びる尾根上に出た。その先で岩場が始まった。この小ぶりな山で岩に手をかけながらしっかり登れる所があるのが面白かった。ただ岩場登りを始めた頃より北から雪雲が流れてきた。小雪もちらつき出して、視界がうっすらとしてきた。これでは前回の二の舞になるのではと心配しながら岩場を登っていると、小雪は一時的だったようで、山頂手前にある岩場の展望地に着くと、雪は止んで視界もはっきりしてきた。そして現れたのが長水山の姿だった。長水山は端正な山だが、その岩場から見る姿も鋭さがあって悪くなかった。他にも西向かいの水剣山に通じる尾根が大きく対峙していた。581mピークの山頂はごく狭い山頂で、そこに三角点を見た後は、すぐそばに建つ送電塔へと向かった。そこからは東に展望が開けていたが、そのとき雪雲が流れてきて、半分ほどは雪雲に閉ざされてしまった。そして雪雲のかからない南東方向に、明神山がこじんまりと見えていた。また南には僅かに瀬戸内海が覗いていた。その送電塔の位置から北へと尾根を歩いて行く予定だったのだが、どうも北の空は雪雲がしっかり座って動きそうに無かった。そこで北へと歩くことは諦めて、南に見えている宮山までを縦走することにした。地図を改めて眺めると、急傾斜も無く尾根はいたって緩やかに山頂まで続いている。送電塔を離れると、581mピークの東側を巻くように尾根を下った。始めに巡視路を歩き、途中からは植林地になっていた急斜面を適当に下ると、程なく尾根に下り着いた。もう尾根なりに南へと歩いて行くだけだった。尾根は雑木林になっており、また地図の通りに緩やかなので歩くのは楽だった。ときおり西に展望が開けて、そこからも長水山が眺められた。ただ尾根では北からの風を強く受けることになり、身を切られるような冷たさがあった。特に北から雪雲が流れてきたときの冷たさは格別で、気温は0℃まで下がることもあった。そして晴れ間が広がると4℃ほどに上がり、陽射しを受けるとほのかに暖かかった。その陽射しのあるときに尾根の途中だったが、軽い昼休憩をとった。その後も尾根歩きが続いたが、少し潅木の茂るところでもスムーズに歩けるので、よく見ると潅木の小枝が切られているのが分かった。少し歩き易いように整備されたのかも知れなかった。宮山への登りにかかっても歩き易さは続いて、その傾斜もさほど気にせず登って行けた。山頂が間近になったとき尾根の南面に陽だまりがあり、そこからは瀬戸内までの展望があったが、まずは山頂へと止まらずに進んだ。その先に金剛岩と名付けられた大きな岩があり、そしてそこより100メートルと歩かず山頂だった。その山頂は宍粟50山に選ばれたことで山名標識こそ立っていたが、その佇まいは以前と変わらず平凡なものだった。周囲は植林が囲んでおり、その植林の空いたところから暁晴山や雪彦山の尾根が申し訳程度に眺められるだけだった。そこで少し戻って先ほど見た陽だまりの展望地で一休みすることにした。そこは陽射しが当たっているだけで無く、南斜面とあって冷たい北風は遮られており、絶好の日向ぼっこ場所だった。足元には山崎町の市街地が見えており、その先は瀬戸内海まで遮るものは無かった。また南西には播磨丘陵の低山群が広がっている。その中に光っているものが見えるので、目をこらすとスプリング8だった。この後は下山に向かうのだが、朝に辿れなかった地図の破線路で下ってみようと考えた。そこで581mピークとの鞍部まで戻って行く。登りで易しかった道は下りでは更に易しく、このコースは宮山登山のコースとして悪くないと思えた。尾根の鞍部にい着いて辺りを見ると、宮山に向かっているときは気付かなかった小径が梯集落側に向かっているのが見えた。それが地図の破線路のようだった。道は落ち葉に覆われており、その様子からほとんど歩かれていないように思われた。下り出すと特に悪路と思えることも無く下って行けた。途中で道の切れている所が現れたが、道が少し崩壊しているだけで、その先に小径は続いていた。終始薄暗い樹林の中を下って行く。道が緩やかになると植林地に入った。そこは枝道もあって少し分かりにくくなっていたが、そこを抜けると小さな沢沿いを下るようになり、梯集落の道に抜け出した。そこは朝に歩き始めた小径よりも僅かに南へ離れた位置だった。「山崎」の地図では破線路は尾根を越えて与位集落まで通じているので、その道が確かめられれば、宮山を与位集落を起点とした周回コースで楽しめるのではと思えた。また足を延せば581mピークも楽しめる。次に宮山を登るときは、与位集落側からそのアイデアで挑もうと考えながら駐車地点へと戻って行った。
(2008/12記)(2012/8改訂)(2021/3改訂2)
<登山日> 2008年12月6日 9:14スタート/10:22〜48[581m]ピーク/11:05尾根に下り着く/11:22〜32尾根の途中で昼食/11:46[474m]ピーク/12:30〜36宮山/12:40〜13:04山頂近くの陽だまりで休憩/13:40〜43[474m]ピーク/13:53尾根の鞍部/14:21車道に出る/14:25エンド。
(天気) 581mピークの上空を境のように南は快晴、北は雪雲が広がっていた。そのため上空は少し雲の多い空で、雪雲が流れてきて小雪の舞うこともあれば、明るい陽射しを受けることもあった。この冬一番の冷え込みで、山上の気温は2℃ほど。北風が冷たかった。寒気が流れてきたときは0℃まで下がることもあり、風の冷たさは更に増した。但し風の来ない陽だまりでは10℃以上と思える暖かさがあった。視界は良く澄んでいた。
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梯林道の起点に近い位置より歩き始めた 地図の破線路を歩けず適当に登ることになった 程なく植林地の急斜面を登るようになる
     
