TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨 
 
七種山    なぐさやま 683m No.7 福崎町
 
七種槍    なぐさやり   577.3m No.3 福崎町・市川町
 
 
1/2.5万地図 : 寺前
 
【2003年6月】 2003-45(TAJI&HM)
 
    市川に架かる沢橋(市川町)より 2005 / 5

 たまには七種山にでも登ろうと思い付いたのは、2003年の6月に入った日のこと。七種山だけでは物足りないので七種槍も登ることにしたのだが、七種山と七種槍とをセットで登るときはこれまで七種槍を先に登って次に七種山に向かう反時計回りだった。そこで今回は逆に七種山から七種槍へと向かうことにした。
 この日は午後に用事があったので、昼までに下山を終えたかった。そこで自宅を早めに出てみると空は雲が多かった。前日に台風4号が中国地方で温帯低気圧に変わっており、そのまま通り過ぎるものと思っていたのだが、天気の回復は遅れているようだった。姫路南部こそ晴れの兆しが見えていたものの、北に向かうにつれ雲は厚くなってきた。そして七種山が近づくとすっかり曇り空になっていた。短時間で周回するために、小滝林道に入った。七種槍に一番近い位置に駐車したくどんどん車を走らせると、どうやら行き過ぎてしまったようで、林道の終点が近づいてきた。そこで引き返して、ここではと思える堰堤のそばにあった路肩スペースに駐車とした。まずは七種川の支流に沿った林道を北へと歩いて行く。林道の道幅は十分にあり、左手の斜面が大きく削られていた。林道は一部でコンクリート舗装が見られた。辺りを見ると植林地が多いようだった。十数分で林道終点へ。その先は適度な山道が始まっていた。けっこう急坂だったが、丸太の階段道もあって遊歩道と言ってよいほど整備されていた。この日はけっこう強い風があって涼しく、ほとんど休まず登って行けた。急坂の道はけっこう長く続いたが、南東方向にトラバースする頃には緩やかになり、また傾斜がきつくなった先で尾根に出た。もう七種山の山頂は近かった。東側から山頂に近づくのだが、大きな岩を巻く所があったりして少々険しさのある道だった。笠岩を過ぎると、程なく山頂に到着した。山頂は少し雰囲気が変わっていた。北側の木立が伐られて、展望が良くなっていた。以前はつなぎ岩に立たなければ展望は得られなかったのだが、そのつなぎ岩も山頂から眺められた。ただこの日は生憎の天気で、薄暗い風景になっていた。しかも遠方の高峰にはガスがかかっていた。雨でも降っているようだった。それでも七種山に近い北部の山並みは一望だった。ところで山頂は風が一段と強く、いっそうの肌寒さだった。あわてて上着を着込んだ。そしてやはり展望を求めてつなぎ岩の上に立った。山頂の展望も良かったが、つなぎ岩は遮るものは全く無く、やはり一番の展望地だった。そのつなぎ岩に立っている間に更に雲は厚くなったようで、うっすら輪郭の見えていた大天井岳も暗くなって判然としなくなった。その七種山を後にして七種山へと縦走に入った。以前と比べて標識が付けられており、地図を見る必要も無く尾根を辿って行けた。途中の標識にも書かれていたが、七種槍との鞍部までは300mの2段下りだった。しかも急坂で一気に下って行く。以前にこの尾根を逆に登ったときは、一度は途中でばててしまったのだが、それもなるほどと思える長い急坂だった。今回は下りと言うこともあったが、涼しい天気に助けられて軽快に下って行けた。周囲は主に常緑樹の雑木林だったが、植林も混じって雑然としていた。どうも植林の手入れが悪いようで、その貧弱さで雑然と見えるようだった。尾根からの展望は全くなかったが、下りきって平坦な道になると、前方に七種槍のピークが見えてきた。そして七種槍までの200mの登り返しが始まった。