TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
宮山 (雄棲山) 645.8m 宍粟市(山崎町)
みややま
1/2.5万地図 : 山崎
 
【2012年7月】 No.4 2012-66(TAJI&HM)
 
    さつき大橋のそばより  2012 / 7

 宍粟の山に年々山ヒルの棲息数が増加していることを実感したのは、2012年7月のこの宮山登山だった。天気は曇り。その日は宍粟市北部の山を目指していたのだが、どうも雲は低いようで、高い山はガスに隠されているようだった。そこで目的を変更することにした。宍粟市の南部の山で考えたとき、手頃な山として山崎町五十波の北に佇む宮山を思い付いた。この宮山への登山コースとしては五十波地区の野口神社コースと与位地区、田井地区からの「よいたいコース」が一般的で、どちらからも登っていたが、五十波地区からのコースは、コースとして整備されていなかった頃に登っていたので、正しいコースを一度登ってみたいと考えていた。そこでコースは五十波地区からのコースを登ろうと、すんなり決まった。登山道の起点は五十波集落の一番高い位置にある野口神社である。集落には田井地区から林道が繋がっているが、その林道が集落の道に合流する少し手前に駐車とした。歩き始める前に、山ヒル対策としてスパッツを付けることにいた。靴の中に山ヒルが入るのを防ぐためだが、過去の経験から、完全ではないにしても少しは効果があってのことだった。集落の道に入ると、急坂で野口神社に近づいた。そして神社の手前に登山口の標注を見た。神社には立ち寄らず、そこから始まる登山道を歩き始めた。歩くうちに数匹ぐらいは現れると見ていた山ヒルだが、10メートルと歩かないうちに、もう靴に2匹が付いていた。辺りは薄暗くじめじめとしており、山ヒルの棲息には適していそうだった。足早に通り過ぎるしかないと歩を進めて再び足元を見ると、もう5匹ほどになっていた。仕方なく引き剥がすが、パートナーも同様だった。予想していたよりも山ヒルはずっと多そうだった。もうその先は少し歩いてはひっついた山ヒルを引き剥がす作業を繰り返した。この野口神社からのコースは途中で一般コースと急勾配コースが分かれるが、往路は急勾配コースを登ることにした。細々とした登山道だったが、目印テープも付いていたので、コースを逸れることは無かった。ただ木に掴まって登ることが多く、また足下には落ち葉が積もって滑り易かった。その急坂でも暫くは山ヒルに注意が必要だったが、登るうちに取り付かれることは減ってきた。それでも止まると引っ付かれそうに思えて、出来るだけ休まず登ることにした。気温はさほど高くは無かったものの湿度は高く、汗まみれになって登って行った。どうしても一息入れたくなったときは立ち休憩だった。どうも山ヒルに悩まされて登るのは嫌なものだった。ほとんど休みをとらずに蒸し暑さの中を登ったので、一般コースに合流したときはよれよれ状態だった。合流点からは尾根を歩くようになり、傾斜は一気に緩やかになった。漸くハイキングをしている気分になれた。周囲を眺める余裕も出てきたが、宮山は展望の悪い山なので、展望の無いまま山頂へと近づいた。山頂に着いたのは11時前のこと。野口神社からおおよそ70分だった。ちょうど陽射しが現れていたので、木陰を探して休もうとしたところ、今度はアブが攻撃してきた。更にスズメバチも現れたので、少しの間、右往左往してしまった。それも収まったところで漸く一休みとした。ときおりアブが飛んでくるので、雨具を着て刺されることを防いだ。山頂は涼しい風があったので、雨具を着ていてもさほど暑さを感じなかったのは助かった。涼しさついでに、少しばかり昼寝も楽しんだ。展望の悪い山頂だったが、北西方向に尾根なりに100メートルほど歩くと金剛岩があるが、その近くからは揖保川流域が眺められた。但し、この日はモヤの強い視界で、風景は薄ぼんやりとしていた。山頂では一時間ばかり過ごして下山とする。下山は野口神社へと戻るのだが、一般コースを下ることにした。このコースは急勾配コースと違って緩やかに下って行けるものと思っていると、緩やかなのは最初だけで、途中からはけっこうな急坂となった。但し、こちらにはロープが張られていた。その急坂部を過ぎると道は緩やかになり、急勾配コースと合流した。足元を見ると、もう山ヒルが2匹付いていたので、すぐに引き剥がした。後は山ヒルの付着を防ごうと、急かされるようにして歩いた。そして野口神社に着いて再び足元を見ると、1、2匹どころでなく、スパッツとズボンの隙間にもおり、ざっと10匹は付いていた。パートナーにも5匹ほど付いており、暫くは二人して山ヒル取りをしていた。スパッツのおかげか足には吸血の被害は無かったので一安心と思っていたところ、パートナーがこちらをみて「首にヒルが付いている。」と言った。それも2匹だった。すぐに引き剥がしたが、一匹はきっちりと血を吸っていた。その血の跡を押さえながら駐車地点へと向かったが、何とも情けない気持ちだった。宍粟の山の山ヒルの増え方は想像以上で、少々のことでは防げないのではと思ってしまった。
(2012/8記)(2021/3改訂)
<登山日> 2012年7月21日 9:37スタート/9:46野口神社そばの登山口/9:57登山道の分岐点/急勾配コースを登る/10:36登山道の合流点/10:54〜11:55山頂/一般コースを下る/12:39〜51野口神社/12:59エンド。
(天気) 薄ぼやけた雲が広がっていた。ときおり雲が薄れて陽が射してきた。登っているときの気温は26℃ほどながら、非常に蒸し暑かった。山頂の気温は25℃。涼しい風があり、過ごしやすかった。視界は薄ぼんやりとしていた。
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車は五十波集落から少し離れた林道に止めた 
そこから山頂方向を眺める 
五十波集落を抜ける道に入り、野口神社を目指
す やや傾斜のきつい車道だった
野口神社の鳥居が現れた 
   
   
鳥居の前に立って、後から来るパートナーを見る 車道とは別に山門を通る 野口神社が近づいてきた
   
神社の手前で登山口標識が現れた 神社には立
ち寄らず、登山道に入った
登山道は湿っており、足下を見ると早くも数匹
の山ヒルが靴に貼り付いていた
ヒルから逃れるために、足早に登山道を歩いた
 宮山を示す標識が立っていた
  

 登山道が二手に分
 かれた 左手が一
 般コースで、右手
 が急勾配コースだ
 った 右手を登る
 ことにした

 急勾配ではあった
 が、落ち葉が積も
 っており滑り易い
 ことが気になった
   
少しマイナーな雰囲気の登山道だった 尾根に出て一般コースと合流した 尾根は緩やかで、一気に歩き易くなった
   
山頂目前で、右手からよいたいコースが合流した 山頂に着く 周囲はすっかり植林だった 一休みの後、尾根を北西へと歩いた
    

 すぐに金剛岩の前
 に出た

  金剛岩の近くからは
  南に向かって展望の
  広がる場所があった
     
宍粟市の中心部を眺める 南西の空を見る、そちらは明るい空だった 下山は登ってきた道を引き返す
   
暫くは易しい道が続く 北西に展望の開けている所があった 左の写真の808mピークを大きく見る
   
この下山では一般コースを下ることにした 始めは緩やかな登山道だった 次第に急傾斜となり、ロープを掴んで下った
   
急勾配コースに合流すると、後は山ヒルを用心
して足早に歩いた
野口神社の前に出て、ようやく足を止めた そ
れでも何匹もの山ヒルが靴に着いていた
山ヒルに取り付かれて血の出た首を押さえなが
ら、五十波集落への道を戻って行った