西寺山は地理的には白髪岳に近く、山頂から北へと尾根を辿ればトンガリ山の近くを通って白髪岳まで縦走することが出来る。その西寺山には1997年にトンガリ山と共に登っていたのだが、トンガリ山のついでに登ったような感じになってどうも印象は薄かった。そこで西寺山だけを目指して登ることにした。
向かったのは20年後の2017年12月で、雲は多いものの澄んだ青空も見られる日だった。国道372号線をひたすら走り、加東市を過ぎて篠山市域に入ると、今田町上小野原で四斗谷集落への道に折れた。四斗谷川沿いを北上して四斗谷集落に入ると公民館が現れたので、そのそばに駐車とした。時間は10時半になっていた。そこは西寺山から見ると北東麓の位置だったが、西寺山には右回りで登る予定だったので、まずは走ってきた車道を引き返す形で南へと歩いた。井根口池のそばを通ると小さな橋(井根口橋)が現れて、その手前より右手に山道が分かれていた。山道は2本あり、一つは平坦な道でどうやら山の方向には向かわないようだった。もう一つの山道に入ると、そちらは上り坂で墓地のそばを通った。ごくスムーズに歩けていたのだが、すぐに荒れてきた。地図を見ると破線路として谷筋に続いていたのでそのまま進むと、次第に道の形態は無くなってきた。それでも谷筋としては間違っていなかったので、そのまま南西へと登った。途中からは谷筋も不確かになり、単なる灌木ヤブの斜面を登る感じとなった。そして車道を離れてから30分で尾根到着となった。もう後は尾根上の小径を北へと歩くだけだった。やや急坂になるときもあったが、概ね無難に登って行けた。ただ少しヤブっぽいとは言えた。周囲はずっと雑木が取り囲んでおり展望は現れなかった。それでも木々が疎らになったとき前方に西寺山が大きく眺められた。また北東に白髪岳をちらりと見ることもあった。490mほどの小さなピークを越すと登る方向は北西となった。南の方向に少し展望が現れて、そこにどっしりとした姿を見せていたのは和田寺山だった。急坂となりそれを登りきると山頂かと思っていると、山頂は今少し先だった。その感じが二度ほどあり、ようやく着いたとの思いで山頂に立ったときは、尾根歩きとなってから1時間が経っていた。そこは雑木に囲まれて展望は無く、また陽射しを受けることは無く風が冷たかった。そこで少し南西方向へと下って陽射しが良く当たっている所で昼休憩とした。そこは陽射しはあるものの展望は無いため、昼食を済ませると少し辺りを探ってみた。すっきりとした展望は現れなかったものの、木々の空いた所から西光寺山や千ヶ峰が眺められた。45分ばかり山頂で過ごすと下山は北の方向へと尾根道を歩いて、まずはトンガリ山との鞍部に出ることにした。やはり少しヤブっぽい感じで歩くことになり、570mピークを越すことになった。その570mピークを越して更に北西へと下るつもりだったのに、歩き易いままに北東方向に下ってしまった。すぐに気付いたものの地図を見ると、そのまま下った方が早く戻れそうだった。またそのルートは前回登山の下山ルートでもあった。そこで軌道修正はせずにそのまま北東方向へと下ることにした。目印テープも付いていたので、それを辿るようにして下った。途中で急斜面となってきたが、慎重に下れば問題なかった。下り着いた所は沢沿いの林道で、後は林道を東へと歩いた。そして四斗谷集落へと入った。林道の終点位置は四斗谷公民館の前だった。
(2018/1記)(2020/4改訂) |