この登りはややきつく感じる程度で、厳しいものでは無かった。順調に歩けたこともあって、七種山からほぼ1時間で七種槍の山頂に到着した。山頂は狭いながらも平坦になっており、その中央にぽつんと四等三角点が埋まっていた。その三角点だけで十分なのに、周りには色々と登頂記念の標識が付けられており、低山にしては少々仰々しい印象を受けた。久々の山頂なので以前の記憶は曖昧になっていたが、もう少し展望があったように思えたのだが、東の方向が少し開けている程度で、それも雑草や灌木が視界を遮っていた。他の方向はすっかり雑木に塞がれていた。七種槍の山頂からの展望を得たく、そうなると木に登るしかない。ちょうどそばに手頃な松の木があったので、それに登ってみることにした。すると予想以上に見事な展望が開けた。七種山を中心に南西から北西へと続く尾根が一望だった。暫しの間、木に捕まってこの展望に見とれていた。おりしも少し青空が覗いて、山肌の一部に陽が射して来た。七種槍からは地形図に記されている破線路を辿って小滝林道に最短距離で出る予定にしていた。そのためには登って来た道を少し引き返さなければならないのに、何気に南へと続く尾根道を下ってしまった。すると見事な岩場の展望地に出た。先ほど木に登って見たのと変わらぬ広々とした展望だった。北の方は見えなかったが、薬師峰から七種山までが一望だった。この展望を見て、七種槍の山頂は展望が良かったと記憶違いをしていたのではと思った。その展望を楽しんだ後は引き返して七種山への縦走路を少し下った。そして適当な所で道を離れて左手の斜面に入った。一帯はほとんど植林地になっており、手入れは行き届いていた。その植林に掴まりながらの下りだったが、枝打ちされた枝が地表に積もっており、また地肌も砂質で脆いため、決して歩き易いとは言えなかった。小石も多くてよく躓いた。とにかく一気に下って行くと沢が現れて、対岸には林道が見えていた。小径も現れてそれを辿ると、堰堤のそばに出た。その堰堤の対岸側には駐車した車が見えていた。どうやら予定通りに戻ってきたようだった。堰堤は渡り易く、簡単に対岸に出ることが出来て無事に周回登山を終了した。
(2003/9記)(2014/2改訂)(2022/5写真改訂)
<登山日> 2003年6月1日 7:42小滝林道の途中(堰堤のそば)よりスタート/7:55林道終点/8:51七種山の東尾根に出る/8:30〜50七種山/9:48〜10:20七種槍/10:55エンド。
(天気) 前日に台風4号が中国地方で温帯低気圧に変わった。その余波により天気の回復は遅れて、空はどんよりとした雲に覆われていた。気温は低めで、少し湿っぽさがあった。七種山の山頂に立つと、強い風があって寒さを感じた。ただその風のおかげか視界は良く澄んでいた。南の空は晴れる兆しが見えたものの、北の空は雲が厚く、ガスに隠された山もあった。七種槍に着いた頃は風は弱まっており、青空が覗くこともあった。
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七種山の山頂に着
いた後、つなぎ岩
に立って北の展望
を楽しんだ

北西を見ると雪彦
の尾根は雲に隠さ
れていた

左の写真の右に続
く風景を見る
東を見ると、次に向かう七種槍が見えていた(右上の写真の右に続く風景) 七種山から一時間かかって七種槍に着いた そこに四等三角点(点名・小滝小滝)を見た 山頂からは北東に展望があったが、笠形山は雲に隠されていた
山頂の展望が良くなかったので、そばにあった松の木に登ってみたところ、眼前に大パノラマが広がった
薬師峰を大きく見る 七種山を大きく見る 大中山を大きく見る

間違って山頂より
南へと縦走路を下
ると、展望の良い
岩場が現れた

(←)
南東方向も眺めら
れて、日光寺山が
望めた

 (→)
  日光寺山の尾根を
  大きく見る