高竜寺ヶ岳を高龍寺集落からのコースで登ったのは1998年のこと。それから20年以上経つと山頂風景こそ何とか思い出せたが、コースの記憶はほぼ無くなってしまった。そこで記憶を新たにしようと出かけたのは2020年4月下旬、昭和の日のことだった。
ナビを高龍寺集落にセットすると、国道9号線、県道56号線、国道426号線と走り、すんなり高龍寺集落に入った。集落内には高竜寺ヶ岳の標識が立っており、迷わず駐車場に到着となった。その駐車場から山頂までの距離は1.8kmだった。始めは林道歩きで、林道を10分少々歩くと登山口標識が現れて尾根道に入った。林道の周囲でも新緑の木々を多く見たが、登山道に入るといっそう増えてきた。その萌葱色が何ともきれいだった。ずっと南尾根を登るのだが、その尾根には距離の標識が付いており、山頂まで1000m、中間地点、500mと現れて山頂までの距離感が掴みやすかった。その南尾根の傾斜は適度で、きつい感じもなく登って行けた。中間点辺りからは足下にイワカガミが増えてきて、まだ花が残っていた。歩くうちに右手前方に山頂が見えてきた。主尾根が近づくと、南尾根を離れてトラバース道に入り、その先で主尾根に合流した。そこから山頂までは300mだった。登山口駐車場には他に一台の車を見ただけだったので、山頂にはごく少数の人だけかと思っていたのだが、山頂が近づくと賑やかな声が聞こえてきた。そして主尾根に合流してから10分で山頂に到着してみると、そこには20人以上のハイカーが休んでいた。どうやら京都府側からの尉ヶ畑コースを登ってきた人が大半のようだった。ただ高竜寺ヶ岳の山頂は広場風に広く開けていたので密になることはなく、その人数であっても十分に距離をとって休めることが出来た。9年ぶりの山頂は木々の生長もあって展望の悪くなっている方向もあったが、それでも好展望の山頂で、北には久見浜湾、南に東床尾山が眺められた。山頂で休んでいたのは50分ほど。賑わいの続く山頂を後にして、下山は往路をすんなりと戻った。再び静かな尾根歩きとなり、新緑の様を眺めながらゆっくりと尾根を下った。
(2020/5記) |