七種山は幾つか周回コースが考えられるが、最短時間で回ってくるとなると、小滝林道を歩くコースではと思われる。2013年12月15日は、午後の半日をハイキングで過ごすことにした。そこで短時間でしっかり歩こうと七種山に向かった。そしてコースは小滝林道コースを左回りで歩くことにした。
師走も中旬となり、一年で最も日の短い季節なので、16時半には下山を終えたいと考えていたのだが、自宅を離れるのが少し遅れて作門寺山門前に着いたときは14時が近い時間になっていた。それでも何とかぎりぎり下山出来るのではと考えて、予定通り周回で歩こうと山門前を離れた。まずは戻る形で車道を南へと歩いた。小滝林道の分岐点まで戻ると、小滝林道に入った。その林道入口には「通行止」の看板が立っていた。林道はごく緩やかで、前方に七種山の尾根が少し離れて眺められた。林道は始めは沢の左岸を続いていたが、途中より右岸側に移った。歩くほどに林道の荒れが目立ってきた。土砂崩れの跡もあり、それが通行止めの原因ではと思われた。林道は次第に傾斜を増して、一部はコンクリート舗装されていた。なかなか林道の終点には着かず、林道の始点から34分歩いて、漸く終点となった。そこには七種山の登山口とは別に七種槍の登山口もあった。七種山コースは始めは災害によって荒れていたが、目印テープを追って進むと、ごく普通の登山道を歩くようになった。そして丸太の階段道が始まった。その階段がけっこう長く続き、しっかりと登る感じを持てた。尾根が近づいて漸く階段は終わり、傾斜も緩んできた。そしてトラバースする形で尾根に近づいた。尾根に着いたときは、登山口から33分が経っていた。尾根は少し痩せており露岩が目立った。少し風も出てきて慎重に登った。大きな岩が現れて、その先で今にも落ちてきそうな岩が現れた。それが笠岩だった。その笠岩を過ぎて今少し登った所が七種山の山頂だった。時間は15時半前で、山門前を離れてから1時間40分での到着なので、まずは予定通りと言ったところだった。上空はすっかり雲が覆って薄暗くなっており、おまけに一段と強い風が吹いていた。何とも寒々とした山頂だった。寒いはずで気温は3℃まで下がっていた。山頂には展望が無かったので、北面の露岩部を少し下って、つなぎ岩の上に立った。そこからは北の方向が広く眺められた。北の空は黒い雲が広がっており、時雨れている所もあって、尾根の一部は雨雲に隠されていた。笠形山の方向も少し天気が悪いようで、笠形山は輪郭がうっすらと分かる程度だった。強風のために、つなぎ岩の上では長くは立っておられず、展望を楽しむのはそこそこにして引き上げた。山頂に戻るとすぐに下山にかかった。七種神社へと下って行くが、こちらは一番ポピュラーなコースとあってスムーズな下りだった。途中に展望地があり、そこからは南の方向が眺められた。そちらは雲は少なく、日光寺山が夕方の光に包まれていた。山頂から34分で七種神社に到着した。そこから見る七種の滝は落差こそあるものの水量は乏しく、全く迫力は無かった。どうも冬場は見栄えがしないようだった。その先は遊歩道となって気楽なものだった。但し薄暗さが出だしていたので、足下に注意が必要だった。八龍滝、虹ヶ滝、雌滝など、幾つかの滝を見ながらの下りだった。最後は林道歩きとなって、山門が見えてきたときは辺りはすっかり夕暮れの色だった。
(2014/2記)(2021/2改訂) |