カエデの落ち葉が積もっていた 南西尾根に出た 581mピークの手前は岩尾根となる
    

 岩尾根を登りきっ
 てパートナーを待
 った

   岩尾根の展望地よ
   り西向かいの尾根
   を眺めた
      

 岩尾根の展望地
 より南の風景を
 見る

   左の写真の長水
   山を大きく見る
     
上の写真の右下に見える梯集落を大きく見る 山頂の三角点(点名・毛利)を見る 山頂から北を見ると空は荒れ模様だった
    

 山頂そばの送電
 塔が建つ位置に
 寄ってみた

 ちょうど北から
 雪雲が流れてき
 た

雪雲を通して南の
方向を見ると、瀬
戸の島が眺められ

    
   
山頂を離れて宮山方向へと向かう 始めは巡視
路を歩いた
尾根に向かうため、巡視路を離れて適当に下った
尾根が近づくと、辺りは植林地になっていた
尾根は無理なく歩いて行けた
   
粉雪の舞う中、前方に宮山を見る 落ち葉の散り敷いた所を歩く 474mピークを過ぎる
     

 尾根より南西に
 長水山の山頂部
 を見る

 尾根より北西に
 水剣山を見る
    
宮山への登りにかかる 歩き易い尾根だった 山頂部が近づいてきた 山頂の手前のピークで金剛岩に出会う
         
山頂が目前になった 宮山山頂は以前のまま植林に囲まれていた 山頂の植林の隙間より、東に黒滝を見る
    
金剛岩のそばに戻ったとき北に黒尾山を見る 山頂より少し北に戻った陽だまりで休憩とした だまりは展望も良く、山崎市街が一望だった
   

 上の写真に見える
 山並みを大きく見
 る
    

 光る瀬戸の海を
 見る

   大倉山を大きく見
   る
    

 南西遠くきらり
 と光っていたの
 はスプリング8
 だった

   左の写真のスプリ
   ング8を大きく見
   る
    

 登ってきた尾根を
 引き返す

 午前に登った581
 mピークを尾根の先
 に見る
   

 東の方向に開けた
 所があった

 尾根の途中より北西
 に暁晴山を見る
   
尾根は581mピークとの鞍部まで引き返す予
定だった 相変わらず歩き易い尾根だった
鞍部まで戻って来たとき、注意して見ると梯集
落への小径(地図の破線路)が始まっていた
梯集落への小径に入る あまり歩かれていない
ように見えた
    
一部で小径が崩壊していた 下るうちに歩き易くなった ふもとが近づいて植林の中を歩く
   
沢沿いを下るようになり、道そばに石垣が現れ
コンクリートの道を歩く 集落の道に出たとき、歩いて来た方向を振り返
った