TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北但馬
 
久斗山    くとさん 671.0m 香美町・新温泉町
 
カサハ久斗山 650m
蓮台山    れんだいさん 628m 1/2.5万地図
  :余部
 
尾滝山    おたきさん 469.0m
 
 
【2001年11月】 No.1 2001-60(TAJI&HM)
    余部地区より  2001 / 11

 余部鉄橋を山上から眺めてみたいとの発想から地図を眺めると、自然とこの久斗山が目に付いた。山名の付いた久斗山と二等三角点のあるカサハ久斗山である。日本海に近い山としての魅力があり、この一帯を訪れていなかった未知の山としての魅力もあり、2001年11月の好日に向かった。コースとしてはこの二つのピークに立った後は、尾根続きとなる蓮台山から尾滝山を巡って戻って来る考えだった。
 国道178号線を走って余部に来ると、先に余部鉄橋のそばに立って久斗山を眺めた。そして南へと国道を戻って、久斗山方向に向かえる林道・ノウミ線に入った。その林道を300mほど進んだ辺りの路肩に駐車とした。林道の東にある尾根を歩きたく、その取り付き地点を求めて林道を歩いていたが、取り付き地点を決めかねるうちに、林道終点となる堰堤前に着いてしまった。しかしその先も小径が見えていたので、それを行ける所まで辿ることにした。小径は堰堤の上に出て沢沿いに続いていたが、あまり歩かれていないらしく草ぼうぼうと言った状態で、しかも朝露で濡れており、結構煩わしい感じだった。道は細々とながら続いていたが平坦なままで、谷の奥まで進んだ頃より漸く傾斜を増してきた。そして不確かになった。その先は全くの草ヤブ状態になっていたので、遅まきながら東の尾根を目指すことにした。山肌は雑木林となっており、始めこそ傾斜はさほどでもなかったが、やがて木に掴まりながら踏ん張らないと登れなくなった。滑り落ちそうな所もあったので、慎重に登って行く。何とか急斜面を登りきって支尾根に出た。ところがその支尾根もけっこう急尾根で、まだ厳しい登りが続くことになった。そこはイバラのようなヤブこそ無かったが、アオキなどの常緑樹がはびこり、それをかき分けながら登って行かなければならなかった。その登りを続けるうちに北の展望が現れて、余部鉄橋が見え始めた。その背後の青い海が鮮やかだった。但しその風景は木ノ間越しのため、すっきりとは見せてくれなかった。雑木ヤブが煩わしいこの尾根登りは、標高差にして200mは続いたかと思われた。支尾根を登り切ってり東の主尾根(轟尾根)に合流すると、漸く尾根は緩くなった。主尾根に着くと、余部鉄橋がすっきり見える位置はないかと尾根を少し北に歩いて見たが、雑木林の切れ目は無く、かえって見え難くなった。そこで先を急ぐことにした。尾根筋は一部で雑木が密生していたが、概ね木々は空いており、また下生えも少なく先ほどの支尾根と比べてずっと歩き易かった。やがて傾斜がきつくなると共に、クマザサが増えて来た。そこを一登りした所がノウミ山だった。地図では570mの等高線が描かれているだけで、標高点も無かった。辺りは雑木林にクマザサが混じっていた。その雑木林の空いた所からは北東に香住港が望まれた。ノウミ山を過ぎて久斗山への登りに向かうと、尾根筋をブナの幼木が囲むのどかな風景となった。また踏み跡程度ながらはっきりとした小径も現れて、断然歩き易くなった。そして徐々に尾根はきつくなって来た。ただそれと共に北側の展望は良くなり、はっきりと余部鉄橋が眺められるようになった。周囲の林の風景と言い、けっこう日本海の山を登っている感じを持てた。程なく着いた久斗山のピークは雑木に囲まれており、展望は無し。少時の休憩で久斗山を後にする。下り始めると、また余部鉄橋が見られるようになった。そのまま歩き易い尾根が続くかと思い始めた頃、徐々に尾根は低木のヤブで塞がれ出した。それを除けながら下って行った。その下りの途中で一カ所、始めて南の方向を望める所に出会った。そこからは南西遠くに扇ノ山がうっすらと見えていた。鞍部を過ぎてからは手入れの悪い植林地も現れて、更に歩き難くなった。クマザサも再び尾根を覆い出した。もう全くのヤブコギ状態となって、カサハ九斗山に着いた。山頂はなだらかになっていたが、雑木林にクマザサが密生しており、展望もなければ適当な休憩場所も見当たらなかった。昼休憩をと考えていたのだが、ここでも少時の休憩にとどめて、蓮台山に向かうことにした。尾根歩きの続きを始めるとクマザサは疎らになり、少しは歩き易くなってきた。木ノ間越しに蓮台山山頂が間近く見えるようになった。蓮台山へは緩やかな尾根が続くので、気楽な尾根歩きだった。ただ蓮台山はその名の通りの平坦な山頂なので、あまり掴みどころがなかった。一帯は雑木林にクマザサが混じっており、展望は無かった。その山頂の西北端で「八幡神社元屋敷」と書かれた石碑を見た。その辺りを山頂としているのであろう。そこも植林が囲んで薄暗かったため、少し北に下って陽射しが当たっている下生えの少ない場所を見つけて、そこで漸く昼休憩とした。昼食後は、北へと続く尾根を下って行った。びっしりとクマザサに覆われた尾根で、この日歩いた尾根の中では一番の密生度と思えた。その中をケモノ道ほどの尾根道が続いていたが、場所によってはクマザサに隠されていた。その尾根の下りでは少し雑木の疎らな所があり、そこからは九斗山方向が眺められた。また木ノ間越しだが、北西に大谷山の端正な姿が眺められた。クマザサの尾根を下り、少し平坦部になった所が尾滝山だった。蓮台山の北尾根にある小さなピークだったが、山名表示板も置かれていた。そこはすっかりクマザサに覆われている上に雑木が囲んでおり、展望は全く無かった。そこからは余部方向に向かって、北東尾根を下って行った。クマザサは減ってきたものの、雑木林の尾根は灌木が多く、多少歩く易くなった程度だった。なお410mほどの小ピークを過ぎた位置で、再び余部鉄橋を見ることが出来た。もう光は斜光線となって、夕暮れが忍び寄っていた。下るほどに尾根筋がはっきりしなくなったので、コンパスを頼りに下って行った。そのまま余部温泉のそばに下り着ければと思っていたところ、辺りはタケヤブと変わり、けっこう急斜面となってきた。倒れたタケをまたいだり潜ったりと難儀しながら、とにかく沢そばに下り着いた。そして沢沿いを伝って行くと小さな神社のそばに出た。門柱には「酒入山門」と記されていた。予定した尾根よりも、一つ北の尾根を下っていたことになる。後は田畑の中の野道を拾いながら、駐車地点へと戻って行った。
 この久斗山を登り終えての感想は、植林はほとんど見られず、雑木林が尾根を覆う自然がいっぱいの山だと言うことだった。麓辺りはちょうど紅葉の盛りだったが、尾根はすでに落葉しており、それが良かったのか、木々の隙間からながら余部の集落や香住港を見ながらの尾根歩きを楽しめた。また尾根は変化に富んでおり、クマザサのヤブコギがあるかと思えば遊歩道かと思えるほど歩き易い尾根道もあって、ヤブ山好きには楽しい山だった。
(2001/11記)(2012/11記)(2021/4改訂)
<登山日> 2001年11月24日 9:03スタート/10:23〜35尾根到達/10:55〜11:05ノウミ山/11:31〜48久斗山/12:34〜47カサハ久斗山/13:40〜14:18蓮台山/14:50尾滝山/16:15酒入山門/16:37エンド。
(天気) 好天。青空が広がり、ほとんど雲は見られない。気温も上がり、小春日和そのもの。視界も良く澄んでおり、風景が鮮やかだった。登山にもってこいの一日で終始した。
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ノウミ山のそばからは遠く香住の港が見えてい
久斗山への登りとなってブナ林の中を登って行
久斗山が近づくと、余部鉄橋が尾根から見え出
した
久斗山のそばから木立を通して余部集落を見る
左上に御崎集落が見えている 
久斗山を越すと、余部鉄橋がすっきりと眺めら
れる所が現れた
左の写真の余部鉄橋を大きく見る

 久斗山とカサハ久
 斗山との中間点辺
 りで、南西遠くに
 扇ノ山を見た

 扇ノ山の北に鐘尾
 山を見る
カサハ久斗山の山頂はクマザサで覆われていた カサハ久斗山を過ぎて蓮台山を目指す 木立を通して蓮台山を望む
振り返るとカサハ久斗山がすっきりとした姿を
見せていた
木立を通して北東に香住港を望む 蓮台山に着くと、一角に「八幡神社元屋敷」の
石碑を見る 御神酒が備えられていた
   
 蓮台山を過ぎて尾滝
 尾根に入った クマ
 ザサの厳しい尾根だ
 ったが、北東に展望
 を得られることがあ
 った

      左の写真の庵月山を
      大きく見る
尾滝山が近づいて、久斗山の方向が眺められた 尾滝山に着く すっかりクマザサに包まれていた 切り株に尾滝山の山名標識が付けられていた
尾滝山の近くから東の尾根を見る 尾滝山から北東へと下ったがクマザサ帯は続いた 木立を通して久斗山の尾根を眺めた
久斗山を大きく見る 下山の尾根からも余部鉄橋が眺められた 夕暮れの光に包まれ出した余部鉄橋を見る